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三百四十二話


「なんだなっと」


 ふむ……確かにエミールの命令で茎の行先が深く入り込んで力の源の所まで入り込めた。

 別に胃袋ルートでも問題は無いんだけどなぁ。

 ともあれここから寄生用の触手を展開して……うん。前にもやったようにエミールの体に寄生完了。

 にゅっとエミールの額に宝石が浮かび、尻にカーラルジュによく似た俺の尻尾が生える。


「なんだな。やっぱりこの方法が良いんだな。いつもの方法だと体が痺れて集中し辛いんだな」


 虫形態を挟んだ俺の寄生はエミールからすると相当に気持ちが良いそうだからな。


「よし、接続完了、どうだ?」


 だから実はぼんやりしてるって事なんだろうけどー……ファルレアと戦っている時は結構しっかりしてたと思うんだがなぁ。


「……や、やっぱりすごく力が溢れて来るんだな。前よりもずっと、ずっと大きいんだな」


 エミールのバイタルチェックをし続ける。

 増えすぎるエネルギーにエミールが耐えきれずに弾けるとか無いか流し込むエネルギーを調整しながら循環させていくが……うん、特にエミールの体が耐えきれないという問題は起こらないようだ。

 弱い迷宮種とは言ってもそれは力の源の内包するエネルギーが問題なだけで体はエネルギーが増えても耐えられるように出来ているようだ。

 ただ、変化が起こらない?

 いや……よく確認するとエミールの体自体が変化に対して留まろうという動きが感じられる。


「エミール、変化しようとするのを無意識に我慢してるだろ?」


 これだけの出力がある中で変化しないのは不自然だ。

 ムーイとは明らかに異なる痙攣のような何かがエミールの体の中にある。


「そ、そうなんだな?」

「フレーディンの事もあって辛いかもしれないけど頑張ってくれ、俺はお前を信じてる」


 強くなった所為で俺が寄生できずに消化してしまうかもって悪夢を見たことがあるらしいからなエミールは。


「ユ、ユキカズの兄貴……オデ、頑張ってみる……んだな」


 エミールの体がビクっと活発に反応し始めている。


「あ、ああ……ユ、ユキカズの兄貴から流れるエネルギーがとても綺麗で、オデ、わかるんだな。ユキカズの兄貴の変身や進化ってのが、今出来るんだな」

「そうか。俺も進化補助ってスキルがあるから……その辺りが効果を出しているのかもしれない」

「そういうのあるのかー? ムーイ、無いからわからないぞー?」


 エミールにしかわからない進化があるっぽいのか?

 なんて思いながらエミールの体への同調をしていると、エミールが何を感じ取っているのか俺もわかった。

 ピコっと俺の視界にも浮かんでくる。


  /□エミロヴィア

 □―□エミロヴィア

  \□エミロヴィア&デリルイン


 これ、分岐進化かな?

 上二つは、伸びるステータスが違うようだ。力寄りか魔力寄りの二つ? 下のはデリルインの影響で防御が上がるっぽい? いや、総合的にはどれも伸びるか。


「フレーディンの外見が変わったらしいし、エミールも体の変化が起こせるって事なんだろうが、エミールはどんな進化をしてみたい?」

「よくわからないんだな。ただ、フッと浮かんでくるだけなんだな。ユキカズの兄貴、そんなにわかるんだな?」

「進化出来るってわかるだけなのか、じゃあエミールがそのまま進化したいと思うとどうなる?」

「なんだな? オデは……」


 エミールが進化を選ぶと真ん中の魔力寄りの進化をしていくようだ。

 ぐぐぐっとエミールの体の密度が上がって皮膚の模様が変化していく。

 貫禄が増したような姿になったかな?


「で、出来たんだな。あ、でもまだ進化出来そうなんだな」

「まあ、どんどんやって行けばいいんじゃないか?」

「わかったんだな。でもちょっと怖いんだな」


 エミールは力の源の影響で人格が変わるのをムーイと同じく嫌がってたからなぁ。

 やはり変化するのが怖いんだろう。


「そこなんだがな」


 進化するエミールの体内で様子を見ていたからわかったんだが、流し込むエネルギーを調整する。

 すると一定ラインのエネルギー表示が出てそのラインを下回ると……ニュニュっとエミールが元の姿に戻る。

 実はデリルインから得た力の源で増したライン以下みたいなんだけどさ。

 どれだけ変化することを我慢してたんだろうか。

 これまでの寄生でわからなかったのは俺が未熟だったからだろう。


「なんだな? 戻ったのがわかるんだな」

「ああ、退化と言うか戻れるっぽいぞ。まあ、一応代価として進化の際に消費したカロリーが大きく減るっぽいけどさ。今回は俺が代わりに払った」

「戻れるんだな。なら安心なんだな! オデが言うのも間違ってると思うけどユキカズの兄貴、便利なんだな」


 便利でよかったじゃないか。力の源をそのまま持たせておけるのも安心か?

