出発
人類が滅びた後の世界を、ただ歩く。
静かな、実に静かな世界だ。
自然音ばかり。
歩きながら考える。
何故に人類は滅びたのであろうか?
人類の足跡を辿り、人類滅亡の謎を解く。
題して、人類滅亡学である。
勝手に名付ける。
仮説 人類は滅ぶべくして滅びた 最初から人類には滅びの因子が組み込まれていた説
なるほど…なるほど
綺麗な透き通った青空を見上げると、チョウゲンボウが飛んでいく。
地を見れば、ひび割れ草が生い茂った道路には走る車などはない。
仮説そのニ 自然現象である。来たりて去り行くもの人類
種の絶滅など珍しい話しではない 人類もしかり…。
仮説その三 自死である。自ら滅びを選んだ…。
崩れ落ちたスーパーマーケットが目に止まる。
…以前は多数の人が利用していた、今は当然誰もいない。
中に入りて、使えそうな物がないか見て廻る。
いったい人類が、この世界にあった意味はあるのだろうか?
ゴミばかり散乱している
忌々しい
意味などないのか
外に出て、都心部を目指す
傾いた電柱がいたるところにある
本当に何か意味があったのだろうか?
滅びた今だから、分かる何かがあって欲しい。
季節は春
昼に向け気温は上昇し 暑い
歩いて行く遥かな先を見る
空気が揺らぎ 先は良く見えない