第43話 戦術対抗戦10
リンネ視点
私には明確な弱点があるわ。それは動きながら魔法陣を描けないこと。
アルスには、なんで10個も魔術をいっぺんに使えるほどマルチタスクができるのに回避しながらだと1つも使えないのか、といわれてしまった。
だけど1度考えて欲しい。車を自動運転ではなく自分で運転出来る技術があるからって、飛行機を運転出来る訳では無いじゃない。同じような感じでも、やってることは全く違うの。
だから私は今、目の前の大男の攻撃を避けることしか出来ず、全く魔術などで反撃ができていなかった。
「ええい!ちょこまかと動きやがって!」
「そんなの当たったら転移する事もなく一撃で死んじゃうわよ!馬鹿じゃないの!」
ひっ!今大剣が私の頭の上スレスレを通ったんだけど!
このままじゃだめよ。落ち着いて頭の中で魔法陣を描くの。文字から模様の構成までを考え…
「危ないわね!やっぱりこんなの無理よ!」
「お前は逃げるだけしかできんのかぁ!」
そんなこと言われても出来ないものは無理に決まってるでしょ!逆になんでみんなは動きながら魔術で反撃できてるのよ。
魔法陣を1から構成してるリンネには分からないが、普通の魔術士は魔法陣を形として覚えてるので反撃もしやすい。
10個の魔法陣を1から作っているリンネは十分可笑しいが。
☆☆☆
アルス視点
「よくこんなにも避けれるね」
「今日のラナが、少し弱いんじゃない?」
「そんなことないもん。レナこそへっぽこなんじゃないの?」
「そんなことはないよ」
まだギリギリ避けれているが、次ラナのデバフを喰らうといよいよまずい。スピードを下げるデバフが厄介過ぎる。
1回で下がる量は少ないからまだ何とかなっているが、だんだんと2人の攻撃力もデバフ量もあがって来ている気がする。っ!まずい!
「今日初めてしっかり当たったね」
「しっかりラナの方で当てれたしね」
「やっぱりどんどんデバフの効果が上がってる!」
「気づいたみたいだね」
「教えてあげる。私達は相手に攻撃を当てる度に、攻撃力もデバフの効果も上がっていく」
「連撃か?」
「いいや違うよ、上がる効果は個別じゃなくて私達2人で共有されるの」
「攻撃を当てた回数も2人でカウントされる。それが私たちのエニグマのスキルの1つ」
「「《共連撃》」」
普通のスキルである連撃は攻撃を連続でする度に攻撃がアップする。問題は攻撃だけでなく少しづつ他の身体能力も上がっていくこと。
連撃の厄介な点は攻撃を当てる度ではなくする度に効果が発揮される。
そして2人なら効率は2倍だな。これが双子特有のエニグマってやつか。やっぱり今のままじゃやっぱり負ける。
この戦術対抗戦は周りからの観戦がある。だからあまり実力を明かしたくなかったんだけどな。
あいつらには俺の情報がバレる訳には行かないが、戦術対抗戦の情報は外部に伝わらないらしいし。
こんなことを言っているが何より、俺がもうこいつらに負けたく無くなってる。まぁバレたらその時はその時だ。
押されてばかりだったがこっからは俺からも行かしてもらう
「スキル《鷹の目》《会心》《足場》」
そして意識を集中させる。+値によって強化された俺の集中力は、俺の思考を極限まで加速させていく。
ラナの弱体化は非常に厄介だ。そしてそれを最大限活かす2人の入れ替わり。
だったら入れ替わっても分かるだけのそれぞれの個性を探す。たとえ双子であっても全てが同じ訳では無いはずだ。
すまんコラボが始まってしまたんや




