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過度部の日常  作者: ピロシキ
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真壁純一の日常

 5月、大半の生徒はこの時期には友達とグループを形成し、行動を共にする。




 一方、未だ友が見つからずに一人で行動する生徒も少なからずいるわけで、俺、真壁純一(まかべじゅんいち)もそれに該当する。



 しかしあらかじめ言っておくと、俺は「友達といるなんて時間の無駄」などといった尖った理由で一人を選んでいる訳ではないし、ましていじめを受けているわけでもない。



 理由は簡単で「陰が薄すぎて認識されない」といった感じだ。




 今に始まったことではない。昔から人数確認では自分だけ数え忘れられるし、すぐうしろにいるのに親が「純一(じゅんいち)がいない」と言って騒ぎ出すのも日常茶飯事だった。


 そんな俺が高校に入ってすぐ友達ができるはずもなく、まずは存在を知ってもらうことからはじめなければならない。



「ぼっちキャラは窓際の一番後ろの席」というのがアニメでは相場が決まっているが、俺がいるのは教室のど真ん中である。




 にも関わらず、入学してから人に話しかけられた回数が片手で数えられるとは、自分の才能に感服してしまう。


 まあこの能力(能力といえば少しはこの状態がマシに思える、気がしてる)の役に立つところは、ぼっち飯をしていてもそもそもそれを認識されていないので、周りから哀れみの目を向けられることがない。


 また、授業中に先生に指名されることがほぼない、といった点であろうか。


 俺が本当に透けているのではないかと思うほどに、俺の後ろの席の女子が指名される頻度が高い。しかし申し訳ないが俺に悪意はないから許して欲しいものだ。


 授業中に寝てもスマホをいじっていても咎められないのは、忙しい日常を送る高校生にとっては大きなメリットといえよう。しかし俺は部活にも入ってなし特にやりたいこともないので、残念ながら授業をまともに受けてしまう。




  ともかく、そんな生活を15年近くしていれば一人でいることも慣れてくるわけで、俺はもうこの能力を受け入れている。


 ******************************************


 昼休み、俺は()()()()()教室のど真ん中でぼっち飯をしていた。何の変哲もない、春らしい暖かさの教室。


 すると突然、豪快な音を立てながら教室の前のドアが開けられ


「みんなこんにちは!!!」


 見知らぬ女子生徒はそう言って教室に入ってきた。


 明るい髪色、長さもかなりあってもう少しで腰に届きそうだ。


 顔の良さだってこの学校の中じゃ上位に食い込める位置にいるのは間違いない。


 しかしそんなことはどうでもよく、今の状況が飲み込めずクラスメイトはみな唖然としていた。俺もその例外ではない。


「お、君のお弁当おいしそうだね!グッジョブ!!」


 教室を見回しながら手前の席の男子に手でグーとしながら話しかけ、どんどん教室の奥へ歩いて行く。


 急にお弁当を褒められた男子生徒も箸で卵焼きをつかんだまま「ど、どうも・・・」としか反応できていない。


「あれ~たしかこのクラスにいるはずなんだけどな???」


 どうやら人探しをしてるらしい。が、そんなことよりそもそもこいつは誰なんだと言う空気が教室を満たす。


 そして彼女が俺の前を横切り、通りすぎようとしたとき


「やっっっと見つけた!!!!」


 振り返るやいなや、机をバンッと大きく叩いて彼女は俺に言った。


 普段は向けられないクラス中からの視線が俺に一気に集まる。


「聞いてはいたけど、噂通りの能力の持ち主ね!」


 能力?それって俺の影が薄いあれのこと??思考が追い付かない俺を無視して彼女は言った




「過度部は君の入部を歓迎するわ!!」




 かくして、俺の静か過ぎる日常は終わりを告げたのだった。

さあ、勢いで書き始めてしまいましたがどうなるのか。


更新頻度は遅いです。この先の話もほぼ未定です。これぞ見切り発車。


気長に待ってくれたら幸いです。

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