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人類滅亡学者の旅路  作者: さくら
探索
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陽炎

 あれから何年経ったのだろう?







 時の概念は、もはや意味を為さないから、グルグルと季節が巡り、循環しているだけ。

 数の概念も、使うことはない。

 …働くこともない。

 はたして僕は成長したのだろうか?

 比較対象が無いからわからない…でもどうでもよい。

 お金の概念は、消滅した。…さようなら。

 よって、使うこともない。


 心に巻きつけられていた概念の鎖が、全て、なくなりました。

 心が浄化されたみたい。


 ああ…なんてストレスフリー!


 これらの概念は、僕には、なくなっても全然支障が無かった。

 社会に必要不可欠と思い込んでいました。


 今、考えてみれば、実に滑稽な話だ。


 概念は道具に過ぎないのに。

 それを神のように、人より上位の万能の如く常識であると信じ込まされていた。

 人類の歴史の何処かで、すり替えが行われて、信じ込まされていたのだ。

 いったい誰が何の為に?

 … …


 

 

 

 あの日から今まで、鳥や魚、たまに猫は見かけるけど…人類を含めた他の動物は見かけることはなかった。


 …人類が滅亡する日が来ようとは?!


 しかし、僕は…実はまだ疑っているのだ。

 僕でさえ、今、偶然生き残っている…悪辣で狡猾な人類が生き残るに、かような事態を想定してないはずがないと。

 


 …



 旅の途中、空を見上げれば、ところどころで雲が見えるも、今日は晴天です。

 段々と暑くなってきた来たけども、風が吹けば涼しく思う。

 海沿いの埋立地を、僕は今、歩いている。

 暦の上では春だろうな。

 季節が巡っていくのを、肌でヒシヒシ感じたり。




 …






 水の近くは、温度は下がる。

 今は、まだ海からの風で涼しいけど、季節が進めば、沿岸部でも、きっともっと暑くなることだろう。

 そうしたら、海面や焼けたアスファルトの上に陽炎が昇り、人類が生き残った幻を、もしかしたら僕に見せつけて来るかもしれない。


 そんな日を、僕は夢想してしまった。


 太陽が昇り熱さを増したアスファルトの上に僕は一瞬立ちすくした。


 …まさかな?

 

 でも…あらゆる概念を駆使して他者を騙して奴隷のように扱うを善しとしたあの生き汚い悪辣な人類だぞ。

 狡猾な手段で、何処かで生き残ってる可能性を捨てきれない。

 もしも、遭遇したら、その時、僕は…?






 そう言えば、ゴキブリも、あの日から見かけないけども、何処かで生き残ってるかもしれない。




 

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