29 2つの国01
穴の中に入ると バラバラになったヒュドラが6匹倒れていた
「おじいさん 置いてかないでよ」
おじいさんはコクリと頷いて 進み始めた
あ~ 通じてないよ まったく 頼りのセネは 言うこと聞いてくれないし
そうよ 魔王 あんたも弱いんだから 私の気持ちが分かるでしょうに
ヒュドラを倒すたびに 私のレベルはどんどん上がっていく
はぁ~ このままだと 人族最強になるんじゃないの
階段を下りると
えっ おじいさん
おじいさんが私を抱えて 階段の上に
えっ えっ どうしたの
上の階に戻ると すぐに 魔王とセネも戻ってきた
セネは笑っているように見えるけど 魔王は必死な顔で走ってきた
その後 すぐに 階段の下から 炎が
私達の所までは届かなかったが 天井が黒く焦げている
「ねぇ 今のは」
「それより 逃げるにゃん」
セネがA級のダンジョンに向かって走りだした
すぐに 魔王も 私を抱えている おじいさんも
えっ えっ
「ねぇ セネ 何があったの」
「ヴァリドラにゃ それも あれは ダメなヴァリドラにゃん」
んっ ダメな
「いいヴァリドラもいるの」
「そうにゃ 普通のヴァリドラはお得にゃ でも あのダメなヴァリドラには誰も勝てないにゃん」
誰も・・・
「おじいさんもってこと」
「その勇者は別にゃ 勇者1人なら分からないにゃ セネ達が足手まといにゃん」
セネが足手まといって 何なのよ
「セネも敵わないのね」
「そうにゃ あれは 白の国と黒の国を滅ぼしたヴァリドラにゃん」
何それ
「その白と黒の国って何」
「知らないにゃん?」
えっ 知ってて当然のことなの
「初めて聞いたけど」
「白の国は白い翼の人が住んでた国にゃ 黒の国は黒い翼の人が住んでた国にゃん」
それって 天使と悪魔ってことよね えっ おとぎ話
「それって おとぎ話」
「違うにゃ 2つの国のやつ等は今は神と名乗っているけど ただの馬鹿な人にゃん」
あ~ 自称神って やつ等ね ええ~と 本当の神様ってことはないんでしょうね
「で ヴァリドラとの関係は セネは何か知ってるの」
「やつ等が作り出したにゃ 魔那を大量に発生させるためにヴァリドラを使ったにゃん」
えっ ヴァリドラを使って魔那を さっきのダメなヴァリドラを作ったってことなのかな
あっ ヴァリドラが暴走して国を滅ぼしたってこと
「もしかして 暴走したの」
「そうにゃ 1000匹のダメなヴァリドラが今もいるにゃん」
はぁ~ 何よ それ そんな話は聞いたことないよ
どこまで本当なのかな
・・・
こっちのA級ダンジョンはドラゴンしか出てこないので楽に進んでいった
そう ドラゴンしか ドラゴンが可愛く感じるよ
はぁ~
その夜 セネが私に記録の玉を貸してくれた
エルフから借りた特別な記録の玉だそうだ
記録は断片的で短いものだった
内容はセネから聞いてた内容と同じなのだろう 断片だけなので正確には分からないが たぶん セネが言ってたことと同じ
私が見た後 セネが記録の玉をおじいさんに
すると おじいさんが手に持ったとたんに
パリーン と音がして 記録の玉が粉々に
「にゃ まあ 仕方ないにゃん」
え~と どうしたんだろ おじいさんは玉を握っていなかったよね 手に乗せただけで
玉は粉々になり 光を発して 綺麗な女性 エルフ?
えっ どういうこと 誰
光が 女性が おじいさんに吸い込まれていった
今の女性は幽霊 いや なんだろ
・・・
セネも魔王も不思議そうに見ていたけど
・・・
そのせいだったのか 分からないが
その夜 私は不思議な夢を見た
それが昔の記録だったのか
ただの夢だったのかは
・・・




