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アーティストROKUTOと魔女セレナ  作者: アヤネ
第1章~時代が生んだ魔女セレナ~
5/8

エピローグ&プロローグ

 死を免れた禄人は、セレナの魔法“瞬間移動魔法”によって自宅に戻り、ベッドの上に倒れていた。傷が治っても失った血は戻っていない。だからなのか、体が重く、立つのもままならない。一方、セレナは

「台所借りるわ」

と言い、どこからともなく現れたアタッシュケースを手にし、台所に向かっていった。

(さてと・・・)

禄人は周りを見渡す。

(広くはないけど、狭くもないよな)

「出来たわよ」

セレナは湯気が立っているコップを持って部屋に入ると、禄人の隣に座る。そのコップを禄人に渡し、

「飲みなさい」

と言った。しかし、コップの中に入っているのは濃い赤色をした液体。飲む気が起きず、顔色を悪くする。

「私が作った増血剤よ。飲んだらすぐに血が増えて良くなるわよ」

「・・・・」

禄人は覚悟を決めて、赤い液体を一気に飲み干す。すると体にのしかかっていた重さがなくなった。

「すげー」

「魔女はそこら辺にいる魔法使いと違って薬が作れるの。魔法と薬、この両方を兼ね備えて初めて魔女と呼べるのよ」

「そっか・・・ありがとう、セレナ」

「・・・・・それじゃあ、私行くわ」

セレナは立ち上がる。

「どこに行くんだ?」

「さあ・・・どこだろうね。そこら辺をフラフラしてるわ。出会えてよかったわ」

禄人を背に歩き出そうとする。しかし、

「待てよ」

禄人の声によって足が止まった。

「だったらここにいたらどうだ」

「え?!」

予想外の言葉に慌てて振り向く。

「本気で言ってるの?魔女を家に住まわせるなんて、正気じゃないわ」

「・・・それじゃあ、こう言えばいいか?」

禄人は考えていた。セレナの事情を知ったその時から。この時代、彼女の居場所はない。それに、彼女を知っている者もいない。ならば、自分が面倒を見ようと。それが、偶然でも封印を解いた責任。そして

(お前を・・・一人にしてはいけねえからな)

その思いがセレナを家に住まわせるという考えに至ったのだ。だが、今のセレナに優しい言葉は逆効果だ。

「お前を一人にしたら何するか分からない。だから、自分の目に見えるところに置いておきたい。これじゃダメか?」

「・・・確かに・・・あんたなら私を倒せる力を持ってる・・・だけど・・・それだったらさっさと私を倒せばいいじゃない?」

「あー・・・それはだな・・・」

(やべ・・・そこは全然考えてなかった・・・やっぱり、こういう駆け引き苦手だ)

思わず目をそらす禄人。対して、セレナは笑みを浮かべる。

「まあいいわ、どうしてもここに居てほしいって言うのなら居てもいいけど」

「ああ、どうしてもだ」

真っ直ぐな目で見つめられたセレナは、思わず面を食らう。

「あんた・・・本当に馬鹿ね・・・いいわ、乗ってあげる」

 こうして、アーティストROKUTOと魔女セレナの奇妙な生活が始まったのであった。


いかがでしたでしょうか?これで第1章は終わりです。読みづらいとかなかったでしょうか?多くの人に読んで貰えたら幸いです。

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