閑話 鬼謀の才人
俺の名前は連道真也だ。俺はAクラスのリーダーとして君臨している。
俺をそうさせたのはこのスキル《ラプラスの魔眼》のおかげだ。
《ラプラスの魔眼》は生まれた時から所持していた。初めは使い方も分からなかったが。
あれは俺が7歳の頃、それは魔術の授業を受けていた時だ。大した理由はなかった。強いて言えば、周りの生徒が全く魔術が出来ておらず、授業が全く進まないことに退屈を覚えていたことだ。
その時魔力を全身に流してあそんでいた。魔力が俺の目に流れた時、俺に複数の映像が流れた。
映像自体は大したことない授業の風景。音声もなくただ俺の視点で映像が流れていた。だがどの映像も俺が見た事なかった。
どの映像も急に倒れたようになる。そしてその5秒後俺は倒れた。
結論から言うと、頭に映像が一気に流れ過ぎて俺の頭が耐えられなかったらしい。
あの映像は未来の光景。最初は頭が痛くなったりしていたが、思考+のおかげで今はなんともない。
最初は5秒先くらいしか見れなかったが、今では条件次第では1週間先くらいなら見れる。
中学生くらいからだろうか。俺は自惚れてた。俺のエニグマの能力とこの魔眼があれば倒せない敵はないと思ってた。実力で勝てない相手には俺の駒をぶつけて倒す。
そうやって今日までは勝ててきた。
☆☆☆
正村姫音か。俺が相手出なかったらそこそこやれてただろう。多分あいつはまだ何か隠してるとは思うが。
「真也くん、おつかれさまぁー」
「そっちは上手くやったみたいだな」
「真也の予測してた通り、あの筋肉の塊、思ったより強くてね、先に戦闘エリア外で倒せて良かったよ」
「あいつが生き残って活躍してる未来もあったからな」
「Cクラスの生徒も真也の、爆弾で一網打尽だしね。あの威力はやばいよ」
「その分こちらは少し苦戦したがな」
「後は自由にしていいんだよね!」
「ああ」
こいつは俺のクラスの1人。こいつは好きに暴れさせた方がいい成績を残してるからな。
ちなみに俺のペアは早々に脱落しないよう隠れてもらっている。
周りの様子を《索敵》で探る。《索敵》は特に制約もないのに使いやすく便利なスキルだ。
付近の反応は2人だけ。少し会いに行くか。
俺の魔眼を最大限活かすためには、たくさんの情報を知る必要が有る。イレギュラーがあればあるほどこの能力の真価は発揮されないからな。
ここまで近づけば少し話し声が聞こえてくる。
「アルティミアさん、やっぱり名前で呼んだら駄目かな?」
「はぁ。しょうがないですね。呼び捨てじゃなければ呼んでもいいですよ」
「本当に!じゃあミリアさん、よろしくね!」
「その代わり、これからの戦術対抗戦は頑張ってくださいね」
「もちろんだよ。いずれはその敬語も…」
あいつらは確かSクラスのミリア・アルティミアにウィリアム・フリードだったか?
ウィリアム・フリードは入学前から有名だった。貴族の舞踏会では引っ張りだこだったからな。
それに対しミリア・アルティミアは1つの噂として有名だった。
曰く、彼女が参戦した大会では、必ず優勝する事ができない。
大会以外ではあまり表舞台に出てくることはなく知る人ぞ知る存在だった。だから彼女がSクラスに入学し、彼女の実績を見た人はそこに並ぶ数々の実績を見てさぞ驚いたことだろう。実績だけでなく実力そしてその美貌を見たせいでもあるだろうが。
「少し試してみるか」
俺は彼女と敵対することに決めた。今の俺の実力が噂のSランクにどれほど通用するか試してみたいしな。
「ミリアさん敵だ。ここは俺に任せて欲しい!」
俺の前に立ちはだかったのはウィリアムの方か。魔眼で未来を覗いてみる。
俺の知らない攻撃を使ってくる時は、映像が暗転してあまり見れないが、能力を使わないで戦っている時は、俺の敵では無いな。俺の罠に直ぐに引っかかっている。
これならあいつが能力を使ってきても十分に対応できるだろう。じゃあミリアの方はどうか。
「っ!なんだこれは!」
俺が見た光景は一方的に彼女にやられる光景。これが意味することは、俺は彼女に能力も使わずに負けていること。
こ、こんなのは初めてだ。未来視を使っていても一方的にやられているだなんて。
絶対に勝てない。どこの未来でももう逃げ切れる未来は無い。出てきた事が間違いだった。
こうして戦う前から戦意を折られた俺の戦術対抗戦は幕を閉じた。
「なんでこいつ突っ立ったままなんだよ。やっていいのか?」




