話し
僕以外の人を見ない。
さもあらん。人類は滅亡したのだ。
直射日光が大地を照らす。
カンカン照りだ。
季節でいえば、まだ春なのに。夏の日の様に暑いですな。
人類は滅亡しました…わはは。
馬鹿な奴らだ。全く馬鹿な奴ら。
晴天に、笑う。
何しろ、この世界には、僕一人しか居ない。
何をするのも自由だ。
世界とは、人間一人に一世界が、ちょうど良いのかもしれない。
しかし、僕には一つ困っていることがある。
人類が滅亡したのは分かっている。
でも何故、人類が滅亡したのかが分からないのだ。
…記憶にございません。
議員の国会答弁ではない。
僕自身の現実の話しだ。
でも実は、僕自身はどーでも良い。
いやいや、どーでも良く無いよ。
大事な事だよ。
でも、もう僕一人だけだし、どーでも良いかな。
どっちやねん。
気づいた方もいるかもしれないけど、僕は、この世界に一人だけなのだから、当然会話は無い。
一人なのに会話しだしたら、怖いよ。
だからして、当然、この話しは、僕の語り調にならざるを得ないのです。
あらかじめ、ご承知おき下さい。
あれ?僕は何を言ってるのだろうか。
まあ…いいや。
人間は、社会的な生物だと言う。
つまり、単独では気が狂ってしまうかもしれない可能性があるのだ。
その対策としても、誰かに語りかけるのは、有効かも。