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誰だって、仮面をつけて生きている。  作者: Mina
一章 ミステリー研究会へようこそ
5/9

彼女達は何かが違う

グロではありませんが、出血の言い回しが多いです。すみません……。

「ミステリー研究会へ~ようこそ~」

ドアを開いたと同時に乾いた音が響き、キラキラとした紙が俺の頭に降ってきた。

「…………」

いきなりの事で驚いたが、何故にクラッカー?まともに火薬臭いのが鼻にきたぞ。

頭と肩の紙を払いのけながら、俺はクラッカーを片手に満面の笑みを浮かべる新井 夢姫(あらい ゆぶき)を見た。

「……どうも」

「どういたいしまして~」

別にお礼を言った訳では無かったが、へろへろ~と笑いながらの返事が返ってくる。

「でも入って来たのが僕じゃなかったら、どうするつもりだったんですか?」

当然、間違いました~。では恥ずかしい過ぎるね。

「ああ、大丈夫よ。この部屋に入って来る人なんて居ないもの……それにね、超優れ者の花屋敷君レーダーが居るから」

俺レーダー?何か嫌だ。

そう言って新井さんは自慢げに手を腰に当てて、部屋の隅で俯いている女子にパチンとウインクをした。

おおおおっ……。

凄い。凄い!俺初めて見た…。

リアルにウインクする女~。しかも腰に手を当てて、振り向きざまにウインクした後どや顔する人間なんて…存在してたんだな!

ここに来たこと後悔しているが、これ見れた事はラッキー。


それで俺レーダーの彼女はというと……。

「は、はぃっ!ご紹介に与りました。心理科一年、北川 歩です……花屋敷君の気配や匂いで、だいたいの位置は分かります!」

眼鏡をかけた大人しそうなショートヘアの女の子だ。

立ち上がる際に長机で足を強かに打ちつけた様で、涙目になりながら嫌な特技を紹介してくれた。

「大丈夫ですか?……鈍い音がしましたけど…」

さっきのは痛いよね~。

「だっ…大丈夫です!こんなの舐めておけば直ります!」

打ち身は舐めても治らないと思うぞ…。

でも、何か可愛いな……。

慌てて顔の前で手を振る仕草が小動物みたいで。

俺の中の悪戯心がむくむくっと芽を出した。

こんな台詞を言ったら、どんな反応をするんだろう?

「それなら……、せめて僕が舐めましょうか?」

本気で心配する表情ってのはこんなのだったか?

「そんなっ…い、いえ…っだいじょおうぶで…………ぐはッ」

…………………………………………………………え?

「…………。だっ…大丈夫じゃないでしょう~!」

ええぇ~?

何これ?ごめん……本当にごめんなさい。

まさか、こんなにハードな反応をするなんて、思ってなかったから…。

北川さんは俺の言葉の後に真っ赤にし、鼻から大量の血を噴出して……そして倒れた……。

どうしよう……。

今だドクドクと出血しながら、あははうふふと、笑い続ける北川さん……。

これで彼女が死んだら、やっぱり俺の所為だよな……。本当にごめん悪かった!

謝るから早くその血を止めてくれ。死因が鼻からの出血なんて嫌だろう?

俺が呆然と立ち尽くすなか、新井さんや他のメンバーが走り回っていた。


そんな時、軽い音を立ててドアが開き、俺達と同年代の長身の男が中に入って来るなり、北川さんの後ろに立つと、さっと手を振り上げた。

何をするのかと思い視線を向けると、勢いよく首の裏を往復で叩き始める。

俺も驚いたが、、もっと慌てたのは新井さん。男の腕にしがみ付き止めさせようと必死だ。

「ちょっ…いきなり何するのよ!歩ちゃん殺す気!?」

「こうすれば血は止まる。これを打ち止めという」

男は気にする風もなく北川さんの首裏を叩き続ける。

「余計出てるわよ!止めてよ!死んじゃう!本当に死ぬから~」

「大丈夫だ、俺はこうされて育った」

どんな家で育ったんだ!?

だいたいアンタと彼女じゃ、熊とハムスターぐらいの差があるんだよ?

同じじゃ駄目でしょ!




数分後……。

驚いたが確かに血は止まった。たっぷりと叩き出した後で……。

本当に大丈夫だろうか?北川さん……。

冗談ではなくなってる様な……。

「歩ちゃん!野菜ジュース買って来たよ~」

「……ありがとう、姫ちゃん……」

「たくさん飲んで血を作るんだよ」

「うん。慣れてるから平気だよ……」

ちゅう~と美味しそうに野菜ジュースを飲みながら、ティシューを鼻に詰めている。

「あの…本当に大丈夫ですか?具合が悪いなら、病院に……」

「ほ、本当に慣れているので、ありがとうございます……」

「もしかして……どこか…」

病気持ちなのかと聞こうとして止めた。

鼻血が俺の所為でないのなら有難い。でも本当に悪い病気なら気の毒で聞けなかった。

「あ、いえ。体は至って健康です!」

俺を安心させようとしたのだろう。北川さんは明るい声でニカッと笑った。

……そうか。じゃあやっぱり、出血は俺の所為か……。

でもさ、大げさだよね……。もう、こういうネタ振りは止めようよ……。

ここの女子は何かが違う。


キャラを立てようと頑張ったら、ぐだぐだになってしまいました……。

ああ、どうしよう……。

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