表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

第玖和

〜謙吾サイド〜


俺がディスクを渡して30分が経過した頃


「「「ん…」」」


「…起きたか、3人とも」

「「「ただいま!」」」

「…あぁ、おかえり」


そうして俺らは抱き合った。泣きあった。互いの存在を確認し、思いで話にふけた。


「さて、君たちは帰ってきてくれた。だから俺からのプレゼントをあげようかなって」

「お師匠が?」


記憶が戻ってから3人は謙吾と幽のことを「師匠」と呼ぶようになった


「その呼び方も変わらないんだな」

「へへ!」

「さて、プレゼントの内容だが、俺の持っている"能力"を一つ、あげよう」

「い、いいのですか!?」

「あぁ、やっと会えたんだ…3百年は待ったからな。お祝いくらいさせてよ」

「で、でも私達ずっともらってばっかりで…」

「それが子供ってもんだろ?」

「お師匠、私たちはもう高校生なんだが?」

「それでも俺からしたら子供だよ」

「へへ、やっぱかなわないな」

「そうだろぉ?」


「さて、俺から譲る"能力"だが、すでに決めてある。安心しろちゃんとあったやつだ」

「元から不安じゃないです」

「はは、そうか。それならよかった。」

「まずは妖夢」

「はい!」

「妖夢には"アヌビス神"のディスクをあげる」

「ありがとうございます!」

「次に早苗」

「はい」

「早苗には"ペイズリー・パーク"のディスクだな」

「ありがとうございます」

「最後に魔理沙」

「おう!」

「魔理沙は…そうだな、"エアロスミス"のディスクをあげよう」

「ありがとうな!」


「使い方についてだが、そのディスクをはめ込むとわかるようにしてある。」

「よし!早速…」

「まぁ待て、魔理沙」

「え?なんだよ」

「俺の"能力"はとても強い…そしてその強さは精神力に比例する。

お前らは精神力が強いからな、その点は安心できる。」

「じゃ、じゃあ何が…」

「強い能力を無理に使おうとすると体への負担が多すぎるんだ。だからお前達が実力でSランクに昇格するまで、そのディスクは俺が預かる。わかってくれるか?」

「…もちろんだ!」

「…ありがとうな、お前らには酷なことしたな」

「いえ、私たちも、もらった恩を返さずに死ぬのは少々居た堪れないので」

「ふふ、にしても妖夢はかなりおしゃべりになったな?」

「うっ//…お師匠もそう言うのですか?」

「はははは、当たり前だよ。無感情な子供が感情を出してくれるんだ…これほどまでにうれしいことはないよ」

「ッ//…」

「全く、妖夢は照れ屋だな(ニヤニヤ」

「う、うるさいですよ魔理沙//あなただってねぇ…」

「バッ//その話は無しだろ!」

「お二人とも〜喧嘩は…」

「あはは…喧嘩ってより辱めだな…」

「じゃ、今のうちに謙吾兄ちゃんは私が♪」

「はいはい…お前は撫でられるのが好きだよなぁ」

「えへへ//」


10分後


「はぁはぁ…きょ、今日はこのくらいにしてやる//」

「え、えぇ…そうですね//」

「お、やっと終わったか」

「〜♪」

「さて、帰りますか」

「「「はい!(おう!)」」」


そうして鏡の中の世界から出てきた俺たちは幽の待つ皇帝へと足を運ばせた。



〜幽サイド〜


…まいった、ここまでこいつらが弱いとは思いもしなかった…

俺を見ることができたのは

・レミリア・スカーレット

・古明地さとり

・伊吹萃香

伊達(だて)秀磨(しゅうま)

