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高知県珂木市で発生した女子高校生殺人事件について  作者: 幸円一


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18/23

18:一橋鎖のブログ「休止中に取材したこと」

2022年4月10日

□休止中に取材したこと


前回も少し触れたけど、この事件を追うにあたって協力者ができた。俺よりもずっと取材力のある人で、何よりもバランス感覚に長けた人。そして被害者の尊厳を大切にする、信頼できるし頼れるなって思える人です。

そんな協力者ができたことも、ブログ再開に踏み切ることになったきっかけです。ブログ上ではTさんって呼ぶことにする。


Tさんと事件について話してた時のこと。浜部拓也の話になった。

俺がこの事件を調べ始めた時点で浜部拓也はもう収監されてて、当時の俺は自分のあの仮説に頭がいっちゃってて、「へえ早いな」くらいにしか思ってなかった。

でもTさんにそのことを話すと、「いや、早いなで済むようなことじゃなくないか?」と言われ、改めて異様ともいえるスピード感に目が行った。


逮捕が2021年1月13日。

1月末には起訴。2月に公判が開かれて、その日のうちに結審。3月中には判決が確定して、4月にはもう収監されてる。

浜部は裁判で争う姿勢を見せず、検察の主張を全面的に認めたというのもあって、あっさり終わった。とはいえ、3ヶ月って。殺人事件だぞ?このスピード感は流石に、なんだか妙に「早く終わらせたがってるみたいに見えるよね」って話になった。


これをきっかけに、俺の中で「知りたい」が再燃して、もう一回ちゃんと調べ直そうと思いました。


で、今度は浜部の側から事件まで追ってみようと言うことになった。

やっぱりいわゆるコタツ記事的な方法だけでは、煽りのフィルターがかかった記事がノイズになってしまいかねないから、現地に取材にも行った。

浜部が「どんな人間だったか」とか、事件当日どうこうじゃなくて、もっと手前の話。つまり、


浜部は普段、どこにいたのか。


どこで人と関わる可能性があったのか。


真崎さんと接点を持つとしたら、どこなのか。


そういうところから確認していった。

取材で出てきた浜部の人物像は、ざっくり言うとこうです。


浜部の勤務先は地元の食品会社(ここではS社とする)。徳島県の高校を卒業後、すぐにS社へ就職し、逮捕までずっと勤めていた。

53歳・独身で、結婚歴もなし。両親はすでに他界していて、兄弟もなし。親族とも疎遠。「天涯孤独」という言葉が、きれいに当てはまるタイプ。

職場でも目立つタイプではなかったみたいだけど、仕事はきちんとこなす真面目な人だったみたい。取材を受けてくれた人たちからは、口を揃えたように「カッとなって人を刺すような人に見えなかった」ってコメントがもらえた。


聞けた話の中で印象に残ったのは、元同僚の話。

浜部は以前、職場で問題のある上司に目をつけられて、かなり理不尽に、そしてねちっこく叱られていた時期があったらしい。浜部はそれでも言い返さず、黙って受け止めてた。見かねた同僚が「大丈夫?」って声をかけても、苦笑いしながら「大丈夫です。心配かけてすみません」って。そう言うタイプだった、と。


俺たちは、S社と真崎さんの周辺に何か繋がりがあるのかを調べてみた。例えば、親族が働いてたとか、同じ部署に知り合いがいたとか。そういうのも探したけど、これといったものは見つからず。

出てきたのは、「6年前に真崎さんと同じ高校を卒業した人がS社に就職した」ってことくらい。ちなみに学年的にもその人は真崎さんと関係がなくて、すでに退職していた。やっぱり、はっきりした接点はみつけられなかった。


でも、やっぱり現地取材をすべきだなって思った。

ほんのわずかだけど、二人の接点になり得る証言が得られたんだ。


珂木市では毎年、市内の文化ホールで地域向けのとあるイベントがある。食べ物の屋台が出たり、演奏があったりするイベントで、家族が子供連れで遊びに来たり、若い人たちが友達同士で来たりと、一見するとごく普通の、いわゆる地元の催し物的な感じ。

運営の中心にいるのは、珂木市内を中心に活動するとある地域団体。飲食ブースから吹奏楽の演奏会まで、基本的にはすべてその団体職員・関係者が運営しているイベントであるとのこと。


このイベント会場で「浜部を見た」という証言があった。

話を聞かせてくれた方は、お子さんと一緒に来場。イベントの飲食ブースを回っていた際に、台車に補充用の食材を乗せて運ぶ浜部を見た、という話でした。

イベントにはS社は関わっていないとS社の社員さんから聞けたので、浜部が個人で関わっていた可能性が高いと考えられる。

これは、現地取材をしないと得られなかった情報だなと痛感しました。


そして、もうひとつ。

そのイベントで、真崎さんの目撃証言もあった。


ここで余計な誤解を招きたくないので、先に書いておきます。

真崎さん、そしてもちろん浜部拓也も、その団体の関係者だったからどうなんだとか、そういう話ではありません。


順を追っての説明になるので後述するけど、少なくとも現時点では真崎さんがその団体に所属していたというような情報はない。もちろん「100%違う」と断言できる立場でもないんだけど、でも、少なくとも今の段階で俺が見てる材料からは、むしろ一般来場者であったという線が強いように思える。


この情報から言えることは、


浜部がその場にいた。

真崎さんもその場にいた。


つまり、「接点が生まれ得る場所」がひとつ存在するということ。


また変な想像が勝手に走りそうになる。

この記事はもちろんTさんに見てもらった上で投稿してるけど、読んでくれたみなさんも、俺がまた暴走しそうになったら容赦なくぶん殴って止めてください。

もちろん、そうならないように俺自身も気を付けます。


ただ、多くの方から得られた「大人しく真面目な会社員」以外の、浜部がいた可能性がある。そこだけは、あえてここで言わせてもらう。


今日はここまで。

次は、このイベントについて、もう少しだけ調べたことを書きます。2人がこのイベントにどういう立ち位置で参加していたのかを、もう少し詳しく話せたら、と思う。

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