03 呪い
悲鳴が鳴り響いていた城内が段々と静かになっていく
俺はゆっくりと王座に向かう
俺は帰ってきた
この魔王城は仲間と共に作り上げた 多種族の平和を願って作ったのだ
他の種族の権利を認めない人族と 他の種族の国の領土が接しないようにするために 魔王城をこの地に作ったのだ
この地に魔王城が 魔王がいるかぎり 人族と他の種族が戦争することはない
この城を作った仲間の想いを思いだしながら一歩一歩噛み締めながら進む
「タナトス様 我々はこれで……残りは王女のみです」
ガウが跪いて報告してきた
「わかった しかし最後の1人は王にするのではなかったのか……」
「つい……殺っちゃたにゃ~ ごめんにゃん」
「そうか それなら仕方ないな 最後は俺がやる」
10臣が次々に転移していった
外の部下の様子を確認しに行ったのだろう
王座の前につくと 女が1人うずくまっていた
「貴様が王女か 死んでもらうぞ」
俺は剣を振り上げた
王女が俺を見て何か叫ぶ
俺は……王女の顔を見て動きを止めた
「勇者すず……」
しかし……若い……子供……子孫か……まさか……転生か
鑑定すると イリス 15歳 ― レベル1
転生ではないのか……似ているが
静かになった城から音が聞こえてきた
「カーン カーン カーン」
何かの合図なのだろうか
すると 目の前に光の柱が
転移の光か
光が収まると 剣を持った人族が現れた
防具は一切つけていないが
王女の家臣なのか……
まあいい 死んでもらおう
俺は剣を降り下ろす
しかし受けられる
少しは出来るのか ならば これなら
……何度も斬りつけても受けられてしまう
この人族は防具をつけてないので一撃でも当たれば……
俺が殺気を込めて斬りかかろうとすると
「うっ」
俺の剣をかわし 俺の大道に……
大道とは力と魔力の通り道 そこを傷つけられると力と魔力が上手く操れなくなる
一瞬で両腕 両足 4つの大道が傷つけられた 外傷もなく……
「ぐっ 今のは……むしんくうかん」
最後の力を振り絞り剣を振るが……
軽くかわされ 俺の首元に剣を
手加減されて 情けまで
俺ではまるで相手にならない
たとえ 今 魔王になっても……勝てないだろう
人族が……むしんくうかんを使えるとは……本当に人族なのか……
種族鑑定をしてみたが……人族に間違いなかった
ただ 目の前の人族が神以上の剣技を極めているということだけは わかった
剣を極めた者だけが使える剣技の極意 むしんくうかんの使い手だということが……
俺は剣を鞘に戻す
俺は部下をいつでも転移させることが出来るが……
恐らく無駄死にになるだけだ
この人族は強い いや 強すぎる
鑑定すると あつし 100歳 勇者 レベル851
もっとレベルが高いと思ったが……
「なっ」
よく見ると手に持っている剣は……
聖剣 エクスカリバー
伝説の剣……
俺の剣も伝説の剣だが……この星の神が作れる最強の剣と言われているが……
あの剣は……格が違う
全ての星の神の神が持っているとされている伝説の剣
しかし 剣の性能だけでは……
この人族の強さはレベルや剣だけのせいではない
恐ろしいのは剣技 力 速さ……
考えていると王女が走り出した
しかし 俺の呪いの障壁に阻まれ転んだ
この障壁は俺の部下しか通り抜けることが出来ない
「なっ」
急に身体が引っ張られだした
勇者のせいなのか くそっ
「止まれ 止まれ」
勇者にいったが魔族語が話せないようだ
見ていると勇者と王女が障壁を確認しているようだ
そういえば こんな場合はどうするんだ……
俺が負けて見逃されるなんて考えたこともなかった
俺の部下にならない2人をどうやって障壁の外に出せば?
俺の種族が魔王になった時に 俺は誰からも逃げられなくなった
魔王になる者にかけられる呪い
全ての種族を作った神が作ったとされる呪い
魔王が誕生しても倒せるように 勇者から居場所が常にばれるようになり 戦いから逃げられなくなる
魔法の得意な魔王が転移等で逃げれなくするためなのか……そして安らぎを与えないためなのか……
呪いを作った者かそれ以上の者でなければ呪いは解けないはず
どうすれば……そもそも勇者はなぜ俺を殺さない?
……
俺から5メートルまでしか離れられないのがわかり 諦めて それぞれ離れて座っていた
時間だけが過ぎていく
……
……
突然勇者が踊りだしたと思ったら王女と一緒に歩きだした
ついていくと食事のようだ
そういえば そんな時間か
それにしても勇者と王女と食事か……




