始まりの物語 ~Wokn~ 始まりの街 その1
閲覧戴き有難うございます。
___『何か質問等はありませんでしょうか?』
___『ない様なので、確認後、【始まりの街】に転送します。休憩等必要なら、右上に表示されている【緊急停止】画面を触れようとして下さい。』
___情報システム、オールグリーン。180秒後に【始まりの街】の交友広場前に転送を開始します。
___残り 98秒....93秒....89秒.........................10秒..............
___転送
転送の文字と同時に白い光に包まれたボク。チカチカする目を擦った後、周りを見ると、色んな恰好をした人々で賑わっていた。
(先ずは、何の職業に就く事が出来たのか、確認しなきゃ。)
ステータスと心の中でつぶやくと、目の前に現在のステータスが表示された。
【タツヤ】 age:15 sex:man
job:主: 名もなき流浪人 Lv1 / 副: 開放条件を満たしていません
HP:50
LP:25
TP:30
MP:20
STR:50 + 10
DEX:30
SDF:30
INT:20
IEX:20
MEN:20
TEC:50
RAT:70
STP:0
<ALT>:ユニークジョブ持ち/名もなき流浪人/
<skill>:剣術系__斬:Lv1/なぎ払い:Lv2/
装備::
防具: ただの服(上下)/
武器: 木の棒+1 STR+10.必要STR20/
所持金::
pts: 500 / Rp: 5
___『【チュートリアル01:ステータスを確認しよう】を達成しました。』
___【100】pts入手しました。
___この世界でのお金はptsで表されます。また、今回は初期設定完了特典としてRpを少しだけ所持させました。ptsは通常の買い物に使用出来るお金となってます。Rpは【始まりの街】では入手出来ません。これは、特殊な買い物に使用出来るこの世界のもう1つのお金になります。入手方法はptsをある一定量集める事で、Rpに変換する事が出来ます。
(名もなき流浪人...? ユニーク...?)
(確か...wikiにステータスの詳細をみる事で説明が出るって書かれてたはず。名もなき流浪人..っはっと。)
名もなき流浪人.....ジョブレア度10/ユニーク/不思議な能力を秘めし者。ある条件を満たす事でjobが変化する。/鉱石および金属武器装備不可。完全木製武器であれば、job制限なく、全ての武器種を装備する事が可能/
ユニークジョブ.....この世界でただ1人のみ就く事が出来る大変貴重な職業の事。ユニークジョブが発生する確率は1%にも満たないとされている。
ジョブレア度.....各種職業をレア度別に纏めたモノ。下級職は1~3、中級職で4~6、上級職は7~9となっており、その上にユニークが10~12となっている。ただし、【レア度が高い=強い】ではありません。レア度1の職業であっても強化していく事で特殊な進化をする場合があります。
___『【チュートリアル02:ステータスの詳細を確認しよう】を達成しました。』
___【100】pts入手しました。
___『【チュートリアル03:チュートリアル専用NPCに話しかけよう】が発生しました。チュートリアル専用NPCは【始まりの街】の交友広場前から北の方角にある冒険者ギルドの中にいます。』
(冒険者ギルドかぁ。RPGと言えば、定番中の定番だよなぁ。...って、北ってどっちだ?)
周りをキョロキョロと見回していると、誰かに後ろから肩をぽんっと叩かれた。
「どうしたの? 迷子?」
後ろを振り返ると、見知らぬお姉さんが立っていた。
「え~と....。」
「ああ。ウチは不審者とかじゃないよ。さっきから見てたら、君が不振な動きをしてたから声を掛けただけ。で、どうしたの? 迷子?」
「先程始めたばかりなんですが...北の方角ってどちらにあるのでしょうか?」
「ああ~。初心者さんかぁ。確かに、やり始めたばっかの時って、方角とかが分からなくて、挙動不審になるよねぇ。北って事は、【冒険者ギルド】に行きたいんだよね?」
「はい。そうなります。」
「【冒険者ギルド】の場所は分かりずらいし、お姉さんが連れてってあげる。」
「え~と....。」
「ほら。行こ。」
ここに突っ立ってったって誰かに声を掛けるにも、ボッチ属性持ちには難しいし、連れてってくれるという【見知らぬお姉さん】の後をついて行く事にした。
体感時間にして、2~3分ぐらい歩いただろうか。目の前に桧っぽい木の枠で組み立てられたやや薄暗い雰囲気の建物の前に着いた。
「ここが...【冒険者ギルド】だよ。ぱっと見ただけでは、初心者さんには分かりずらいけど。」
「ありがとうございました。」
「いいって、いいって。何か、君を見てると、お姉さんの母性本能に来るしさ。」
「チュートNPCは、入って右奥にいるお子ちゃまだよ。」
「本当にありがとうございました。あの...よろしければ...お友達になって貰えないでしょうか?」
「いいよぉ。そういえば、自己紹介をしてなかったよね。ウチの名前は【ココロ】だよ。実をいうと、お姉さんも1時間前にやり始めたばかりの初心者さんだったりしたのだ。てへぺろっ」
「いえ。助かりました。ボクの名前は【タツヤ】です。よろしくお願いします。」
「【フレンド登録】はっと。おねえさんの方からタツヤ君の方に、【フレンド登録依頼】を送るよ。」
そういうと、ココロさんは空中で○を描いてから、アッチ向いてホイっとした。その数秒後、ボクの視界の端に橙色のハートマークが浮かびあがり点滅した。
そのハートマークに触れると脳内に音声が響き渡った。
___『【ココロ】から【フレンド登録依頼】が送られてきました。フレンドとして登録するには【了承】に触れて下さい。拒否するには【拒否】を触れて下さい。』
【了承】に触れた。
___『【ココロ】とフレンドになりました。それに伴い、【フレンド間通信】機能が開放されました。この機能はフレンド登録者同士であれば、ゲーム内だけでなく、現実世界でも携帯電話と同じ様に会話する事が出来ます。詳細は、現実世界の付属品タグから【フレンド間通信】の詳細を確認して下さい。』
何か、凄い機能が開放された。詳細は後で確認するという事で。
「うん。何か凄い機能が開放されたわね。」
(ココロさんも同じ感想を抱いた様だ。)
「チュート終わったら、フレンド間通信で呼びかけてね。お姉さんは、露店の方をブラブラしてるから。チュートが終わったら、街の外での討伐系依頼発生するから、一緒に行こ。」
「はい。では、後ほど。」
ココロさんと別れると、ボクは【冒険者ギルド】の中へ入って行った。
冒険者ギルドの中は意外にも綺麗でぱっと見た感じでは銀行の窓口みたいだった。外見が、薄暗そうに見えた為、もっとガラの悪い、異世界転生モノでありがちな感じを予想していたのに、ある意味凄い違和感がある。
(確か...ココロさんが言ってたのは、右奥のお子様がチュートNPCだったよね。)
ココロさんに教えられた通り、右奥の受付窓口に座る子供(?)に話しかけた。
チュートリアル回その1です。次話で、窓口に座るお子様の正体が分かりますw