第38話 戦術対抗戦5
「おいどうした?偶に弾が当たらなくなってるぞ?」
モヒカンから飛んでくる矢を避ける。矢はモヒカンのシールドをすり抜けて向かってくる。あの矢には何か塗ってあるように見えるので当たる訳にはいかない。
こっちから連続で銃を撃つ。モヒカンはこちらの銃弾を見て2枚のシールドを動かして防ぐ。
エニグマの能力がシールドのみとシンプルな分補正値が大きいのか銃の速さでも、弾の性質を普通に見極めている。
モヒカンのシールドは大きくもないので、早くシールドを動かしても連射すれば何発かはモヒカンに当たる。だがその度にポーションを飲まれるので全て回復される。
「仕方ない。《形態変化》」
俺の銃が形を変える。黒と発光した青のオートマチック型から、銀と黒のリボルバー型へと変化した。
オートマチック型は隙なく銃を連射できるが、リボルバー型は1発1発の間に少し間ができ、反動もでかい。その分威力はオートマチックよりも高くなっている。
「銃の形が変わって威力が上がってやがるな。だがさっきと違って1発の隙が多くてシールドで防ぎやすいぞ!」
「これならどうだ?」
俺は銃をモヒカンの後ろに向かって撃つ。その銃は壁で反射しモヒカンの腹に当たる。
「うがぁ!なんで銃弾がはね返って?」
「俺は銃弾の性質をいつでも変えれるって言っただろ?弾の性質を真っ直ぐ反射するようにしたんだよ。そしてお前の前でまた普通の銃弾に戻した」
「クソッ!油断したぜ。だがさっき高級ポーションを見つけておいて良かったぜ。これで俺の回復手段は無くなった。こっからは全力で行かしてもらおうか!《超絶多重展開》!」
モヒカンがスキルを使うと共にモヒカンの周りに物理無効と魔術無効のシールドがたくさん並ぶ。360度シールドを纏うことで背後の攻撃も防ごうとしているのだろう。
さらにモヒカンの頭に筒のようなものが付いた。俺が1発銃を撃つとシールドに弾かれる。そしてモヒカンの頭の筒からエネルギー弾が放たれる。
「この頭上の筒はなぁ!お前の攻撃の威力の分お前に撃ち返すことができるぅ!当たったらどうなるかなぁ?」
厄介だな。多重展開で魔力を大きく食っているだろう。だがシールドが消えるまで待とうにもやつの弓が厄介だな。この工場の2階の足場は狭く橋のようになっているので避けづらく、長期戦になるとよけれないこともあるだろう。
だがやつのシールドには弱点が1つあるな。
「お前のシールド赤と青を合わせて物理攻撃を無効にしてるし、緑と黄色を合わせて魔術を無効にしている。
それを自分の周りに大量に出すことで相手の攻撃を跳ね返している。
シールドの数が多いからさっきやったような壁を反射させる攻撃も防ぎ易くなっている、と思っているようだがそれは違うぞ」
「どういうこどだぁ?」
「確かに360度シールドを展開することで背後と前を同時に防いでいる。だがお前のシールドは物理無効と魔術無効を重ねることができないんだろ?多くなったシールドのせいで自由性が無くなったぞ」
俺は銃を正面から撃つ。さっきはシールドが動かしやすく、正面からだと、銃弾の性質を見られそれに対応したシールドで防げれていた。だが今度はシールドが密集しすぎて瞬時にそのシールドで防げない。
銃弾はそのままモヒカンを貫くと更に、モヒカンのシールドで反射させてモヒカンをもう一度貫く。銃弾の勢いは衰えずモヒカンが転移石で強制転移するまで貫き続けた。
「これで俺の勝ちだな」
俺はまだ1階で戦っているシロナの元にむかった。
☆☆☆
モヒンカ視点
「負けたか」
俺は現在集中治療を受けている。痛覚はイデアル端末で遮断しているがな。
ちくしょう。Cクラスのやつに負けちまった。どうやら俺の強化はかえって弱点になってしまっていたらしい。
相性が悪かったと言われればそうだが、あいつは銃の速度に合わせて性質を変化させていた。
そして最後の攻撃、あいつは俺のシールドで銃弾を反射させまくっていた。だがそれを可能にするには銃弾の性質をシールドに触れる瞬間に変え、俺に当たる瞬間に変え、またシールドにあたる瞬間に変えを繰り返す必要がある。
銃の速度でそれを可能にするには、銃の弾を見極める目と、瞬時に判断できるような瞬発力、思考をしてないと無理だ。
それに俺にはあいつが全く、全力を出しているようには見えなかった。それこそ全然本気を出していないんじゃないか?
今回の戦闘でレベルが2も上がった。これだから1対1は辞められない。
俺が失格になったことでペアのやつも失格になった。他クラスが通信機を使えるようになってしまったが、許してくれ、真也。
俺の今後の目標はあいつを倒すことだな!
この世界の全てが銃弾を見れる訳では無いです。モヒカンがたまたま見極められただけ。
次回は多分シロナ視点が三人称視点




