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きみは ”ひとり” じゃ、ないよ!?  作者: ぽんこつ3’ (DASH)
第01章 始まりの物語
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始まりの物語 ~Wokn~ ①

お読み戴きありがとうございます。


作者からのコメント掲載の後、直ぐに更新しようとしていたのですが...昨晩から風邪をひいたみたいで、頭がふらつく中、更新していたら間違って本編これを削除してしまい、全て初めから書き直しとなり、今の更新となりました。


2015.12.12 誤字修正

 __ボクの名前は、結城竜弥ゆうきたつや。夢見ケ丘高校に通う高校1年生。容姿はどこにでもいるってくらい、平々凡々で、親友どこらか友人と言える人もいない、所謂ボッチ。勿論、友人だけでなく彼女なんて夢のまた夢ってくらいにありえないよ。学校の成績は中の下くらいで、赤点はどうにかギリギリ回避はしているけど、これといって何も特出している好きな教科も嫌いな教科もなく、いつもと同じ変わりないのないし、全く面白味もない本当に平凡な毎日を過ごしていた。





 そんな面白味も皆無な全てにおいて平凡なボク。幼い頃から従弟としてずっと可愛がってくれた、従兄のお兄ちゃんから誕生日プレゼントとして貰ったゲーム機のお蔭で、ボクの全ては変わった。







 そのゲーム機の名前は........【Word of (K)nightワールド・オブ・ク・ナイツ】。日本に住む和製錬金術師が生み出した現在の地球の全てにおいて、圧倒的に凌駕したゲーム機。21世紀の現在の技術ですら決して作るまたはマネするという事の出来ないという特殊な金属と、あと200年は最低でも足元にも及ばないとされる特殊技術を持ち合わせた、その錬金術師にしか作り出せない媒体。



 初めて、それが世に知れる事になったのは2002年の夏の祭典、同人誌即売会でだ。オリジナル部門の人気ひとけのない会場の隅っこで、夏のくそ暑い中、上から下まで黒い衣装で登場した十代後半から二十代前半の若い青年は、今までに誰もなし得なかった技術で持って、そのゲーム機の宣伝を始めた。それをたまたま目撃出来たのは、同人誌を買いあさり、休憩目的でそのブースの前にたむろしていた数人のおたくだけだった。



 その誰もなしえなかった技術は、そうあの洋画、ド○という科学者が普通自動車を改造して主人公の少年の未来を変えるというあの有名な作品の未来編で世に知れ渡った【空中に映像を投射する】というモノ。たった数人だったはずが、数分後には壁サークルを超える程の超満員御礼状態になった。


 その時に放映されたモノは、未だVRという概念も殆ど知られていなかったはずがその黒ずくめの青年のPVにはあった。今現在でさえ【Wokn】(略してヲークン)の技術を完全にマネする事は出来ない。今現在の最先端技術では、細かいミストを空中に散布するか、ドライアイス等といったもやを用いった技術がそれに近い。近いとはいうが、それを行うには丹念な前準備と莫大な予算をつぎ込み、映画のスクリーンの様にした技術であり、その青年が用いた何も事前準備をしなくても数秒で空中に実際にそこにある様な臨場感を含んだ鮮明な映像を映し出す事は出来ない。しかも、指先でタッチパネルの様に操作するなんて到底無理なモノなのだが、その青年は簡単にやってのけた。



 その映像を観た者は、誰であってもこう言った。



__現在の地球で作れる技術では彼のそれに辿り着くには、未だ、到底及ばない。足元ですら、あと何百年必要なんだろうか___と。


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 大好きな従兄のお兄ちゃんから貰ったWoknをシンプルな段ボール包装から取り出すと、手に持った。それは高さ30cmくらいで上側が丸く、下側が円柱になった化粧水の瓶を大きくした様な形で、色はメタリックブラック、手触りは金属なのに温かみのある様な不思議な感触だ。Wokn本体と一緒に取り出したのは、Woknの取り扱い説明書。説明書はA5サイズのペラペラの薄いただの紙で、文字と図形が書かれているが、内容は設置場所の説明と電源の入れ方のみ。



__電源ケーブルはおろか、インターネットに繋ぐケーブルやそれらの穴さえない。何故ならば、ここも画期的で、製作者の公式ホームページの情報によると、100年以上、24時間電源入れっぱなしにしても電池切れを起こさない永久電池搭載で、また次元間通信システムを完備している為、インターネットに繋がなくてもオンラインで楽しめる夢のある話だ。また次元間通信なんて超高度技術が使われているのに係わらず、Wokn本体の価格は据え置きの税抜き55000円という驚愕過ぎる安さだ。


 また、これ以外にももっと強烈な性能を秘めた付属品もある。その付属品は究極のセキュリティ技術が搭載されている為、パッケージに付属されておらず、Woknを起動し、住所等の個人情報を登録する事で無償で提供される。しかも、この付属品もWoknと同じ特殊金属で作られている。


 本体、付属品の共通の究極のセキュリティ__それは登録者から盗む事も奪う事も出来ず、また研究目的や軍事目的の為に分解する事も改造する事も出来ない。どういう事かというと、登録者から本体および付属品を仮に強奪しても、翌日には登録者の手元に文字通りテレポートしてくる。研究および軍事技術の目的の為に、金属カッター、高圧力ウォーターカッター、レーザーカッター等ありとあらゆる切断機にかけたとしても、傷一つ付く事はない。また切断だけでなく水深1000mに沈めても、鉄をドロドロに溶かす溶鉱炉に沈めても壊れる事はない。日本のありとあらゆる研究者たちが壊すどこらか傷一つ付ける事を断念した。


