表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
163/394

百六十三話

 進化せずにこのままいくのも良い。そう思いながら進化項目を開いて確認する。



 ◆メガパラサイト

 他者に寄生する方向で進化した上位種。

 強力な魔物の体内に潜み住み着く。

 進化条件……Lv23


 ◆パラサイト・クリサリス

 寄生した宿主の体を蛹に変えて羽化を待つ状態。

 宿主の体の特徴を引き継いだ成体になる時を待つ。

 進化条件……Lv23 宿主の所持


 ◆イヴルスピリット

 霊体化し、宿主に非物質的に憑依する事を選んだ寄生魔物の亜種。病魔とも呼ばれる。

 憑依した宿主の肉体と魂を操る特徴を持つ。

 進化条件……Lv25 魔法適正


 ◆ウェポンパラサイト

 武器に擬態し所持者の意識を乗っ取り操る術に長けた寄生魔物。

 血や命を糧に擬態の能力は向上して行き、成長すれば魔剣などと呼ばれる。

 進化条件……Lv30 鉱石摂取



 うわ……進化先がかなり多い。

 まだあるけどまだ4つしか見てないけど邪悪だとしか言いようのない進化ばかりだ。

 単純にメガパラサイトはパラサイトの上位進化っぽい。汎用的とでもいうのかな?

 本来はより強力な宿主に寄生出来るって所……なんだろう。

 生憎と俺はムーイを生かすためにパラサイトに進化した訳で何か強力な魔物が居るからと乗り換えなどをする気はない。

 で、次の派生先はクリサリスね。一言で言ってなんだこれ?

 宿主の体を蛹に変えて羽化を待つって……なんか生物の授業や子供の頃に聞いたような気がする。

 幼虫の世話をしてきれいな蝶になるのを待っていたら蝶じゃなく別の虫が蛹から出て来たって話。

 それに近い感じで宿主の体を媒体に羽化して別の魔物になるプロセスの途中を現す進化ってか?

 仮にこれを選んだら俺はムーイの体を蛹に変えて……ムーイをまんま取り込んで進化ってか?

 それは何か違くないか? そもそもムーイの体ってそこまで対応するか? 現状だって俺が力の源として強引に動かしているに過ぎない訳でこんな真似したらムーイの体がどう反応するかわかんないぞ。

 次がイヴルスピリット……幽霊化して憑依……なんか座学で聞いたことのある魔物っぽい。病魔って所がそれだな。

 幼い子供に病魔が取りついて生命力を奪うって話。

 冒険者の依頼でこの病魔を払う神聖な道具の作成とかギルドのクエストで見たことある。

 どう考えても邪悪そのものだし、今の俺には不要な進化先だな。

 そんで次が……武器への進化か。

 本当……いろんな進化先があって驚きの連続だ。武器への進化……ある意味、俺じゃなく使役している魔物とかだったら助かる進化だなとは思う。

 いう事を聞くなら育てれば単純に強くなる武器って感じだし。

 ムーイ目線で力の源を取り戻してからこれに俺が進化して敵をズバズバ切って倒すのは中々に強そうではある。

 問題はムーイの怪力で振り回された俺の体が砕けるのが先だろうけど……。

 で、次は……。



 ◆アンデッド・パラサイト

 死体を専門に操る進化を選んだパラサイトの亜種。

 死体をつなぎ合わせ強力な魔物として操る。

 進化条件……Lv25 死体への寄生



 なんとも邪悪な進化だ。

 進化条件を僅かに満たしているのが俺としては嫌な感じでしかない。

 あとはゲイザーとかがそのまま据え置きである。特殊進化って事でどこからでも進化出来るって事なんだろう。

 他にも派生先はあるみたいだけど俺の分析不足で名前すら不明って感じだ。

 今まで選んだバリエーションを増やすって意味だとイヴルスピリットかウェポンパラサイト辺りを選んでいたはず。

 ただ、現状から考えていくとパラサイトとしての進化を進めて行くのが良いんだろうなぁ……。

 俺がムーイの力の源、心臓部として動かしている感じだし。

 リトルオクトクラーケン辺りに変化して手はパラサイトを維持とかしたらムーイの体の外に出て援護とか……出来るかもという考えはあるけど……今の方が戦いやすい。


「確認したぞ」

「どうするんだー? 何があるのかオレにも教えて」

「前にムーイに聞いた時にパラサイトの進化が良いとか言ってきたからな……あんまり相談したくないんだが……とはいえムーイとはくっ付いている訳だから意見は聞いた方が良いか」


