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『次』を紡ぐのはいつだって新入社員 ⑨ 牛戦

「 い~ぃ? まずはあんたが前衛としてあいつを引き付けて ?!

その間にぃ、  あたしたちがぁ      どうにかするぅっ!!」


ギンっ!!


小学1年生が自信満々にそうのたまう











ちょっと読むのをやめて想像してほしい


いきなり生まれたと思ったら、神様がこう言う

「 人生は幸せなことばかりではないけど、生まれてきてくれてありがとう 」









キョトン








キョトンってすんだろ

今のおれがそれ








な、  なにいってんだこいつ、、、








「 なにいってんだ こいつッッッ!!!」









パニック発作でどたばた暴れる

やだやだやだやだ!  いやだ!!


なんだよ『ギンっ!!』って !!!


1年生がいくら叫んでもお願いしても無駄っ!  無駄なのっ!!

ぜっ    たいに任せられない!

こいつら1年生は  ずぇっ たいに  失敗する



過去、


『 ずぇっ たいに毎日お散歩は私がやるぅ! 』

『 ずぇっ たいに毎日ちゃんと宿題するぅ! 』

『 ずぇっ たいに毎日ちゃんと歯磨きするぅ! 』


そう、 そのどれもが嘘だった  何の根拠もない揺るぎない自信、、、

約束の元、一定の行動を延々とこなす行為の大変さをわかっていない失敗の歴史、、、


色々な想いがこみ上げてくる


お前はメインキャラのメンバーっぽいから優遇されてるだろうけど

どうせ瞬殺されるキャラだろがいっ!!


そもそも描写が1980年代なんだよっ!!  進化を受け入れろっ


ずぇったいにどうにかするとか発言した人物は

過去をいくら遡っても、どれだけ調べても証明された記録はない

過去の歴史上、 間違いなく失敗する、反故にするやつのセリフだ


、、、そして


俺がこんな7世代も前の Celeron 3流キャラの前座であることに納得がいかない

お前のお花畑大作戦はがんばる日記の中だけにしろ 俺を巻き込むなっ!!











おい!  どっ!


おら!!  どぐっ!!


落ち着け!!  どっ! どっ! どっ!


死ぬまでな!!!  どっ! どっ! どっ!




パニック発作のせいでまともにみぞおちにもらってしまう

、、、『 死ぬまでな 』ってどいうことだよ  うぐぐ

怒りと痛みで少し冷静になる











圧倒的な神々が、 矮小な存在の気持ちなんて知らずに こうのたまう


「い~ぃ? 落ち着いて!!  


作戦の要のあんたがっ!  ドッ! 


しっかりしないでっ!  ドッ!

どうすんのっ  ドッ!   よっ!!  ドッ!


はぁっ  はぁっ  はぁっ

まずはあんたが引き付けるなり受け止めるなりすればいいの!!

その間にあたしたちがどうにかする! 任せなさいっ!」


息切れしながら説得される恐怖をまるでわかっていない、、、


逆の立場になれよ!  


どんだけ正しいことをゆったとしても、息切れしながら言われれば効果は半減だ


怖いんだよ!!!









ぃ~~~、、、いやだやだやだやだ!  絶対にいやだ!!

お前が落ち着け!  説得中に生き生きと暴力を織り交ぜんなっ!!!

平気で「 あんた死になさいよ 」ってゆってる自分の精神を疑え!!!

言い直しただけでおんなじことゆってるかんな!!



晴れやかに息切れする野郎の顔にまた陰りが指す

もちろん俺がまだ反対するからだろう  俺の顔を見れば誰だって気づく

やだよ  ばーか  あん?   そんな反抗の意思を精一杯表情で表現する


  べっ   やろうの靴につばを吐きかける










真っ白い、  きれいなきれいなお靴


汚れたこともないのだろう

汚されたこともないだろうお靴に、血反吐混じりの保乾剤を吐きかける


ぬぐってもぬぐっても    一生落ちることはない









っ!!?









おい!  どっ!


おら!!  どぐっ!!


落ち着け!!  どっ! どっ! どっ!


死ぬまでなぁ!!!  どっ! どっ! どっ!






俺の想像した数舜後の未来は当てが外れる

「 ごめんね ちょっとあんたに頼りすぎてたわ  、、、あたし、反省 」

そんなことを言うと思っていた    それなのにだ

こいつは待ってましたと言わんばかりに、嬉々として内臓を蹴り上げてくる






「  内臓が!  ないぞう っっ?!   ぅおらっ!!  」

  どっ!     どっ!       どっ!






