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きみは ”ひとり” じゃ、ないよ!?  作者: ぽんこつ3’ (DASH)
第01章 始まりの物語
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始まりの物語 ~Wokn~ 喫茶・夢織亭 02

いつもお読み戴き有難うございます。

 綺麗なお姉さんに見とれていると、そのお姉さんがボクの方へ寄ってきた。


 「え~と.....。」


 「うん? 君がタツヤ君だよね?」


 「はい。そうですけど....。お姉さんがココロさんで合ってますか?」


 「うん。ウチがココロお姉さんです。本当はリアル割れとかの理由で駄目なんだけど...初めまして、タツヤ君。星読 都築の次女の星読 心音ここねです。シンオンと書いて、心音と読みます。心音お姉さんと呼んでくれると嬉しいな。」


 「結城 竜弥です。心音お姉さん、改めてよろしくお願いします。」


 心音お姉さんとの自己紹介の後、タイミングを見計らっていたかの様なタイミングで注文をしていたBLTサンドセットが運ばれてきたので食べながら心音お姉さんと色々と楽しく雑談した。心音お姉さんとの会話が思ってたよりも楽しかった為か、あっという間に食事を終え気付いたら13時を軽く回る頃になっていたので急いで帰った。


 家に着く頃には、約束の14時の10分前だった。自転車を玄関脇の駐輪スペースに止めると急いで家の中に入り、部屋着にぱぱっと着替え、トイレを済ませた後、付属タグのシステム画面から【プレーヤー保護システム】を展開してから、タグのログイン画面から【ログイン】を選択し押した。





__『タツヤ様。おかえりなさいませ。』




 システムの声が聞こえた後、目を開けると、夕焼けによって赤く染まるラテラの街並みが目の前にあった。ややオレンジ色に染まる街の風景は幻想的で何故か涙が出そうな程綺麗だ。


 通常、この手のゲームは宿屋の個室でログアウトするのが普通らしいのですが、このゲームはプレイヤーキラーが存在出来ない(やろうと思えば出来るらしいがPK堕ちした者に対するペナルティが痛いらしくやれないのではなく、誰もやらないが正しいかも)システムが組まれており、街中であれば宿屋の個室で落ちなくても大丈夫となっている。ただし、街の外、フィールドエリアで落ちる場合は魔物避け能力を付加されたテント系のアイテムがないと安全に落ちる事が出来ない。公式攻略板の情報によると落ちるだけなら大丈夫と聞くが、それは信頼のおける仲間が数人いる場合の話で、ソロの時に街中と同じ感覚で落ちると、ログインしたと思ったらモンスターに囲まれていたという事例があったらしい。


 始まりの街と呼ばれるこのラテラの街の近くであっても、フィールド上で落ちるのは危険との事。前例となったあるソロプレイヤーの体験談によると、急用の為にラテラの街の外壁の直ぐ近くで魔物避け効果の付いていないテントでログアウトし、用事を済ませた後に再度ログインしてこの世界に戻ってきたら、テントの周りを足の踏み場のないくらいの大量のスライムに囲まれており、始めLVが低いスライムだから大丈夫と考えていたらしいが、数分後、瀕死に追い込まれたとの事。ちょっと意味が違うけど、ちりも積もれば山となる?



 さておき、ココロさん達は何処にいるかなぁ...と周りを見渡すと、後ろで串カツぽいモノを食べているココロさんを発見。


 「遅くなりました。ボクが最後ですよね?」


 「うんにゃ。あの後、みかちゃんからちょっとログインするのが遅れるからって連絡もらったから、タツヤ君は一応、2番手。」


 「何か依頼でも受けるという訳にもいかないし、みかちゃんが合流するまでどうしましょうか?」


 「じゃあ。街中にある美味しいモノ食べ歩きでもする?」


 「え~と。ココロさんのその右手にあるモノは?」


 「見ての通り、串カツ風魚のフライ。ここから南に2分歩いた民家の裏にある屋台の食べ物だよ。」


 「いえ。そういう意味ではなく、もう既に食べ物を食べているのに更に食い歩きするのか?って聞いたつもりなんですが...。」


 「甘い。甘いよ、タツヤ君。この世界で食べ物をどれだけ食べても絶対に太らないんだよ。しかも、たった数十ptsという安さで、こんなに美味しいモノがたくさん食べられるという夢の様な世界なんだよ。」


 「太らないというのは分かりますが、たくさん食べるって無理でしょう? 現実世界と同じ様に、食べ物を食べると満腹状態になるから、そんなに多くは食べられないと思います。」



 このゲームにおいての食べ物の存在理由。料理された食べ物を食べる事で、ステータスを一時的にアップするといった効果の他、隠しパラメーターと呼ばれる満腹度スタミナというモノがあり、満腹度が低下して腹ペコ状態に陥ると、全ステータス(固定除く)が一時的に低下するという仕様になっている。また、腹ペコ状態を放置していると、重バッドステータスになり、最悪死ぬ(餓死する)恐れがある。


 満腹度はゲージで確認出来ない為、お腹が空いたかどうかは各自の感覚によるモノになっている。


 因みに某狩りゲームに登場する強走薬を飲んだとしても満腹度が一定時間減らないという効果ではなく、【物理系攻撃スキルで消費されるTPが一定時間減らないという効果】を得る。ただし、薬という名前が付いているだけあってばっちり、ハイリターンのある薬にはハイリスクと言える副作用ペナルティも付加されている。


 強走薬の場合は、ハイリターン(メリット)が【物理系攻撃スキルで消費されるTPが一定時間減らないという効果】という部分にあたり、ハイリスク(デメリット)が【使用効果消失後、一定時間物理系攻撃スキルが全て使用不可】という状態になるというモノ。まあ、使いどころ次第ではデメリット部分部分を気にせずに使う事が可能。


 例えば、砦や町で1ケ月置きに発生すると言われている大人数による防衛戦において。戦国時代の某鉄砲隊の如く、最初に数人が強走薬を飲み、次々襲い来るモンスターを相手に物理系攻撃スキルを連続コンボさせ、技発生後の硬直時間と薬のデメリット時間を補う様に、第二波、第三波....と波状攻撃をするという陣形を取る事が出来る。


 ......とはいえ、問題は強走薬を制作する上で必要な材料に入手が困難な為、この陣形をやるには相当早くから素材集めをしなければならない。その為、オンラインゲームによくある開発陣による弱体化は現在でさえされていない。素材集めに必要な時間とコストを考えたら、そうやすやすとこの様な戦法は取れないというのが現状。







 それはさておき、結局。みかちゃんが合流するまで時間が余る為、ココロさんの食道楽に付き合う事になった。ココロさんの食いっぷりと、喫茶店のマスターの娘という理由からくる(?)食への探求心に微妙に呆れつつも付き合った。

更新遅くなってスミマセン...orz


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