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次話投稿しようと思ったら、短編になっていたために新しく連載しなおしました。
残酷な表現ありとありますがそれは一部なので、ほとんどがコメディ色が強いです。
私には会いたい人がいる。
あの日からずっと探しているの……。
顔も声も思い出せないけど。
でも覚えているわ……。
薔薇の香りのする、綺麗で怖い……私の好きな人。
そうね、彼を例えるなら……。
容姿端麗、眉目秀麗、才色兼備…と、これは違うか。後は、冷静沈着…………あとは……何ていうのだろう?
黒髪黒目で眼鏡の似合う知的な美青年。
あえて人と関わろうとはしないが、全くの無関心ではない。
時折見せる、ため息の後の微笑を見たいがために、後をつけ回る女子が多発していて……。
簡単に一言で言うのなら……。
〝キング・オブ・クールビューティ〟
彼の名前は、花屋敷 桔梗。
城陽大学経済学部一年
男の子に付けるには珍しい名前だけれど、彼の家族は皆、花の名前が付いているらしいわ。たぶん…苗字が花屋敷だからね。
一般には知られてはいないけど、実は彼の家の職業は、かなり特殊なもので……もしかしたら、私の望みを叶えてくれるかもしれないの。
だから私、新井 夢姫はどんなに断られても!必ず口説き落として見せる!
と、拳に力を入れてはみたけど……全然見つからないし。
「花屋敷君……どこよ?」
朝からずっと探しているにもかかわらず、全く見つからず……。
はぁ~……
あんまり関わりたくはないんだけど……。
「……ストーカーズ……」
普段は鬱陶しくとも、こういう場合にのみ役に立つ花屋敷君包囲網。
本当~に嫌だけど、背に腹は変えられない。
彼女達に聞いてみよう……嫌だけどね。
ー約10分後ー
ストーカーズ侮りがたし!あれからものの数分で、彼の居場所をつきとめてしまうという、快挙を成し遂げてくれたわ……。
いや…かなり恐いから!
どうやら彼が居るのは西棟301室。
ここで、絵のモデルをしているみたい。
うん。分かるわその気持ち…。
誰だって、どうせ描くならイケメンの石膏よりも、生身のイケメンを描きたいもの。
間違ってはいないわ。
そして、美術部員の邪魔をしないように注意して、私は静かに…そ~っとドアを開けて覗き込んだ。
そこには部員達に囲まれるようにして、椅子に座って読書をしている姿の彼が居た。
ここまで読んで下さってありがとうございます<(_ _)>
次回はいつ出せるのでしょうか?
ドキドキしています。