始まりの物語 ~Wokn~ 個人ギルド結成 2
いつもお読み戴き有難うございます。
本日2度目の投稿となります。
「じゃあさ。ここにいる四人でその個人ギルドというのを立ち上げ様とする場合、どうしたらいいの?」
月海の説明を聞いていたココロお姉さんが、月海にさらに聞いた。
「え~と...個人ギルド結成の最低人数は四人以上なので人数に関してはクリアです。あとは【ギルドマスター】と【サブギルドマスター】を1名ずつ選ぶのと、【ギルドの名前】を決め、冒険者ギルドの二階にある【個人ギルド専用受付】で登録する事で結成がなされます。ギルマスとサブマスに関しては登録した後からでも変更は出来ますが、【ギルドの名前】だけは基本変更は出来ません。」
「うん。基本...?」
「セルフィナの城下街の方にあるセルフィナ王国冒険者ギルド本部に行けば、ギルド名変更用の特殊な個人ギルド専用依頼が受けられます。ただ、内容についてはちょっとわかりません。」
月海に詳しく聞いたら、ベータプレイではギルドの仮結成までは出来たらしいのだが、月海自身はというと個人ギルドに参加する事よりも、セルフィナ王国冒険者ギルド本部にて発生する連続依頼に専念していた為、個人ギルド作成とギルドホーム入手については、城下街に行ける様になるとチュートリアルぽいモノが発生するらしいイベントで知ったが個人ギルドには入らずソロで頑張っていたとの事。
ちなみに月海が受けていたという連続依頼というのが、20回連続発生するというモノでこの依頼を1つも失敗する事なく、全て達成するとペットが入るというモノらしい。このペットは、魔物使いや陰陽師系で使役する魔物またはそれに準するモノではなく、文字通りのペットが入手出来るというモノ。またこのイベントで入手出来たペットに限り、ゲーム内だけでなく、現実世界の付属タグに追加されるペット館という機能の中でも飼う事が出来るとの事。
月海はというと五日目に連続依頼を全て達成し、付属タグの追加機能の中で柴犬の赤ちゃん(豆柴)を飼っていたとの事。ベータ版の為、そこら辺は引き継ぎ出来なかったらしいが、飼っていた豆柴の写真だけは引き継ぎ出来たとの事で、見せて貰ったら確かに可愛いワンコが写っていた。
写真機能もあるの?と聞いたら、これは写真機能ではなく、パソコン等にあるプリントスクリーン(PrtScn)機能で、城下街にある”システム屋”という店で付属タグの機能を購入出来るとの事。価格はベータ版と異なっているかもしれないが、ベータ版の価格で大体100000ptsぐらいだと。またペット館においては、ペットが入手出来る20連続依頼を達成した上で、30000ptsで追加購入出来るだと。
話を戻してっと。
何故、ココロお姉さんが個人ギルドの事を月海に聞いたのかというと、攻略板の雑談板でその個人ギルドの話題があったらしく、その個人ギルド結成という機能がver10.002の目玉の1つとの事。勿論、他のverであっても個人ギルド結成は可能。公式HPによると個人ギルド作成機能はver10.002が発売された日、即ち今日という日付が変わったのと同時で、機能開放がされたみたい。
「じゃあ。ギルマスを決めようと思うんだけど、成りたい人は手を挙げて。」
.......し~ん.......
「え~と。ココロお姉さんがギルマスになるんじゃないの?」
「平日の昼間は喫茶店の仕事があるし無理。それにタツヤ君達は同じ学校に現役で通っているんだし、直接会って相談したり出来るじゃない。そういう訳で、ギルマスは無理。サブマスならやってもいいけど....。」
「ではサブマスはココロお姉さんで決定という事で。ギルマスはボク達3人の誰がやるか。う~ん。ジャンケンで勝敗を決めたいと思います。二人ともそれで良い?」
二人が頷いたので、ジャンケンで負けた者がギルマスになるという事で勝負した。勝負は中々勝敗が決まらず、数十回のアイコの後、ボクが負けてしまいギルマスになる事が決まってしまった。
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個人ギルド: 名称は未だ決まっていない。
ギルマス: タツヤ
サブギルマス: ココロ
ギルドメンバー: みか ・ 月海
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「続けてボク達のギルドの名前を決めたいと思います。司会進行はギルマスになってしまったボクが行います。闇雲に決めても決まらないと思うので、ギルド名はカッコいい響きだとか、覚えやすいモノだとか、そんな感じでお願いします。」
「うん。決めた。【お○ゃんこクラブ】ってどう?」
「昭和前期生まれ?っというか流石にそれは著作権とかで駄目でしょう。」
「次は私が。ザ・Pーナッツ。」
ドヤ顔で悪乗りした月海を皆でスルーした。
「ちょ、ちょっとぉ。ツッこんでよぉ。恥ずかしいじゃない。」
「じゃあ、追加ルール。悪乗りするのは構わないけど、天丼は禁止の方向で。」
「【D・alchemy】というのはどうでしょうか。」
「みかちゃん、真面目な提案を有難う。その名前に何か意味とかってある?」
「えとですね。このWoknを作り上げた和製錬金術師さんに敬意を払って、錬金術の英語で【alchemy】で。そこにダンジョンとか談笑とかの意味を込めて【D】を最初にもって来て、【D・alchemy】と考えたんです。駄目でしょうか。」
「いや。凄く良い。覚えやすいし、聞いたら忘れにくそうだし、ボクは良いと思うよ。」
「タツヤ君は何かないの?」
「そうですね。【MidnightKnight】とか。意味は真夜中の騎士団という意味で、ボク達って今日みたいに1日中ゲーム出来る日はいいですが、基本、平日はココロお姉さんはお店の関係で夜しかログイン出来ないというし、それにボク達も昼間は基本学校の授業だとか委員会だとかで忙しいから、皆で集合してこの世界を楽しむのは夜がメインになりそうだから。」
「う~ん。【D・alchemy】も【MidnightKnight】もいいわねぇ。どちらも良いしどうする?」
「多数決というには四人で、候補二人だと微妙な結果になりそうだし。運でいこうと思う。」
「具体的にどうするの?」
「確か、先程回った露店で入手した.....とあった、コレコレ。」
ボクは腰にぶら下げているウエストポーチから二枚の白い紙を出して、三人に見せた。
個人ギルド結成編は未だ続きます。