我が国ならではの、数百年も語り継がれてきた陽気なジョークを吐きつけてくる

多分、冗談だと思う   いや、冗談だと信じたい


が、 もしかしたらこいつは本当に取り返しがつかない状況になるまで蹴り上げてきそうだ


  、、、こわい


女の人の方が陰湿だってゆってたやつがいたことを急に思い出した

状況が状況だけにぶるぶる震える  今ならどんなはったりも信じてしまいそうだ





こ、、、  こわい   嬉しそうなこいつの笑顔にどんどん背筋が凍る


こんな状況の中、初対面の人様を嬉々として蹴り上げるお行儀の悪さ

初対面なんだぜ?  気心知れた仲のように平気でみぞを蹴り上げてくる

そして会話と現状がまるで噛み合っていない  俺は多分落ち着いているはずだ


それなのに落ち着けと言って蹴り上げてくるんだ





ー ー ー ???


もしかしたら俺は落ち着いていないのか、、、?





いっつも書かれていた

通信簿(よいこのあゆみ)をもらうたびに書かれていたあの一言

あの一言が脳裏をよぎる



『 落ち着きがない 』



急に自己を肯定する感覚が薄れる

こいつの中で実はこの行為は噛み合っていることなのだろうか

ゲシュタルトががらがらと崩壊していく


こ、、、  こいつ、

もしかしたらうちの支店の連中と同レベル系のやばいやつか?

あーだこーだ言って、気が済むまで手を上げないと我慢できないタイプのやつか?

俺が落ち着いてないから落ち着かせるためにみぞを蹴り上げていただいているのか


怖くなる  いろいろなことを考えてしまい、 震えて涙がこぼれそうになる

なんで血反吐を吐きかけただけでこんなにも怒られなきゃいけないんだ







そうだ!  こんな時こそだ!!  チームプレイだよ!!

助け合うんだ!!   仲間がこんなひどい目に合っているんだ

さすがにあの二人も助けてくれるだろ!







ーーーー 暴力を振るわれながら、懇願するようにみかさんを見る


まとめあげた長髪をいじっている

「 ん~、、、 なんかキューティクル系が落ち系かも 」


こっちを見ろ!    どうでもよさすぎる!!

世界中の誰も!!   誰もっっ !!

お前のきゅーてくるに感心なんてないっ!!!  こいつは却下だ!







ーーーー 暴力を振るわれながら、懇願するようにかなさんを見る


遠くを見て、『ん? 何かあったのかしら、、、』って雰囲気で

意味もなく遠くを見渡している


   ぽすっ


あまりにもわざとらしくメガネを草原に放る

「 め  めがねめがねめがね 」

400年前の古典芸能を急に披露するかなさん、、、


おい!! こっちを見ろ!! お前の灯台はぶっ壊れてんだよ!!

なぁ~んで遠くばっか見てんの!!  足元がお留守なんだよっ!!

自爆技で爆死決定!!









もうっ!  それっ!!   そーゆー日本の風潮がだめなの!!


黙認してたのも同罪だかんね!!!









、、、ぐぐぅ

どうにも逆らうことができない同調圧力に、民主主義の静かな暴力に絶望する




「 具体的にどうすんだよぉ~、、、 

たぶんだけど、間違いなく受け止められないよ?

一瞬『 気を引き付ける 』ぐらいならできると思うけど、

俺がぶっ飛ばされた後どうすんのさ 」




至極当たり前のことを聞いてみる




「 い~ぃ? あたしの能力の1つは『 応援 』

あたしが応援したらあんたたちの能力を引き上げられんの!

どれだけ引き上げられんのかは個人差があるけど、


、、、このメンバーならいけると思うのよ 」




キョトン




いきなり生まれたと思ったら、神様がこう言う

「 効果には個人差があるよ  GET♪ GET♪ 」





キョトンってすんだろ

今のおれがそれ





ぃ~~~、、、いやだやだやだやだ!  絶対にいやだ!!

お、応援? ばかか! おめーみたいな選民野郎の応援を受けただけで強くなれんならその辺のバッタでも強くなるわ! 第三類医薬品どころか健康食品未満の効能を恥ずかしげもなく謳うこいつに激しく突っ込みたいが怒りとくやしさで、こらえていた涙が流れて言葉にならない




4度目の屈辱をプレゼントできることはうれしいけど

その引き換えに命をささげることに納得がいかない


どたばた暴れる    どたばた どたばた










「 はぁ、、、  ほんっと仕方ないやつね


 5分よ  5分で効力がなくなるからね 」










あたしが『応援』したげる










ふわぁ?  ぽわぁ~~~っ?  


薄く葵く、MOS野郎がきらめく








な、、、なんだこれ








昨日早めに寝て、朝、すっきり目覚めたような爽快感に包まれる

たぎる  漲る  万能感がすんごい

朝活したくてたまらない  意識高い系の連中の気持ちが今ならわかる







「 おい MOS野郎! 俺に任せろ 俺が前衛に立つから後はどうにかしろよ? 」


デビュー戦の開幕だ

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