サヨナラ?
そろそろ終わるかな。
そんな事を繰り返し、僕は何度も捨てられた。1週間、1ヶ月。僕は捨てられるたびに努力し、元通りになった。彼女も自分のメンタルの弱さをいつも謝るが、そんなことどうでもいい。もう鬱状態には僕がさせない。彼女は言う。いつも悪いのは自分だと。いやちがうよ、僕がしっかりしてないから悪いんだ。
僕はやっぱりどこかいつも中途半端。彼女の事だけを考えて努力してたけど、それ以外の事が中途半端だったのかもしれない。仕事や金銭感覚、生活態度。将来の事が見え隠れする彼女には、それが不安だったのかも知れない。僕は本当に努力していたのか?彼女に対する自分だけを磨き、「本当の自分」を磨き忘れてはいないか?今だから言えるけど、その時は何も気付かなかったし、わからなかった。
いつしか捨てられる回数と期間が増えた。「捨てられる」って表現はオカシイかもしれないけど、そういうことなんだ。将来に不安を感じ、そしてダメと言われている。そういうことなんだ。彼女は裕福な家の出身。末っ子のお嬢さん。僕は貧乏生まれの長男坊。親は努力でのし上がった一代目。今でこそ裕福ではあるが、それは大変な苦労をしてきたのを僕は見ている。
僕の夢。この頃には「彼女との楽しい家庭が欲しい」に変わってた。相変わらず小さい夢。仕事とかそんなことどうでも良かった。もちろんお金持ちになりたいけど、彼女がいなけりゃ意味がない。彼女の為に働き、彼女の為に側にいる。あまり格好よくはないけれど、これが僕なんだ。欲しいものは彼女が欲しがるもの。全ては彼女。うーん、うまくコントロールされてたのかな?
彼女と会いそして一緒に過ごす。毎日顔を見に行った。毎日メールした。そして捨てられてはまた付き合う。そんな繰り返し。僕から離れた事は一度もない。常に僕は彼女の事を思い続けていた。だってそうじゃん、それしかできないもん。
そして付き合いだして8年。僕は33歳になって、完全にサヨナラを告げられた。なんでやねん。
続きます