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別れ?

長いね、この話。

 大晦日、ってか元旦に緊急入院。持病であった椎間板ヘルニア。くだらない恋の悩みで疲れ切っていた体と心。そしてインフルエンザ。無理して夜中に初詣なんか行ったからかな。彼女を「なんか体の具合が悪い」と早めに送り届け、自宅に帰ったらそのまま倒れた。正月の朝一から救急車。だって歩けなかったんだもん。腰が痛くて車いすにさえ座れない。インフルエンザで声も出ない。熱は40度近く出ている。そして知らないうちに悩んで激減していた体重。バカですよね、僕。


病院に着くとすぐに処置。元旦ですよ?元旦。バカでかい注射を何本も打たれ強制的に熱を下げられる。動かなくなった腰には神経ブロック注射を打たれ、そして機械で引っ張られる。痛すぎて涙もでない。声も出ないし。「一週間は大人しくしていてもらいます」だってさ。っておい!僕は4日から温泉旅行なんだよ。マジかよ、絶望的じゃん。あーあ。二股なんてしてるからこんな目にあうんだ。自分が悪いんだ。


僕は2人にメールした。婚約者とあの子に。


婚約者が来た。怒りながら「こんな大事な時期に何してるん?早く治してよ!」と怒られた。おいおい、病気だっつーの。婚約者は「これでも読んで勉強しなさい」とゼクシィを置いていった。なんでやねん・・。優しくしてくれよ。声がでない僕はただうなずくだけだった。


そしてその後、あの子が来た。泣きながら「私と無理して昨日遊んだから・・」と泣いている。たくさんの雑誌を抱え、「どんな本が好きかわからないから・・」だってさ。温泉なんてキャンセルしたらいいから早く元気になってね、だってさ。声が出ない僕は何も言えず、ここで初めて泣いた。痛いとかじゃなく、人の優しさに触れて泣いた。


中学生の時。校舎の影で僕を元気づけてくれた女の子。初めての恋だったけどはっきりと覚えてる。その時と同じ気持ちが僕に沸いてきた。


動けない僕、声が出ない僕。ただ泣くしか出来なかった。彼女は「私が長居したら迷惑かかるから、行くね」と行って出て行った。歩くことすら出来ない、声もでない僕。ただ見送る事しか出来なかった。


僕はその時決めた。婚約者に別れを告げようと。誰もいない病室でずっと泣いた。


なんでやねん、僕なんでやねん。


まだまだこれから。

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