 また、”日本”に住む”和製”錬金術師はこれらを海外に持ち出される事を凄く嫌い、日本の領土および領海から1mmでも外に出せれた場合、一瞬でこれらを消滅させる特殊技術を組み込んだ。その為、国内の研究者や政治家、軍だけでなく、アメリカやロシア、中国、朝鮮、中東のありとあらゆる者が和製錬金術師自体を確保しようと探したが、十数年経った現在ですら見つける事が出来ていない。






 取り扱い説明書の指示通りに、周りに物の置かれていない、Wokn本体から自分の両手または股間節から足のつま先くらいに空きスペースを確保した場所の中心に、Wokn本体を置くとWoknの丸みのある上側の天辺のスイッチを押した。


 すると、本体の上部、本体から30cm程上空の何もない空間に薄い白黒枠付き文字が現れた。


____『Woknwをお買い上げ戴き、有難うございます。本機は【Word of (K)night】専用となっています。また、永久電池および次元間通信システムを完全搭載されており、電源元もインターネット環境も不要となっています。セキュリティ面においても現在考えうるありとあらゆる状態を考慮し、同時に登録者様の体調の管理、安全性においてもなされています。


____もう間もなく、登録画面に切り替えます。数秒お待ち下さい。


 数秒後、Woknを中心とし、ボクの全身をすっぽりと薄い光の膜がまるで大きなシャボン玉の中に入った様な状態になった。


___次のこちらの指示に従い、お客様本人の登録をお願いします。この登録をなされない場合、Woknを使用する事は出来なくなります。また、強制セキュリティプログラムにより、クーリングオフの対象外とさせて戴き、後のあらゆる苦情も拒否させて戴きます。


___登録画面に移動しますか?どちらかに指で触れて下さい。  登録します ・ 登録しません



 ボクは指示通りに【登録します】に触れた。すると、ボクを中心に無数の画面とビー玉をハンドボール大に大きくした虹色に輝く玉が空中に出現した。





___ようこそ。【Word of (K)night】の登録エリアへ。あなたの【Word of (K)night】への参加を心よりお待ち申し上げていました。ワタシの名前は【Pキュービックフロー】と言います。貴方様の目の前に浮遊する玉です。これから、貴方様の情報を入力させて戴きますが、これらの個人情報は【Wokn】の個人認証およびお知らせ以外の目的では使用しない事を宣言させて戴きます。


__先ず、始めにお客様ご自身のお名前とご住所の登録をお願いします。



 目の前に薄っすらと透き通ったパソコンで使う様なキーボードが出現した。


 名前(本名):結城竜弥ゆうきたつや■_


 住所: ○××県◇○区○×の△△ ■_



 お名前と住所を入力すると、その画面がWokn本体に吸い込まれていき、代わりに縦横40cm程の地図が現れた。地図画面の地図の倍率が日本の全域地図からどんどんと変わっていき、ボク自身を真上から見下ろす程になった。


 __お客様、ご本人と確認しました。


 __次の登録に変わります。


 __【Word of (K)night】ゲーム内で使われるお名前を登録して下さい。この名前は決定したら、変更をする事は出来ません。名前に使用できる文字は、ひらがなとカタカナ、数字となっており、文字数は10文字以内でお願いします。絵文字などの他プレーヤーから認識出来ない文字の入力は出来ない仕様となっておりますので、ご了承下さい。



 (名前はどうしようかな。う~ん。シンプルに【タツヤ】で良いか。)

 登録画面に【タツヤ】と入力した。



 ___お客様の名前は【タツヤ】様でよろしいですか? このままで良いなら、【了承】に触れて下さい。訂正または変更される場合は【修正する】に触れ、登録し直して下さい。



 ボクは、了承に指を触れさせた。


 __【タツヤ】様。よろしくお願いします。


 __次に、【タツヤ】様に身に着けて戴く、個人情報タグシステムを付属された付属品の形をお選び下さい。この付属品の形状においても、決定後の変更は出来ません。



 ボクの目の前に三種類の透き通った物質(?)が現れた。その付属品の形状は、鎖に繋がったペンダント型、ピンバッチ型、腕輪型の三種。平面の絵ではなく、物凄く精巧な物体型だ。


 ボクは鎖に繋がったペンダント型を選び手を触れた。すると、鎖付きペンダントが発光した後、ボクの首にそれが実体化して架けられた。




 __このタグは....次回から起動する際は始めから絶対に身に着けておいて下さい。


 __また、このタグはゲームを進める事で、現実世界の携帯電話の代わりに使用する事が出来る様になります。


 __ただし、携帯電話機能を使用する際の注意点として、横断歩道を渡っている時および踏切を渡る時等では使用しないで下さい。これらによる事故等の責任はご本人様ご自身の自己責任となります。


 __この他にも色々なサービスをご用意しています。




 __長い間、どうもお疲れ様でした。これを持ちまして、お客様の登録は完了となりました。


 __このまま、キャラクターエディットモードに切り替えます。途中、おトイレ等でこの場を離れる必要があり、設定更新をストップさせる場合には右端に浮いている【緊急停止】画面にお触れ下さい。また、その後に続ける際は、タグをしっかりと身に着けた状態で【設定再開】画面にお触れ戴ければ、再開します。


他2作品と違い、中編程度の長さとはいえ、初期原稿と詳細な膨大な設定がある為、かなり筆が進みました。前書きに書いたとおり、風邪で.....orz

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