の4人。

正確には古明地さとりは超能力によって見えているだけなので怪しいラインだが…


「はぁ…はぁ」

「レミリア、まだ行けるかい?」

「はぁ…ふふ、当然」

「…(深呼吸)」


この中でも伊達秀磨という人物はとても素晴らしい戦闘センスを持ち合わせていた。

多分だが、彼は俺を見れていない、だが視ているのだ。俺の魔力を、空気の揺らぎを。

その集中力はとてもBクラスのそれじゃない…Sクラスに匹敵するだろう。

それに彼は超能力を使っていない…ここまで未知数な人物は久々だ。


「伊達秀磨くん、君の超能力は何かな?」

「ッ…いくらあなたが教師といえど、教えられません」

「それは怖いからか?みんなを巻き込むのが」

「ッ!」

「僕…もういいか、俺がとうりむける攻撃をした時、俺はそいつの精神世界が見える。お前は怯えている、自分の超能力が膨大すぎて扱うことを諦めている。そうだろ?」

「…じゃあどう『簡単だ』」

「お前がお前のことを信じるんだよ」

「…信じる?」

「あぁこの力を自分のためじゃなく他人のために使うんだって」

「…そんなことで」

「君からすればそう思うかもな、けど()()()()()()()()は、いつしか君以外に手を出してしまうだろう。だから信じるんだ」

「…」


伊達秀磨の超能力は「悪魔を従える」能力。

従える悪魔は1体だが、使いこなせればかなり強力な人物となり得るだろう


〜秀磨の精神世界〜


『お前はあいつの戯言を信用するのかい?俺のせいでお前は大人数の人を不幸の渦中に置いてきたのにか?』

「…わからない、けどわかるんだ」

『はぁ?』

「僕は一度たりとも君を肯定できなかった、肯定しようと思わなかった。それが間違いだったんだ…自分の持つ強大な力を手放しにしたせいで僕はたくさんの人を不幸にした…だから、もう」


ー逃げるのはやめたー


『…はは、ハハハハハ。そうかその眼差しを俺に向けるか!』

「…」

『言っておくが今のお前では俺の力を十分に使えない』

「わかってる、だからさ協力して欲しいんだ」

『…5分、今のお前が俺と融合できる時間だ』

「十分だ。そ、それで」

『あ?』

「きみ、なんていう名前?」

『…はは、俺に名前なんてねぇよ』

「そっか…じゃあ僕がつけるね!」

『…はぁ?』

「だって、これから僕らは()()なんでしょ?だったら名前はあったほうがいいよね!」

『…はは。子供みてぇだな』

「なっ!失礼だなぁ…う〜ん、よし。今日からきみは大倶利伽羅宏光(おおくりからひろみつ)だ!」

『…ちなみに理由を聞いていいか?』

「伊達家…僕の祖先伝来の刀の名前だよ」

『そう…か』(悪魔に対して剣の名前をつけるってどんな神経してるんだ?こいつ)

「…これからよろしくな()()

『…あぁ()()

互いに握手を交わし、互いを相棒と意識したことで、彼の超能力は覚醒する




「人魔一体!』

「…そうか、君はちゃんと()()()()()を理解したんだな…」

「…本気で行く』

「なら、小細工は無しだ」

「《善ノ太刀=恐怖の理》!』


凄まじい蓮撃が幽を襲う。が幽も超能力でかわす。


「《悪ノ太刀=鬼気一掃》』

「ッ!」


この太刀も幽霊化で対処しようとした幽だったが、本能でその斬撃を避けた


「…なるほど、善と悪の斬撃か…」


秀磨の使う《善ノ太刀》は人や神に対して蓮撃を放つ太刀。

対して《悪ノ太刀》は幽霊や悪魔に対して一撃を放つ太刀。

前者は秀磨の、後者は悪魔の持つ技。

そしてこれらを、人魔一体によって掛け合わせたのが


「《虚無ノ太刀=無心不動》』

「……っく」

「はぁ…はぁ…』

「秀磨くん、君は凄いよ。人は(うつつ)を、悪魔は冥界を視る力がある…その力を完全に振るう事が出来た時…君は僕に勝てるかもね」

「うっ」

「おっと、レミリアくん。彼を医務室へ」

「…」

「レミリアくん?」

「あ、は、はい!わかりました!」

「さて、そろそろ謙吾が帰ってくる時かな」

ここだけの話

伊達秀磨に住む悪魔の名前を燭台切光忠と悩んだりした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