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きみは ”ひとり” じゃ、ないよ!?  作者: ぽんこつ3’ (DASH)
第01章 始まりの物語
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始まりの物語 ~Wokn~ 個人ギルド結成 1

いつもお読み戴き有難うございます。

 ココロとタツヤは露店エリアにある飲食系屋台で買い食いツアーを行っていた。


 「タツヤ君。は~い、あ~ん。」


 「ちょっ。......ココロお姉さん、恥ずかしいですって。」


 悪のりなのか、本気なのかココロお姉さんからまさかの「は~い、あ~ん」をされるとは思ってもいなかった為、恥ずかしさの余り顔が真っ赤に染まったのが自分でも分かった。焼き鳥屋の屋台のNPCのおっちゃんはそんなボクらを微笑ましいという顔でニヤニヤと笑っていた。


 「大丈夫。お姉さんに任せなさい。」


 「って、何が大丈夫なんですか。恥ずかしいんです。」


 「良いでわないか、良いではないか。ほれ、タツヤ君。あ~ん。」


 「どこの悪代官ですか。それにボクの手元にある焼き鳥も同じモノなんですから、ボクに食べさせる意味がないでしょ。」


 「え~。いいじゃん。けち~。」


 「駄目です。自分で食べて下さい。」





 再ログインしてから半時間程経過した後、みかちゃんからパーティー用メールが届いた。メールによると冒険者ギルドの近くにある冒険者御用達と呼ばれる酒場”始まりの酒場”にいるとの事。食べ歩きしていたら、露店エリアの結構奥の方に来ていた為、到着は5分後になると返事を書き、ココロお姉さんと二人、酒場へと向かった。


 始まりの酒場に着くと中に入った。中はいかにもって感じの雰囲気を漂わせる木造で入り口から丸くて大きな木の分厚いテーブルが何客か、さらには二階にも続いていて西部劇の世界にでも迷い込んだ様な錯覚を味わえる。


 中に入ったはいいが、みかちゃんの姿が見当たらない。そこそこ混んではいるが、右から順番に目線で探したが何処にいるのか分からず、パーティー通話をオンにしようとした矢先、二階部分の柵からこちらに向かって手を振っているみかちゃんの姿を確認した。


 手すりに掴まりながら、一段一段慎重に上がっていくと二階席の奥にある丸テーブルにの所にみかちゃんと、見知らぬ女の子が座っていた。


 みかちゃん達の元に行くと、みかちゃんが声を掛けてきた。



 「タツヤお兄ちゃん。遅くなって御免なさい。」


 「いや。大丈夫。気にしないで。え~と隣にいるのは...?」


 「ココロお姉ちゃんには了承を得たんだけど、私達のパーティーの新メンバーです。」


 「え~と...。よろしく。タツヤです。」


 「タツヤ君。ヨロシク。月海つきうみよ。」


 月海と名乗る少女の顔をよく見ると、凄く見覚えがある。もしやと思い聞いてみた。


 「もしかして....委員長?」


 「正解。ただ、こちらの世界では月海って呼んでね。」



 もしかしてと思って聞いたら、やはりクラスメイトで日頃よくお世話になっている陽那 沙織さんだった。沙織さんのアバターである月海の見た目はというと、みかちゃんとは違い、髪の色が銀髪でセミロングでベテランっと思わせる様な雰囲気を持つ、武闘家って感じに見える。



 「月海さんはチュートリアルのイノ討伐は済ませましたか。未だでしたらみんなで行きませんか?」


 「やってない。というか、やらなくても大丈夫。」


 月海さんの大丈夫というのがどういう意味なのか分からず首をかしげていると、月海さんが補足する様に言った。


 「私ってベータプレイヤーだから、チュートリアルとか受けなくても良いのよ。このキャラはベータで作ったキャラを引き継いでるから。」


 「えっ。このゲームにベータ版とかってあったんですか?」


 「発売当初のver1.01の方は違うけど、このver10.002の方ではベータ版という名前の懸賞プレイが今年の春休みの間にあったの。あるゲーム雑誌との企画でやってた懸賞に見事当選して7日間限りだったけど、ベータプレイヤーとして参加してたの。」


 「へ~。というか、そのバージョンというのは?」


 「Wokn本体の発売時期による製品番号ぽいモノ。今年の4月1日以降に発売されたWokn本体の型のverが10.002という型式になっているの。ベータプレイ中にシステム妖精さんからちらっと聞いた話によると、今回のverの型は他の型にない幾つかの新機能が追加されているらしいんだけど、はっきりと何が追加されたのかは公表されていないの。」


 「へ~。っとしか言えないけど凄いね。」




 話が落ち着いた所でフレンド登録を済ませた。


 「で。この後はどうする?」


 「え~と...フレンド間ステータスの見比べが出来る機能が追加されたって先程落ちる前にシステムさんがいってたから、皆でステータスの見せ合いっこをしようって言ってた。」


 「ちょ、ちょっと待って。ステータスの見せ合いはここではやらない方がいいわよ。」


 月海さんが慌ててボクらを止めた。


 「「「?」」」


 月海さんの慌てようにボクら三人は「何故?」という顔で、月海さんの顔を見た。


 月海さん曰く、普通友人同士であってもステータスの見せ合いを行う事はしない。見せ合いをする場合は【個人ギルド】を建て、信頼関係を結んでから【ギルドハウス】の中で見せ合いをするというのが常識らしい。一応、このゲームはPK行為を行った場合のペナルティが多くなっており、PK等迷惑行為を行う者は少ないといっても完全なモノではない為、基本、ステータスの見せ合い等はしないとの事。



 「ねえ。月海ちゃん。その【個人ギルド】っていうのは何なの?」


 「個人ギルドというのはですね....学校でいう所の○○クラブとかサークル、ゲームによってはクランとかという名前で呼ばれるモノの事です。パーティーの場合、同一の街にいないとパーティーとして認識しないのですが、この個人ギルドというモノに参加していた場合、同一の街にいなくても【ギルドメンバー】としてパーティー間通信等が使えるというモノです。」


 「じゃあ。ギルドハウスって何?」


 「ギルドハウスというのは、先ず個人ギルドを結成して、冒険者ギルドに個人ギルドを登録して、冒険者ギルドに張り出されている個人ギルド専用依頼ギルクエをその個人ギルドで複数回達成し、冒険者ギルドに認められる様になってから購入する事が出来る、個人ギルドメンバー専用の家の事です。」

この話は、みかの姉のパーティー参入からギルド結成までの話です。

話の区切り等の為、このギルド結成回は幾つかに分割してます。

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