入院?
長すぎます?
今度は長期入院決定。だって歩けなかったし。「一生歩けないままかもよ」なんて言われてさ。えー!人生の転機なのに。自分で行動して、そしてやっと決断できたのに。僕はあの子に会う事もなく、遠い街の病院に入院した。だって地元の病院じゃだめなんだ。遠くへ行って考える時間が欲しかった。急に会えなくなったあの子には連絡した。「また入院!最悪!」ってな感じ。答えはまだ貰ってなかった。
親も毎日来れるような場所ではなかった。だから毎日一人。一応入院すると痛みも治まりなんとか歩けるようにはなった。でも手術は決まっていたんです。だっていつまでもこんなんじゃダメだからね。高校卒業後に始めたサッカーも楽しくなってきた頃だったし。もう一度歩けるようになって、サッカーしたかったし。それよりなにより、あの子と歩きたかったし。もう一度サッカーできる、って保証は無かった。どころか歩けなくなる可能性ってのもあった。
そんな時、病院にあの子がやって来た。僕らの街から電車で一時間。わざわざ来てくれた。
彼女は「手術が終わって退院したらどっかデート連れてってね」って言ってくれた。僕は泣いた。それが答えじゃん。歩けなくなるかもしれない僕に答えと頑張る気持ちをくれた。それから毎日のように来てくれた。僕もどんどん元気になっていく。手術は近づいてたけど、もうその頃は病院内の車いすチャンピオン。脳神経外科のセナ。勢いよく車いすを駆り、看護師さんに「俺の彼女。カワイイしょ!」なんて言ったりしてね。バカ丸出し。
よし、絶対歩けるようになってやる。俺の人生コイツに賭けた!もう僕は中途半端なんかじゃない。目標ができたんだ。一緒に歩きたい人がいる。それだけの目標、夢だったけど、僕が初めて自分で決めた夢。夢に小さいとか大きいなんてない。夢ってのは自分自身で見ることが、夢をみれることが素晴らしいんだ。
子供の頃から目標なしの夢なし甲斐性なし。そんな僕が嫌いだった。でもそんな僕を好きでいてくれる人がいる。今は自分が好きになれる。だって、あの子の好きなものを僕が嫌いになれるわけないじゃん。
そして僕は手術の日を迎えた。なんでやねん、親こねぇの?
まだ続きます。死ぬまで。