第3話 正村姫音
彼女が言うには試験官に問題があったのこと。
「入試の実技は試験官3人に見られただろう?」
「俺の時もそうだったな」
「私の時も同じで、運が悪かったことにそいつらが全員一心流でな。お前ももう見たと思うから気づいてると思うが私は一心流を破門されててな。しかも試験官が割と熱心な方でな。あまり結果に納得いってないんだ」
「なるほど」
それは本当に運が悪いというか。
いくら学園都市とはいえこの学校を受ける生徒の数は何十万といる。入試は何週間にも渡って何回も行われるからこういう事もあるのかもしれない。割と貴族のそういう話も聞くからな。
これでいいのか学園都市よ。
それと何故破門されたかについては触れないでおこう。
「ちなみに身体能力テストの中身はどうだった?」
「どうだったかな。確か殆どAだったが、持久力と魔力操作とその他いくつかはBだったな。」
「持久力テスト、キツかったよな?」
「それには私も同意するよ」
入試の身体能力テストだが内容はものすごい。この学校を受けるやつは上から下までの差がものすごく幅広い。
そこで使われた採点方式は1~10までの点数制である。ある一定ラインを超えると点数が上がり、上限は10まで。10を超えるとどんなに頑張っても10である。この点数でA+やCなどの評価が付けられる。最初からアルファベットでもいい気もするが…
ちなみにS評価は10だけである。最初から基準は告げられるので、目に見えた目標が出来て結構頑張りやすかった。
だがこの身体能力テストの基準だが、上が上すぎる。殆どの人は10無理じゃないかなってぐらい難しい。クラスで1人はいるめっちゃ運動神経良い奴でも6に行けばいいほうである。
ちなみに6はギリギリA-いくかいかないか。
持久力テストはずっと走ったり、ずっと重いもの持ったりとかをさせられるのでめっちゃキツかった。クラス分けがかかってるし、こればかりは手抜く訳にも行かないし。
ちなみにだが俺は持久力Bだった。それに比べ魔力関連とかは特に酷かった。俺と同じDの人はあまりいないだろう。瞬発力と短距離走ではSを取れたので良かった。ミリア?あいつはオールSだったよ。
「ここで立ち止まるのもなんだし入口まで一緒に行くか?」
「それは助かる。こちらからお願いしたい」
「そういや自己紹介がまだだったな。俺の名前はアルス・クラウスだ。好きな方で呼んでくれ。Cクラス1組だ。よろしく」
「イデアル端末でみたと思うが改めて、私の名前は正村姫音。出来れば名前で呼んで欲しい。 私も1組だから同じクラスだな。今後もよろしく頼むよ」
「よろしく。姫音」
その後俺たちは、入試の話で盛り上がりながら校舎の入口へ歩いていった。