第33話 開会式
あれから3週間が経った。今日は新入生対抗戦がある日だ。開催場所はSクラス校舎の模擬戦闘エリア3番で行われるが、開催時間は昼からなので朝の現在は最終作戦会議として教室に集まっている。
「いよいよ今日が対抗戦の日だね」
「委員長、私緊張が止まらないんだけど」
「今日まで練習してきたでしょ。授業では1限分、放課後だって練習したしね!」
「うん、そうだけど…」
やっぱり分かっていても緊張はするものだ。よく練習してるから緊張はしないと言うが、緊張する人は、練習をしていても失敗する可能性はあるからそれを恐れて緊張するのだ。
「戦術対抗戦の人は軽く最後の確認をしよう」
「そうだね姫音ちゃん。まず試合が始まったらすぐ連絡をとって集合しよう。その後AクラスとBクラスをなんとかして、その後いくつかのグループに別れてなんとか生き残るって感じだよね!」
「ざっくりと言うとな」
「大丈夫だよみんな。失敗しても仲間がいるから!」
「そうだよね。みんな一緒にがんばろー!」
「「「「おー!」」」」
そろそろ開会式が始まりそうなので移動を始めようとする。
「あ、アルス君はへ、平気そうだね」
「フレイは緊張しすぎだって」
「失敗したらどうしよって思っちゃって。実は入試の時も大失敗しちゃったしね…」
フレイの家事スキルはだいぶ高い。それこそAクラスにも通用すると思うくらいには。それでもCクラスにいるのはこういう訳だったわけか。失敗で正しく評価されなかったのと、緊張してしまう性格と合わせてCクラスが妥当と判断されたんだろう。
「フレイよく聞いてくれ」
「う、うん」
「緊張してしまう人にこう言うのは逆効果かもしれないが、俺はフレイに期待してる。理由はな俺はフレイに実力があるって知ってるからだ。フレイならちょっと失敗したくらいじゃトーナメントから落ちないよ」
「本当に?」
「本当だよ」
「そっか…えへへ。アルス君に、そう言われると自信がでてきたよ!」
どうやらフレイの緊張は解けたらしい。フレイとは会場が違うのでお別れしたが、最後の笑顔を見る限り大丈夫だろう。
☆☆☆
俺達は現在Cクラスの待機所にいる。最後の調整や作戦会議をするために開会式はここのモニターで行われる。
『みなさまこんにちは。生徒会長の高峯 栞です。只今より開会式を始めさせて頂きます』
どうやら開会式が始まるみたいだ。開会式と言ってもあんまりすることは無いみたいだけど。
『まず生徒会長の私よりみなさまに話をさせて戴きます。
初めての行事ということで緊張されている方が多いと思います。ですがこの学校ではこのような行事はとても多くなってきます。これを機に慣れておくようにしといて下さいね。
1年生には最初の行事となります。この行事は貰える報酬も普通ですが、今後のクラスの雰囲気を決める闘いとなるので頑張って下さいね。
次は生徒会副会長より注意事項の説明があります』
『生徒会副会長の壁野 一天だ。レジーナが出てくると思ったやつには申し訳ないが、生徒会副会長は2人いるんでな。
注意事項ということだが、まず今からこの新入生対抗戦のことについて学校の外部に口外しないよう魔術契約をしてもらう。ここで言う外部というのは、アルタ王立学園に所属したことがない人のことだ。
もしこの契約をしない場合その時点でそのペアは失格とさせてもらう。
次にこの対抗戦では転移石をつけてもらう。知ってる奴が多いと思うが説明しないといけないんでな。
転移石は一定の状態になった時に強制転移をする仕組みに設定してある。一定の状態とは命に問題が生じるとされる場合だ。その場合治療を行う。
アルタ王立学園での治療は大病院と変わらず植物状態くらいなら治療できるんで安心してくれ。
転移石があるので安心して全力で戦闘を行って貰って構わない
そして今回は上級生が観戦している。実力を隠すのも手だが、そこは各々の判断に任せる』
生徒会副会長は2人いたのか。それに魔術契約と転移石か。
魔術契約は情報を口外させないためか。生徒に対策を早くされてても困るしな。魔術契約をしていれば行動も強制されるし大丈夫だろう。
そして転移石か。発動しなければ問題は無いが、全員に付けるとは金がかかってんな。条件指定系は金がかかったはず。
失格の条件は一定以上のダメージラインを超えないことだが、連続した攻撃だと危ないしな。
副会長はその後も細かい注意を終えて、モニターから消えた。
『今から魔術契約を行うので全生徒了承をしてください。……確認が取れました。
次に転移石を装着して下さい。途中で故意に外した場合は失格となります。なお壊れないようになっているので転移石を狙った攻撃には意味がありません。
全ての確認が取れましたので残り5分で試合が開始されます。準備をしてください』
いよいよ戦術対抗戦が始まる。持って行けるものは所持しているものだけ。でかすぎるやつは対象範囲外となるらしい。
『それでは時間となりました。転移を開始します』
目の前が光点する。
俺たちの新入生対抗戦が始まった。




