SNSでつながる社会の片隅で、私があえて個人サイトを開設した理由
どうも、初めましての方は初めまして。葦沢かもめと申します。
昨年の流行語大賞の一つ「インスタ映え」に代表されるように、今やSNSで人とつながることは当たり前。
さらにカッコいい写真や派手な行動で目立つことが、ネットの主流となってきています。
しかしこの2018年に、私はあえて個人サイト「あしざわ工房」(https://sites.google.com/view/kamomeashizawa/top)を開設しました。
SNSに比べて開放的とはいえませんし、コメント欄もありません。
ツイートボタンも、いいねボタンもありません。
ではなぜそんなサイトを作ったのか。
その理由を単刀直入に言えば、無名のアマチュア作家にとってSNSはセルフブランディングに不向きだと思ったからです。
セルフブランディングという言葉について簡単に説明しておくと、これは自分で自分をブランド化して売り出すことを指す言葉です。
アマチュア作家がTwitterで自分の作品のプロモーションをする、というのがこれにあたります。
プロモーションならば、多くの人の目に触れるSNSが最適なのではないか、と思われる人も多いと思います。
私も、SNSを使えば多くの人の目に触れる、という点では同意します。
しかし今のSNSにおいて、多くの人の目に触れる=プロモーションになる、とは必ずしも言えないのではないかと私は感じているのです。
その理由は、私が以前書いたエッセイの中にあります。
そのタイトルは、「小説を執筆する前に評価を予測することはできるか?」(https://ncode.syosetu.com/n5616du/)。
小説の評価を、事前情報だけで予測できるか考察したものです。
このエッセイでは小説の評価を次のように見積もっています。
(評価)=(アクセス数)×(被評価率)
この式は、小説にアクセスした人のうち、どれだけの割合の人が評価してくれたかで評価が決まる、ということを示しています。
分かりやすく例えれば、アクセス数は来店したお客さんの数であり、被評価率はお客さんの満足度ということになります。
この前提が正しいとすると、SNSでの宣伝が効果を発揮するのは、明らかにアクセス数です。
「○○ってお店ができたらしい。行ってみよう」という感じですね。
宣伝が成功すれば、お客さんが増え、評価が高まります。
しかしお客さんの満足度が低いと、リピーターができずにお店は潰れてしまうことになります。
ここで難しいのが、どんなお客さんでも満足してもらえる小説を書くことです。
そんなスキルがあったらSNSが無くても人気になるはずです。
SNSで宣伝することでしかお客さんを増やせない、というのは裏を返せば、一部の人にしか満足してもらえていないということを意味しています。
つまり、アマチュア作家がSNSで宣伝する行為というのは、一部の人しか欲しがっていないものを不特定多数の人に宣伝していることになります。
これを一人がやるならまだしも、大勢で一斉にやっているのです。
みんなで互いのポストにチラシを入れ合うけれど、自分のポストに入っているチラシの中で本当に読みたいものはわずかしかなく、それを探すのも面倒だから結局読まない、みたいな現象になっているのではないでしょうか。
実際、私がよく見る人のSNSのアカウントは、フォローしてはいますが、探すのが面倒なのでブラウザのブックマークからアクセスしています。
上手くネット上のコミュニティを区切って(アカウントを分けたりして)回避している人もいるのだとは思います。
しかし私はSNSばかりやっていても疲れるし、創作の時間を確保したいので、のんびりSNSを楽しみたい派なのです。
ゆったり時間が取れる時にネットでまとめて情報を集めたい、というニーズは、恐らく社会人の方に多いのではないかと思われます。
他の人のSNSの更新頻度を見ても、のんびりSNSを楽しみたい派は少なくありません。
したがって、SNSで宣伝することは時間の無駄になりかねない、と私は思うのです。
逆に言えば、そこにニッチがあるはずなのです。
それからもう一つ、セルフブランディングにおけるSNSのデメリットとしてチャット形式になっている点が挙げられます。
Twitterならば、自身のツイートや、その中で画像・動画つきのツイート、いいねしたツイートなどを見ることができます。これらのツイートは、最新のものほど上に表示されています。
つまりコンテンツが時間で並べられているのです。
これはチャット的な性質があるからこそ、そうなっているのだと思います。
しかし、より長いスパンで見た時に重要性が増すツイートの場合、下に流れていってしまったり、間に無駄なツイートが挟まってしまうのは、読み手にとって非効率的なのです。
例えば、仮に鉄腕DASHの公式Twitterがあったとした場合を考えましょう。
秋の男米の収穫のツイートの下に0円食堂のリーダーの寒いギャグがあると、一つ一つのツイートの反響は大きくても、初めて知る人にとっては情報につながりがないため飽きてしまいます。
それよりも、春に田植えをして、夏には台風の対策をして、秋にようやく収穫できた、というストーリーが一目で分かった方が、初めての人にはより伝わりやすいはずなのです。
それを運営側も理解しているから、固定ツイートやモーメントという機能が実装されています。
ただし固定ツイートは一個だけという制限がありますし、モーメントは不便で利用者数も少ないように感じます。
こうしたことを考えると、流行しているからとSNSだけにこだわるよりも、SNSのメリットを活かしつつ、デメリットを補える別のメディアも活用するのは自然な流れではないかと思うのです。
ここでSNSのデメリットを整理します。
①アクセス数は稼げても、リピーターを減らす可能性がある
②時間で並んでいるため、ストーリー性に欠けている
これら二つのデメリットを補えるメディアが、個人のホームページです。
これならば、自分の作品を気に入ってくれた人がブックマークをしてくれれば、リピート率は格段に高くなります(その人のブックマークリストが整理されていないために忘れ去られる可能性もありますが、それはこちらではどうにもならないので諦めましょう)。
SNSで個人サイトを宣伝すれば、アクセス数も期待できます。
さらに自分の活動をストーリー性をもって語ることができます。活動の期間が長く、内容が濃い人であればあるほど、SNSでは伝えきれなかった自分という”商品”を、余すところなくアピールできるのです。
SNSで宣伝しているだけでは日の当たらなかったアマチュア作家さんが、個人サイトで花開く可能性は十分にあると言えるでしょう。
興味のある方は、ぜひチャレンジしてみて下さい。
ちなみに私は、ホームページをGoogleサイトで作成しました(Googleのステマではありません)。
理由は、一つ作るだけで、PCでもスマホでも無理なく閲覧できるからです。
使ってみた感想としては、パワーポイントで図を作るみたいな初心者でも簡単な操作で、シンプルで見栄えのするサイトが作れるという印象です。
私の場合、2~3時間くらいでイメージしていたものができました。
広告も下部にGoogleサイトのプロモーションが入るだけなので、邪魔には感じません。
趣味のサイトを作る分には十分な機能が揃っていると思います。
もちろん、他にもホームページサービスは沢山あります。
無料のホームページを作るアプリなんかもあるので、スマホで編集したい人はそっちの方が便利かもしれません。
それでは、皆様のより良い創作ライフをお祈りいたします。