 まあ、力の源を本体の源に吸収し終えると戻れない可能性はあるけどさ。


「ああ、そんな訳で特に意識なくそのまま進化を選んでみてくれ」

「わかったんだな! 消費した部分はユキカズの兄貴が作ったクッキーで賄えるはずなんだな!」


 そんな訳でムーイから預かった戦利品の力の源をエミールに流して自由に進化して貰った結果、エミールがどんな進化をしたかと言うと、見た目的には貫禄のある長年生きたカエル型の大蝦蟇みたいになった。

 もちろん途中に何度も分岐があったんだけどさ。

 気体なのに個体のように煙がエミールの周囲に漂っている。


 宿主 迷宮種エミロヴィア Lv?

 所持スキル いばらの魔女 大蝦蟇 インセクトグロウ 貯蔵 伸びる舌 潜水 吸盤 水攻撃無効 毒無効 言語理解 動体視力 潜伏 毒生成 毒使い 自動回復(大)魔力回復(大)水魔法適正 水魔法威力増加 雨雲召喚 ブレス 世界の断片 巨大化 合唱 生命の雫 蝦蟇の油 仙人 雲乗り 強酸 武具合成 キメラ合成


 進化することで大蝦蟇と言うスキルが出現した。

 しかもどんなスキルを所持しているか未知数な部分が全部見る事が出来る。

 俺の成長もあるけれどエミールの力を全部引き出せるほどのエネルギーが循環出来たという事かな。


「どうなんだな!」

「おー……」

「カエルの仙人って感じになっちまったな。雲に乗ってるじゃねえか」

「そうだな」

「お空を飛べるんだな」


 すーっとエミールが雲を操るとそのまま飛び立てるようになっている。


「すごいんだな! ユキカズの兄貴とムーイの姉貴のお陰でオデ、こんな事が出来るようになったんだな!」


 飛べる事にエミールが大興奮している。

 さっと着地したエミールが貫禄のある体で楽し気に笑っている。

 喜んでくれているようで何よりだ。


「ユキカズの兄貴、オデの中でつぶれたりしてないんだな?」

「特に問題はないな。むしろエミールの方こそ破裂しそうとか無いか?」

「大丈夫なんだな!」

「エミールが力の源とユキカズの助けがあるとそんな風になるんだなー雲を出して飛ぶ以外何が出来るんだー?」


 ムーイが小首を傾げて確認を要望する。


「ユキカズの兄貴、オデは何が出来そうなんだな?」

「単純に増えたのだと毒使いとか……これは俺も持っているスキルだから除外すると自動回復系が強化されてる。他に水の魔法が使えるようになっているようだぞ」

「こ、こうなんだな?」


 エミールは本能的に魔法を使ったようで手の上の空中に水の塊が生成される。


「そうそう」

「ま、クコクコ達もその辺りの魔法が使えるから無難な奴だな。つーか今まで使えなかったのかよ」

「魔法資質は希少だYO」


 まあ、普通の人間はマジックシード無しでは魔法使えないもんね。

 一度習得すればどの属性も習得可能だけど。


「ブレスも何か習得してるな」

「なんだな? こう……なんだな?」


 ふーっとエミールが意識して息を吐くともわもわと七色の息が周囲に広がっていく。

 鑑定効果を確認すると幻覚効果があるっぽい。虫と鳥寄せに格段に効果がある。

 って!


「きゅー……」


 ラウがふらふらとエミールの方に歩き出してる。


「ラウ? どうしたー?」

「ラウの坊ちゃん? どうしたんだな?」

「虫と鳥に効果の高い幻影ブレスみたいなんだ」

「なんだな!?」


 さっとエミールは息を霧散させるとラウはハッと我に返った。


「あれ? なんかいい気分だったけど……どうなっているっきゅ?」


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