始まりの物語 ~Wokn~ 初めてのギルド依頼 その2
いつもお読み戴き有難うございます。
20150924 誤字修正
月海さんを仲間に迎えてからの初めての戦闘...初めてのギルド依頼の為のイノ狩りを行う為に、ラテラの街の東にある【カルトの森】へと向かった。
このカルトの森は、ケラの森とは一味も二味も違った生態系を持つイノが生息しているとの事。てっきりチュートリアルの際に向かったケラの森に行くのだろうと思いこんでいたのだが、イノの討伐数を再確認する為にギルド依頼の発行欄の詳細を確認した所、街の西側にあるケラの森での戦闘ではなく、北から東の方にぐるっと広がる森での戦闘だと書かれていた為、急遽、目的地をカルトの森に変更し森へと向かった。
ボク達三人はベータどころか初心者バリバリで、カルトの森について詳しくないので森に入る前に月海さんから森の事を聞いた。
月海さん曰く、回復薬の準備がきちんと出来ており、プレイヤーの頭数が三人以上いれば、ボク達の様な初心者グループであっても死に戻りをする可能性がぐ~んと下がるとの事。ただ、死に戻りしないのではなく、死に戻りする可能性が少ないという事は....運が悪かったりすると三人以上いても死に戻りする可能性があるという事でもある。
月海さんを除く、ボク達三人は、チュート(略)の時の様に気軽に行ける場所ではないと思う為、緊張の糸を張り巡らせながら一歩一歩慎重に、周囲をよーく確認しながら、イノが生息しているという場所に向かって進んだ。
どうしてこうなったのでしょうか。個人ギルド依頼を見繕って下さった、アルルゥさんの話ではボク達の実力であっても依頼達成出来るモノであり、依頼内容には畑を荒らすイノの討伐と書かれていたのに、どうしてボク達はこんな危険な森を歩いているのでしょうか。
森を歩き始めてから数分後。四人での初めての戦闘は戦う事ではなく、敵のモンスターに気付かれない様に物音をたてない様に慎重かつ早急に、命カラガラ逃げ切る事でした。
四人パーティーで初めて遭遇......但し、向こうには気付かれていない(←ここ重要).......したのは真っ赤な体色の大きなドラゴンでした。流石の月海さんでさえ、赤色のドラゴン=火竜の相手は無理だったらしく、ボク達の表情と同じく真っ青に青ざめていました。
火竜を相手に戦闘行為に挑むにはLvや戦闘経験だけでなく、武器や防具のグレードも数十段階も足りず、こんな初心者が多くいるラテラの街からそんなに遠くない場所で遭遇して良いモンスターではないです。とっとと目的のイノを討伐し、生きて無事に冒険者ギルドに帰り着く事が出来たなら、ボク達はアルルゥさんに一言言いたい....「火竜が出る森の依頼を初心者の集まりの素人ギルドに任せるなっっ」って。
それから、数十分。カルトの森の浅い部分でイノの姿を見かける事はなく、また、火竜から逃げる事で精一杯だった為、ボク達は何時の間にかカルトの森の深奥と呼ばれる場所まで来ていた。
途中、目的のイノの姿だけでなく、他のモンスターはおろか、普通の野生動物の姿でさえ1匹も見かける事はありませんでした。
目的のイノを見かける事が出来ない為、初心者Lvの者がこのまま進むのは危険な為、カルトのさらに奥に進むのを諦め、進行方向を北東に変更し、ククリ平原~ケラの森を経由してラテラの街へと戻る事にした。来た道を戻るのが実は一番近道なのですが、来た道を戻るという事は火竜に遭遇~発見され~一方的に嬲られるのを選ぶという事であり、ドMでもないボク達には到底無理な話です。
ククリ平原へと目指す進路の途中、イノ以外の依頼目標である薬草が所々に生えているのを見つけ、周囲に十分に気を配りながら、目標数の30株を収穫出来た。これで、一応、イノは無理でも薬草納品だけでも達成出来る。
ククリ平原に差し掛かる頃、目前に第三の目的である普通の水色のスライム十二体と遭遇し、これがボク達四人で行う初めての戦闘となりました。
スライムといえば、ド○クエやF○、テ○ルズといった有名RPGの様な見た目か、リアル指向とはいえ可愛いモノも多いWoknだったので山○和○先生が描くスライムを想像していたのですが、現実に近い見た目のアメーバをデカくしただけのモノでした。
目的の核を入手する為には核を傷付ける事なく討伐しなくてはいけない為、核以外のジェル状の部分に向かって攻撃を加えた所、木の棒のスライムに触れた個所がまるで火のついたロウソクの様に溶けだした。
それが分かった事で、ボク達四人は通常の攻撃手段を行う事を諦め、チュート(略)の初めての戦闘の時と同じく、そこら辺に落ちている石ころを皆でかき集め、石ころ投合攻撃に切り替えた。幸い、スライムの移動速度はゾウガメの移動スピードよりも圧倒的に遅かった為、石がなくなり次第、直ぐ補充という戦法が出来た。
石ころを一人頭、500個程だろうか。投げ終える頃には、スライムたちは石の打撃(?)を受け、目標物の核を残して全て消滅した。残ったスライムの十二個の核を拾い集め、採取袋に入れた後、ボクのインベントリにぶちこんだ。
___『スライム?を討伐しました。』
___『タツヤ、ココロ、みかのLvが8上がりました。』
___『月海のLvが7上がりました。』
___『入手されたSTPを振り分けて下さい。』
___『おめでとうございます。難易度特盛級ユニークジョブの初期称号職のLvが10に達したので、各専用職専用武器を進呈します。これからもWoknをよろしくお願いします。』
RPGモノにおいて、Lv1桁代での火竜討伐なんて....チート持ちでもない限り到底無理な話ですよね。某有名な狩りゲーの無印時代なら初見でリ○レ○スを最初の方で入手出来たバ○ルシリーズ防具で、初期へヴィで討伐出来ましたが。しかも円盤99発と拡散6発と通常Lv1のみで(;´・ω・)