表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

呪いのQ

「ね、トランプやろうよ」

 そう、都美子が言い出したのがきっかけだった。

「え、いいよ。何にするの?」

 私は気軽にそんなことを言ってしまう。

「うーん、ばばぬきなんてどう?」

「いいじゃん、奈々子。ナイスアイディ~ア」

 アイディアも何も適当に言っただけじゃね?

「じゃ、私配るね」

 都美子は、人の嫌がる仕事を自分から引き受けてくれる。自分も見習いたいな、と思いつつもなかなかできていない現状なのだが。

「みんな、ポーカーフィイスだよ」

「はいはい」

 げ、ジョーカーあるし。

 別に負けてもいいから、かまわないけど。その前のスリルが楽しいんだし。

 しばらくとって、ジョーカーが奈々子にいくと、

「うわ。ジョーカーとっちゃった」

「「言っちゃダメじゃん!」」

 都美子と私は二人同時に突っ込みをする。

 そして、三人で笑い合う。

「もー。奈々子ったら」

「二人もハモることないじゃん」

 もう一度三人で笑いあう。

「って、早く」

「いや、都美子が私のをひくんだよ」

「あ、そっか」

 それからは順調に進んでいき、私は一番にぬけた。

「ふふっ。これからは二人の勝負だね!」

「そこまで意気込まなくても」

 奈々子は小さく笑う。

 都美子はカードが四枚。奈々子はカード二枚。

「あれ? ちょっとまって。カードの枚数おかしくない?」

「ひい…ふう…み……。ほんとだ」

 奈々子は、二回目を数えなおして、

「うん。やっぱおかしい。誰か、間違えたのかな? 都美子ちゃん、手札は?」

 都美子のカードは、二、六、Q、ジョーカー。

 奈々子のカードは、二、六。

「このトランプ、全部そろってるはずだから、だれか間違えたんだよ。きっと。もう一回やろっか」

「うん」




 都美子はもう一度シャッフルして全員に配り、

「じゃ、間違いがないようにね」

「うん」

 私と奈々子は頷く。

 そして、しばらくばば抜きを続け、最後に残ったのは私と奈々子だった。

 手札の数を見ると、私が三枚。そして、奈々子が三枚だった。

「まただ……」

「え、本当だ」

 奈々子も呟き、都美子は驚いた顔をする。

 私たちはカードを見せ合うことにした。

私が三、八、K。

奈々子が、三、八、Q、K、ジョーカー。

「またQが残ってる。しかも、同じハートのQ」

 奈々子の言うとおりである。確かに言われてみればマークもハートだった。

「あれ? みんな十分気を付けてやったもんねぇ。私が持ってたやつ、なにかQが抜けてたかな?」




 都美子は、ほかの数字も確かめるために、四枚ずつ集めていく。

「ん? あれ。やっぱあるよ」

 私たちも都美子の様子を見ていたが、間違えているようなところはなかった。

「じゃあ。私たちが失敗したってことだけかぁ。よし、今度こそきれいにできるといいね」

 私の言葉に、二人は大きくうなずいた。

 こんな言葉を言わなければ、三回目はやらなかったのだろうか。




「じゃ、気を取り直してもう一回」

 都美子はもう一度シャッフルして、皆に配る。

 そして、進めていく。すると、今度は私と都美子が残った。そこで数えると、

「あー。やっぱ、数合わない」

 私は二人にも見えるようにカードをテーブルの上に出す。都美子も同じくそうした。

 私が、五、Q、K。

 都美子が、五、K、ジョーカー。

「ね。どうせなら、最後までやってみない?」

「えー。だって、勝敗がつかないじゃん」

 私はそんな意味の無い事はしたくなかった。

「まあまあ。そういわずに。何か進展があるかもしれないじゃん」

 私はその言葉にそそのかされて、続きをしてしまった。

 最後に二人が持っていたカード。

 私が、Q。

 都美子が、ジョーカー。

「ん~? それにしても、どうしてだろう。さっき数えたのに……。それにさ、三回も間違える? なんか、呪いでもかかってるみたい」

「そんなことあるわけないじゃん。奈々子ってば」

 私は、そんなことがあるわけないと笑う。

「いや。正解だよ」

「え?」

 思わず聞き返してしまう。

「 本当に、正解だよ。今から、説明してあげる。

これはとあるクイーンのお話。

  あるクイーンは、周りの国の二人の女王たちから、いじめられていました。それは、体から心まで悪くするようないじめを受けました。

  一回、二回といじめられ、彼女は計、三回のいじめを受けました。

  周りの国の王女たちは、もっと彼女をいじめる予定でした。

  だが、それはかないませんでした。

  なぜなら、彼女が自殺をしてしまったからです」

 私と奈々子は息をのむ。

「 そして、自殺した彼女はその二人をとても恨みました。そこで、彼女の近くにあったトランプに彼女の怨念が宿ってしまった。

  そして、そのトランプがこれ。

  このトランプは三人でばばぬきをしたとき、ハートのQが残るトランプ。

  そして、三回目。ハートのQを最後まで持っていた人はその日の夜に亡くなるんだって」

 私は生唾をのみこむ。

「まさか、それって……」

 都美子はまるで狙ったかのように、にやりと意地悪く笑う。それは、残酷な笑みだった。

「気を付けたほうがいいかもね…………理香」

お久しぶりです。

そして、お久しぶりです。

約一年ぶりの更新ですね。

私のブログでは、これの元ネタがあります。

もし興味がありましたら、遊びに来てください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