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二百三十話

 ……もしや出力の関係で追加されている能力とかもあるのだろうか? その辺りは判断に悩む。

 いばらの魔女ってのがエミロヴィアが使う固有能力だと判断する。

 ムーイはミダスの手って能力だった所で考えると、いばら……まさにエミロヴィアは植物操作の能力ってのが分かるか。

 薬の調合も本能的にわかるっぽいので魔女って所から来てるのかもしれない。

 ムーイと同じ運用で考えると知らない植物は出せない。知ることで出せるようになるって感じかな?


 ちなみにムーイは自分の能力で甘いものを出せるけどそれ以外の事だってやろうと思えばできる。

 石化とかも可能なんだよな。一応。

 エミロヴィアの場合は花とか虫が好みそうな代物を出しておびき寄せるみたいだけどさ。

 で、インセクトグロウ……昆虫成長って所はまんまで想像通りって感じか。

 ……俺って寄生虫って所から考えてエミロヴィアって最初から俺を獲物と本能で認識してなかったのか?

 寄生獣って感じでグレーゾーンだったのかもしれない。

 ムーイで言う所のソーダとかコーラのポジション。

 貯蔵ってなんだ?


「エミロヴィア、お前のスキルに貯蔵ってのがあるんだが」

「そうなんだな?」


 本人も知らんのかい!


「収納とかか?」


 俺も魔物化してからデフォルトで持っている代物だが……違うよな。

 うーん……ムーイとも違うからよくわからん。

 文字的にスタミナを貯蓄出来るとか? カエルって結構食べずにいて平気だったような気もする。

 けどなんか違うよな。

 俺の寄生能力で何が出来るのかを判断するにしても、迷宮種って所でよくわからんからな。


「後で確認してみるとして……」


 伸びる舌はカエルだからそれっぽい。武器なポジションか。

 そんで想像通り潜水持ち、水中でも活動できると。カエルっぽいから海水とかだとどうなんだろ?

 吸盤……手を確認すると確かに結構吸い付く。握りやすいのはこれのお陰か。

 俺もリトルオクトクラーケンになったら吸盤使えたし、エミロヴィアの操作は違和感は少ない。

 水攻撃無効って地味に凄いのではないだろうか? 相手によるけどさ。

 言語理解はムーイと同じく迷宮種が結構所持している能力かな?

 カーラルジュはよくわからないけどさ、ザヴィンも持って居なさそう。

 この辺りは個体差か。

 動体視力……飛び回る虫を捕まえるのに必要って事かもしれない。

 潜伏か。


「ちょっと潜伏能力を使ってみる」

「ああ」


 そんな訳でエミロヴィアの体で潜伏を意識する。

 スーッと周囲の色に皮膚が変わる。

 けど、カーラルジュ並みの隠ぺい効果はないな。

 伏せて健人たちの方に視線を送ってみる。


「迷彩って程度でカーラルジュ程じゃねえな。けどいざって時には結構役立つんじゃね?」

「まあな」


 これなら魔物も居場所に気づくのは難しいだろう。

 結構エミロヴィアも多芸だな。


「こ、こんな事出来るなんて知らなかったんだな」


 ……力の源による出力アップで開花している可能性は大いにある。


「分離した時に出来るかも後で実験しなきゃな」

「後は毒生成、これは俺も持ってるからわかるぞ」


 エミロヴィアの体で毒生成してみる。この辺りは前にもやったな。

 ジワッと皮膚から毒を出すことが出来た。

 うん。俺の場合は毒腺で皮膚からは出せないけどほかの所からも出せそう。

 というか……俺よりも強力な毒が出力できそうだぞ?


「で、小だけど自動回復。傷の治りが早いって事だな」

「ユキカズの兄貴が寄生すると色々と出来るようになるんだな」

「お前が知らなかっただけって可能性もあるけどなー」

「うー……」


 エミロヴィアと話をしてるとムーイが唸ってる。

 何なんだお前は……?


「で、ブレス……竜騎兵だとそのまんま攻撃だったわけだが、エミロヴィア。お前ブレスなんて撃てるのか?」

「本当に知らないんだな」

「ま、試しにやってみるか」


 どうやってブレス撃つんだ? 息を吸って吐けばいいのか?

