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三百五十八話


「わかったよ。んじゃ、俺はエミールに寄生な」


 ムーイがラウと力を合わせてオウセラになっているので俺はエミールに寄生して今回の出来事への手がかりが無いか探る事にする。

 エミールが背中から花を咲かせて向けるのでそこから寄生っと。

 ググっとエミールの体の中を俺が供給するエネルギーが循環していく。

 外見の進化は……しなくても良いのかな?


「さて、何か手立てが閃いたかね?」

「あ……これ……オデがユキカズの兄貴たちから力を貰ってるからわかるようになったんだな。浄化できる植物さんを生やせるんだな。それと……出してる限り地面からのエネルギーを吸えるんだな。村や町の結界みたいに植物さんの結界を出せるんだな」


 ああ、なるほど……ターミナルポイントには水晶が設置してあるけどそれ以外だと植物が伸びてる事もある。

 それとエミールが能力で植物生やして瘴気の生成を妨害しつつ浄化、地脈のエネルギーを奪えると。


「瘴気って汚染された空気って考えが出来るからよ。そう考えりゃ植物が操作できるカエルには適した方法があるって事か」

「なるほどだNE!」


 適した人材がいるもんだ。

 さすがエミール!


「そもそもやべぇ植物を呼び出す必殺技持ってんだから逆も出来るよな」

「やはり俺の目に間違いは無かったな。エミール! 凄いぞ!」

「ほ、褒められたんだな。でもきっとオデ以外でも出来る人が居ると思うんだな」

「謙虚なのも程々にな」


 健人の言っていたのはエミールが覚えているヤバイ植物フレンシア・アルノシェードな。

 耐性貫通能力持ちの睡眠効果があるアレを出せるなら、逆も強くなったエミールなら出来ても不思議じゃない。


「何はともあれ作戦の目途は立ったとするのがよさそうだけど……どう動くのが良いかね。まずは地下を抑えてから上に行くって流れで良さそうだけどさ」


 オウセラにどういった作戦で行くかを尋ねる。

 助言だけならヴァイリオ達もしてくれるけど、専門家から聞くのが無難か。


「出来る限り迅速に行くのが望ましいだろう。あまり悠長に構えてもよくない。それと戦力は厳選すべきだ。ケント、お前もわかるだろう? 彼と言う人となりを、相手は確実に突いてくる」

「ケッ! わかってるっての」

「ワシが命じるとするなら、トツカユキカズ、オオカミケント、ムーイ、エミール、それとラルオンとバルトだったかで行きなさい。ラウは行きたがるだろうけど待機させなさい。いざと言う時はワシが出るがね。他の者たちは自身の身が守れる範囲で件の建物から距離を取っている事だ」


 まあ……腕に覚えのある人選って事で良さそうだなぁ。


「瘴気の処理が出来るまではオオカミケントとラルオンはバルトとやらに乗っていなさい。で、トツカユキカズ。お前は近隣の町にしっかり伝達、瘴気が晴れたら即座に町から出て避難するよう先に話を付けておいてくれ」

