言論
電気が無いので、夜は陽が落ちたら強制終了だ。
寝るしかやることがない。
電気って便利だったんだと改めて思う。
いや、便利過ぎたんだ。
夜の領分をおかし過ぎたと思う。
夜は、月読様にお返しして、人類は寝るべきだった。
だから今、夜、暗闇の中で、じっくりと考えることが出来る。
いいんだか悪いのか分からないけどさ。
でも眠くないし。まだ慣れていないから。
ここは、ショッピングモールの寝具売場に展示してあるベットの上。おそろしく寝心地が良い。
僕の自宅にある煎餅布団とは雲泥の差だ。
耳を澄ませても、何も聞こえて来ない。
周りも真っ暗闇。
人類滅亡したのが分かる。
…まあ、眠くなるまで、ちょっと暇つぶしに言葉について考えてみるのも良いかと思う。
僕は、今では言いたい事を言う。
だって、人類は、僕一人きりだから、何者にも気を使う必要もないから。
だいたい何故に規制されなければならなかったのか。
よく分からない。
僕のようなデリケートな心を持っているならば、心無い言葉に傷つくかもしれない。
でも僕が知っている人間は、バリケードのような人ばかりだった。何を言っても堪えない。何と言っても聞こえない。心があるのか無いのか分からないほど響かない。思いは届かない。
無駄、無駄、無駄だ。
僕が見たところ、人類の9割は、こう言う人達だ。
そんなバリケードな人達が他者を批判するのだ。
批判など必要ないよ。あなた達が口を閉じれば万事解決だよ。いっそニートになって下さい。
でも、これだと言論規制になってしまうから、やはり人類は滅亡して正解だったのかもしれない…。
つらつらと、くだらぬ事を考えていたら、ああ…そろそろ眠くなってきた。
「お休みなさい。」