 すーっと息を吸って……あ、なんか内蔵の一部が膨らんでる。

 肺とは違う所だからわかるぞ。

 でもこの部分は加熱とかしてない。


「ほ!」


 もわわ……と、煙が出てる。

 スモークブレスかな? 目を開いて確認すると目隠しのようだ。


「こんなの出るんだな。でもこれって花さんにお願いすれば似たのが出せるんだな」

「まあ……被りは多いよな。毒合成をこっちに回してポイズンブレスも出来そうではある」


 問題として能力的な重なりがあるので必要かどうかって所か。

 能力を使う暇がない時に呼吸のついでに放てるって運用かな。

 で、世界の断片はムーイも所持しているよくわからないスキル。迷宮種の特徴って事なんだろう。


「後は……巨大化?」

「なんだな?」

「ムーイの場合はエネルギーの総量とかで体格を大きく出来た訳だけど……」


 カーラルジュとかも力の源の影響からかデカくなってたし、フレーディンも同様だったんだよな。


「あ、なんとなく今は分かるんだな。こうなんだな?」


 エミロヴィアがそういうとグググ……っと体格が大きくなり、マンイータージャイアントグリズリーと同じくらいの大きさになった。

 カーラルジュとかフレーディンとも違う大きさだ。


「おっきくなったんだな! オデ、こんな事出来るんだな! 元に戻れるんだな?」


 エミロヴィアが同様に何かをすると体格が元に戻った。

 なるほど、力が増した事による身体強化じゃなくてスキルによる変身みたいな代物のようだ。


「これならムーイも健人も乗って移動できるな」


 難点はエミロヴィア本体の足の速さではあるけど、そこは色々と俺が補佐をすればいい。


「後は合唱ってのがあるけど何だろうな?」

「カエルの合唱ってか? 音楽系スキルってよくわからないシナジーがあるからな。単純に歌で鼓舞させたり、誰かの魔法を強化とか色々とある」

「フレーディンが使っていた能力も音波系だったな」

「な、なんだな……悪いことはしたくないんだな」


 洗脳音波はエミロヴィアとしても使いたくないって態度だ。


「魔法系となると……スターショット」


 俺が最初に覚えた魔法でちょっと攻撃だ。

 ポン! っと星を飛ばすと……もう一個追随して半分くらいの大きさの星が飛んで行った。

 魔力もちょっと減ってる。


「魔法の追撃って所か」

「音楽系全般に作用するかもしれないな。結構そのカエルで出来ることが多いみてえだな」

「ああ、エミロヴィアだって強くなれるって事だ」

「頑張るんだな。オデも知らないことがたくさんなんだな」


 色々と出来るのは素直にすごいぞ。

 本人は自分の体の使い方が分かって無かった感じか。

 ムーイも変化に関しちゃよくわかって無かったっけ。

 誰かが教えてくれる訳じゃないって所が大きいな。

 で、わかった事はムーイの天賦の才ってのはムーイ自身が所持する才能みたいなもんだな。

 エミロヴィアも色々と出来るけどやっぱり基礎スペックの部分でムーイとは異なるようだ。

 誰にも長所と短所がある。

 ムーイの方がより戦闘向けって感じでエミロヴィアはどちらかといえば後方援護が得意って感じだ。


「ムーイ、なら何かわかるか?」


 プイっとムーイが顔を背けてる。

 いや、そんなへそを曲げてるなよ。なんでそんなにへそ曲げてんだよ。


「……貯蔵は砂嚢じゃないのかー?」


 砂嚢……ああ、ラウを一回守るためにムーイの体でやった事があったっけ。

 ちょっと確認……あ、それっぽい。

 しかも魔力が宿ってて空間が歪む。


「当たりだ。さすがムーイ。文字通り貯蔵する能力だぞ。岩とか貯蔵して吐き出せばいざって時に攻撃に使えるな」


 ちょっと実験に石を舌で引っ掛けて貯蔵してみる。

 で、プッと吐き出すと石が飛んでいく。

 こういうギミック、ゲームとかだとあるよなー。


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