「わかった」


 エミールの指示通り寄生を解除する際に花の方から外に出る。


「出発の準備はこちらでしておく」

「あいよ。ラウの説得……ちゃんとしておいてくれよ?」

「もちろんだとも、見送りまでは同行しても良い。ケント、お前の女たちも同様だ」

「はいはい。まあ、みんな危機を見過ごすなんて出来ねえからな」

「では先に行ってくるのだ」


 なんかオウセラに急かされているような気がするけど……ターミナルジャンプで事前に近くの町へ作戦を伝える事にしたのだった。

 後で知るのだけど……オウセラは俺がいない所でもう一つの作戦と言うか予備策をみんなに述べていたのは、この時の俺は知る由も無かった。




 そんな訳でターミナルジャンプを迂回経由でみんなを飛ばして件の塔とも呼べる怪しい敵施設が見える所にまで到着した。


「それじゃラウ、リイやカトレアさん達と一緒に良い子で待ってるんだよ?」


 作戦が上手く行った際の避難誘導にと健人の女たちも挙って町までは同行していた。

 町の外の近くまで来ている瘴気を浄化しないと避難が出来ない。

 幸い、俺たちが拠点にしている町ほど人は居なくなっているのだけどそれでもそこそこ人口のいる町であるので、避難をしてもらわねばいけない。

 竜騎兵……この前の戦いで助けたドラゴン達も輸送に関して協力はして貰う手はずだ。

 時間があればよかったのだけど、そうも言ってられない訳で……。


「きゅー……ボクも行きたいー! ううう……」


 オウセラからもダメだと命じられている手前、ラウは口では駄々を捏ねて居るけど本気で行きたいと無理な態度は見せていない。

 それほどまでに……件の建物から発せられる気配は大きく邪悪だ。

 ムーイの中に居るとかでも何が起こるかわからない危険な場所だというのが誰の目にもわかる。

 それほどまでに厄介な気配を宿した場所と化している。

 こう……異世界の戦士の力は元より、聖獣、魔物としての力が脅威だと鳥肌が立っている場所だからなぁ。


「やっぱりいろんな迷宮種の力を感じられるぞ……あいつ等を全部混ぜ込んだみたいな所だぞ」

「なんだな……この世界に居る迷宮種を一か所に集めたみたいな気配なんだな」

「そうなんじゃねえの? 捕まえた迷宮種をよ。それこそよ」


 事前に推測できるのは間違いじゃないとヒシヒシと感じられる気配だ。

 で、件の建物がどんな名前なのかと偵察した段階でもわかっていなかったのだけど……ご丁寧に自身で名付けて地脈に登録でもしたのか浮かんで来る。


 世界救済センター 邪神領域支部


 世界救済とかどの口が抜かしてるんだ。

 あっちの異世界でも暗躍してた挙句、こっちの世界でもこんな問題を引き起こして暴れまわっているんだ。

 で、俺は現在、エミールに寄生する形で陣形を組んでいる。

 もちろんムーイの体の一部も俺には引っ付いたままな。

 エミールの進化モードはカエルの騎士タイプの素早く動ける奴だ。当然、状況次第で退化と進化してモードチェンジをする手筈となっている。

 ムーイには愛用している強化済みの竜騎兵用の剣を持って貰い、俺とエミールは大蝦蟇モードで合成したシミターを持っている。

 シミターを振り回すと……ブルやフィリンと一緒に生き残ったサバイバルを思い出す。

 あの時のキラープラントアダマンシミターみたいな代物が近いと言えば近いか。

 ムーイとエミールに簡易的に色々と付与した挙句、俺が刻印を刻んで強化した……倒した迷宮種の骨を素材に使ったシミターだ。

 ホーリーラビュリントシミター+40とか鑑定したらついてた。

 町にある武器とかをエミールの能力と俺と聖獣の力、更にムーイの能力強化をするだけでこんな代物が完成するとはね。

 量産出来たら恐ろしいのだけど一本作ってエミールから引きはがした所でその器官が損傷、三日の冷却期間が必要なのが判明した。

 食べる事は出来るけど剥がすのは危ないって状態だ。

 まあ、性能が劣化したのをバルト用の武器としてムーイがミダスの手で再現した代物があるんだけどさ。

 ……割と本気でムーイとエミール凄い。

 健人も白兵戦用に槍をムーイに色々と付与して貰っていたっけ。

 防具も迷宮種由来の代物を町の鍛冶師に作って貰って着用している。

 カエルの騎士姿のエミールは鎧が似合うなぁ。

 ムーイも兜と胸当て着用している。

 姿を変える時は脱ぐけど、着用しておけば余計なダメージ……エネルギー量が増えたムーイはどうやら耐性や防御力が大幅に上昇するようであまり意味は無い。

 ともかくみんなフル装備で事に挑む事になっている。

 ラルオンだって装備をしっかりと着こんでるぞ。


「どうして途中で俺がバルトから降りる計画になってんだよ」


 納得できないと言った様子で健人が愚痴る。


「しょうがないだろ。健人、腐ってもお前の方がラルオンよりLvが上なんだから、身体能力が高いならな」

「その分、MEが頑張るYO!」

「はぁ……ったく、場合によっちゃ逃げるからな。怪獣大決戦は遠目で見てるのが一番だぜ。つーか……ラストダンジョンなら隠し兵器とか強力な武具が宝箱とかにあるんじゃねえの?」

「あったら良いな」


 そこまでゲームみたいだったら良いなと俺も思う。

 あるよね。ラストダンジョンに最強装備がって。


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