小さな大人?
中学時代前半ですね。
中学に入ると自我に目覚めていく。と言っても不良になるわけじゃない。周りの友達や先輩は街に名前を轟かす不良達だったけど僕には関係ない。入学式、いきなり地元の先輩に呼び出され廊下をパンツ一丁で走った。虐められたわけじゃない。なにか凄いすがすがしい気分だった事を覚えてる。これがきっかけで自分の中で何かが弾けた。
流されるままバスケ部に入り、そのまま目標もなくバスケを始めた。最初の頃は「選抜」ってだけで体育館練習だったが、すぐに目が死んでる事を指摘されグラウンド組に放り出された。スポーツマンになりたかったわけじゃない。だって特に優れた運動神経って訳じゃなく、まぁ空手も続けてたしね。どうでもよかった。ただバスケ部に入っただけ、そんな感じ。
当然のように成績は上がらない。親たちはこの頃から僕への期待を捨てたと思う。神の子と騒がれ知能指数が常軌を逸していた天才少年。その影は全く無し。普通のどこにでもいる落ちこぼれ寸前の子供。クラブを辞めなかった事が唯一の救い。
もちろん恋なんて僕には関係ない。小学生の時好きだった子は違う私立の中学に行ってしまった。もう恋なんてしないってのじゃなく、恋とは関係ない世界に住んでいた。そんな感じ。好きな子も出来ず、勉強もクラブも楽しかった訳でもない。悪者の先輩達に連れ回され、楽しい世界を教えてもらっていた。でも悪者にさえなれなかった。
親はこの頃からバブルの恩恵を受ける。貧しさを経験してるこの世代の人間は本当に強い。我が家も平屋の長屋から三階建ての家に。家に階段が付いたときの感動は今でも覚えてる。自分の部屋、自分のテレビ。そしてお小遣い。そんな忙しい中でも僕の親は必ず一緒にご飯を食べてくれた。幸せな家庭、家族。その中で中途半端な自分が凄く嫌だった。
目立ちたがり屋の中途半端な僕。1学年20クラスもあるマンモス中学なのに、3年間同じ先生が担任だった。新任の教師。入学式にパンツ一丁で廊下を走った問題児を離せなかったんだと思う。そして3年生の頃、その先生に「生徒会を仕切れ」と言われた。
なんでやねん。僕が生徒会?天才メガネ君にやってもらえよ。