始まりの物語 ~Wokn~ 初めての依頼 その2
毎度お読み戴き有難うございます。
「パーティーを組むにあたって、確認しておく事があります。」
門番の横を抜け、ラテラの街の外にやってきたのですが、ココロさんが急にそんな事を聞いてきた。
「はいっ。ココロさん。」
「タツヤ君.....(ビシッ」
「回復アイテムを所持してるかでしょうか。」
このWoknというゲームは、アイテムをインベントリボックスの中に収めておくという方法の他に、上着やズボンのポケット、ポーチやカバンといった袋に入れておく、盾の内側のストック(某パー○ェクトなガン○ムみたいなモノ)に収納などといった方法があります。
インベントリの中に収納の場合のメリットは、収納容量が合計3トンまでで、生きている動物以外なら大きさ、数量を問わず収納出来、収納したモノの時間経過が無効になるという効果があり、使用期限や賞味期限といった劣化の時間制限があるモノを収納するのに便利という点と、盗み系スキル無効な点です。デメリットは、収納および取り出しを行う場合、システム内のインベントリという項目から操作をする必要があり、戦闘中等のいざっていう時に取り出すのに時間が係ったり、特定エリアのアイテム制限エリア等で取り出しや収納が出来なくなるという事があるという点。
衣類(防具含む)のポケットやカバン等に収納する場合のメリットは収納・取り出しに時間ロスがないという点。デメリットは、収納可能な大きさや数量がポケットやカバンの大きさに由来するという点と、盗賊系スキルで盗みが可能という点。
槍や盾等のストックに装着収納させる場合の最大のメリットは、攻撃しながら同時に自分を回復する事が出来るという点。逆にデメリットは、武器破壊系の技や術を食らうと武器諸共、装備収納していたアイテムが消失するという点。盾持ちタンクをやっている人が良く使う手段。
アイテムを【所持】という場合は、インベントリに収納ではなく、衣類やカバン等に収納している場合を【所持】と表します。回復系アイテムと違い、魔物等討伐や採取で入手した素材は基本、インベントリに収納するのが普通らしいです。
「おしいです。答えは.....。」
ごくりっ..................。
「ウチら三人のjobがどういうモノなのか理解出来ているかという事と、そのjobの立ち回りです。」
「え~。ぜんぜんおしくないじゃないですか~?」
みかちゃんのツッコミにボクもウンウンと頷いた。
「でも、アイテム所持も大事な事なので。」
気を取り直して。他のパーティーの方達の通行の邪魔にならない様に、街道の端っこに避け、三人のjobがどういったモノで、各自、どの様な立ち回りをして行くかを相談する事になった。
どういうjobに就いているのかを言い合った時、分かった事はボク達の偶然は出会いだけではなく、jobについてもある意味お揃いという事が分かった。先ず、ボクのjobはご存知の通り、【名もなき流浪人】というユニークjobだったのを覚えてますか?(※忘れたなら、始まりの物語 ~Wokn~ 始まりの街 その1を参照)
ココロさんのjobは【名もなき双刃を抱きし者】という双剣系ユニークjobで装備可能武器が双剣に限定されるが、ありとあらゆる双剣を装備可能というモノ。レア度等は同じ。ただ、このラテラの街の武器を扱っている店には【双剣】は扱っていないらしく、街の道場で譲って貰った二刀用竹刀(片方がやや短い竹刀)を装備している。
みかちゃんのjobはというと【名もなき喚び声】という召喚士系ユニークjob。レア度等は同じ。ボクやココロさんと違い、召喚士系の為、武器を装備出来ず、また中遠距離系に指定される為、物理攻撃による被弾ダメージに弱く、魔法に強いという性質を持つ。ボクやココロさんを上回る鬼畜縛り仕様に驚きが隠せない。序盤はjobレベルが上がるまでお荷物化が確定しており、悲壮な顔をしている。みかちゃん曰く、ステータス確認と詳細を確認した際、魂が抜けそうになったとの事。召喚可能なモノは魔物系ではなく、このjob専用のモノらしく、jobLvが低い為か攻撃が出来るモノを召喚出来ず、攻撃力上昇支援能力(基本STR+1%)上昇を持つ【白いモフモフした何か】を1体しか召喚出来ないとの事。
-----おまけ-----------------------------------------------------------------------------
注意1:このWoknにおいての【job主】の説明.....メインjobを某オンラインゲームの様にjobを切り替え(自由に入れ替え)る事は出来ない仕様になっており、嫌なjobを引くのが嫌ならユニークになる確率の高いランダムを選択せず、自分で開放条件を満たしている下級職の中から選ぶという事になる。
注意2:また【job副】の開放条件はjobによって違うらしいが、大体主jobのjobLvが20になった辺りで開放されるとの事。また副jobは、主jobと違って開放条件を満たしている職であればどれでも就く事が出来、変更も自由に出来るとの事。
注意3:このWoknにおいての職には隠し組み合わせ職というモノがあり、例えば、主が侍系で副が戦士系であった時に特殊な条件を満たす事で【剣豪】という隠し職に職が統一される。この場合、主を剣豪に就かせると副欄は空白に戻り、剣豪なのに自分が鍛えた侍系と戦士系のスキルも使える様になる。他にも知られていない多くの隠し組み合わせ職があるらしい。
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うん。結論から言うと立ち回りは、ココロさんとボクが前衛で、みかちゃんは後衛。【白いモフモフした何か】による1%のSTR上昇効果を維持して貰いつつ、ココロさんかボクのHPが半分近くになったら、回復アイテムを投げつけて貰うという戦法が基本。みかちゃんに余裕がある場合は、そこらへんに落ちている石ころを拾って敵に投げつけて貰うというのもやって貰う事になった。
【アイテム投げ】という戦法は、誰でも使用可能なシステム外スキルでSTRの数値が5以上あれば使う事が出来るという地味に使える技法。【誰でも使用可能】な為にステータスには記載されないが、一応、制作&開発者公認。バグ技ではなく、仕様。これは最初期のWoknのPVにおいて製作者側からこういうのもあるよって公開されたおまけらしい。因みに、石ころのダメージは1固定ダメージですが、頭や顔、弱点部位に当てる事が出来れば、3秒間の怯みを与える事も出来る。
一応、アイテム投げを全員で10m程離れた木相手に、そこらへんにおちている石ころで何度か練習してみたが問題なく当てる事が出来ました。
次話、戦闘予定。問題は戦闘描写が苦手なんですが・・・。