 結果的にムーイの命を繋ぐことは出来たけどさ……。

 と言う訳で俺はムーイに進化先に関して説明した。


「ユキカズはどれが良いと思うんだー?」

「え? そうだな……少しでも負荷がない様にムーイの体を動かせるようにしたいからメガパラサイトに進化するか、今のままでそのままLvを上げるのが良いかと思ってる。何か良い進化先が判明するかもしれないからさ」


 進化失敗したから戻ってやり直すは現状厳しい。

 それだけ負荷が俺自身に圧し掛かる。今まで集めた魔石とか食料とかでムーイの生命維持をしている段階なんだし。


「さっきユキカズ、オレの力の源を早く取り返したいって言ってた。なら今のまま少しずつ強くするより進化した方が良いんじゃないか? 慎重になりすぎるのはよくないんだろ?」

 ムーイの言い分に一本取られた気がする。

「そうだな……ちょっと感覚が変わるかもしれないけど単純に上位に進化するわけだし、負荷が増すとしても微々たる事ですぐに戦ってLvアップすれば元に戻るよな」


 その辺りの懸念がある。

 進化した際にムーイに合わせた体の調整がずれるかもしれないけど、やってできたんだ。

 一か八かを続けたっていいだろう。


「じゃあめまいとかするかもしれないけど、我慢してくれよ。それと……妙な固有効果とかが出たとしても恨むなよ」

「ユキカズと一緒ならオレ、怖くない」


 本当、ムーイの信頼が時に怖いね。体に寄生してるってのに……。

 よし、メガパラサイトに進化だ。

 そう強く意識するとグググっと体が変化するのを感じる。


「う……うう……」


 ギュブっとムーイの体に張り巡らせていた俺の神経が太くなり繋がりが強まってムーイが呻く。


「大丈夫か?」

「はぁ……はぁ……だい、じょう、ぶ……前より……少しだけ温かくなった気がするぞユキカズ」


 温かく……か。単純に出力が増したって事で良いのかな?



 メガパラサイト(兎束雪一) Lv1 EVO・P 18369

 所持スキル 属性熱線 魔眼 飛行 LGB 分析 分析力向上+ 変身 熱線威力アップ 飛行速度向上 配下視界共有 変化項目拡張 接続再生(弱) 毒液 迷宮種・ムーフリスの因子

 固有能力 寄生 同化&分離 宿主経験値強奪 魔力吸引 生命力吸収 肉体干渉 感覚・思考制御

 Lv15になった時……固有能力・宿主改造 配下生成

 進化条件 Lv40

 人間 ×不可 ▽所持スキル

 分析▽

 変身▽


 肉体

 体 メガパラサイト

 手 メガパラサイト

 宿主 迷宮種ムーフリス 瀕死


 単純に俺自身のステータスが上昇したのが確認できる。ムーイの体を通る力の循環がより強く出来るようになった。

 警戒し過ぎだったか。

 あ……ただ、マイナス効果って程じゃないけど新陳代謝があがってエネルギーの消費も増してる。

 強くはなったけどその分、燃費も悪くなった感じだ。Lv15になった時に固有能力が増すけど宿主改造って……。

 配下生成もあれだけど、色々とやばそうだけどこの先を生きていくには避けて行けないか。


「そうか、それはよかった」


 進化は終えて負荷が少し下がったので助かった。

 より過負荷を下げるためにLv上げをしていきたい所だ。

 俺はムーイの力の源の代わりを完全に務めている訳じゃないんだ……迷宮種・カーラルジュを倒すにはもっと力を得ないと到底無理だろう。

 しっかりと強くなっていかねばならない。


「さて、んじゃビリジアンワイルドタイガーの毛皮を剥いで後で加工してマントにでもするぞ」

「うん」


 と言う訳でビリジアンワイルドタイガーの毛皮の剥ぎ取りを行う。

 ムーイの奴、体の使い方が分かったのか手を刃物にしてザクザクと毛皮を器用にはぎ取ったぞ。


「じゃあ行こう」

「おう!」


 こうしてターミナルポイントでの確認を終え、周辺を探索した後、迷宮種・カーラルジュの足跡を見つけたので向かった先へと俺達は一路進みだしたのだった。

 さらば仮拠点……戻ってくることはおそらくないだろう。

 俺達は進み続けなければいけない。ムーイの力の源を取り戻し、みんなの元へと帰るんだ。


今日誤って更新してしまったのですが一旦休載します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
イラストの説明
― 新着の感想 ―
[一言] 10月20日は休載でしたか。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