第34話 戦術対抗戦1
目を開けると目の前は外だった。どうやら無事転移は成功したらしい。隣を見るとリンネと目が合う。転移はペアごとでされるのでリンネと同じ場所に転移したわけだ。
「リンネ、頑張ろうね」
「ええ、あんなに勉強したんだもの」
「お前が早く失格になって、主様に迷惑かけんなよ!」
「分かってるって、ハットもリンネのこと頼んだよ」
「おうよ」
少し軽口を言い合ったところで作戦通りに動く。まず俺たちが持ち込んだ通信機を作動させる。俺は通信機の他にも、色々役立ちそうなものを持ち込んでおいた。
『聞こえるかな?』
通信機から委員長の声がする。それに対して俺たちは、通信機についてる特定の信号を送る。みんなで喋ると何言ってるか分からなくなるからな。
『私が転移したところは予定通りの場所だよ。だからみんなプラン通り私の場所に来てね』
委員長の通信機から位置情報が送られてくる。この模擬戦闘エリアは対抗戦前に配置が変えてあるので、地図は意味をなさない。
「じゃあアルスお願いできる?」
「了解」
俺のスキル《索敵》を使用する。これは一定範囲内の、生体反応とある程度の状態と行動を確認できる俺の特殊スキルだ。
ペアになる上でリンネには伝えておいた。
「この付近ではペアと思われるのが3組だな。うち1ペアがこっちを見てるな。あっちの方角にいるから気づいてないふりをしてくれ」
「わかったわ。予定通りあのペアを委員長の元に連れてくのね」
俺達の作戦はAクラスとBクラスか足を引っ張り合う前提なので、それぞれが委員長と合流する時、ある程度の生徒を連れてく手筈になっている。
つまりあの1ペアを連れたまま委員長のとこに合流するということだな。
だが少し疑問があるが、それは些細なことなのであとからでいいか。
☆☆☆
委員長のとこにたどり着いた俺たちは、周りの様子を見ながらあと1ペアを待っていた。時間的にはう着く頃だろう。俺たちが今いるのは周りが岩山になっていたり、大きな川が流れていたりする場所だ。
「ここまでは順調ね」
「警戒は怠らないようにしろよ」
こちらに最後のペアである姫音のペアが走ってくる。1番遠い位置にいたが思ったより早く合流出来た。
最後にもう一度《索敵》をしておこう。
「これは!」
「どうしたのアルス?」
俺が言うのと同時にどこからかドームのような半透明の何かが広がる。それは俺たちをすり抜け大きな半球の形となって広がって行く。
「何?今の」
「委員長!通信が使えなくなった!」
「本当?」
「本当だ。というか他の電子機器も使えない」
どうやらさっきのは通信機を使えなくするためのものだったらしい。
俺がさっき《索敵》を使って分かったのは、さっきまでいた周りの、他クラスのペアの数が少なくなっていたことだ。そしてその更に外からたくさんの生徒が押し寄せて来ていたこと。
これはもしかすると作戦が失格するかもしれない。




