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ぼっち陰キャの俺が超絶陽キャパリピしかいない学校に転校したらスーパーハーレム爆誕しちゃいました  作者: ぼっち陰キャ


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2/6

いきなり転校

(はる)~! 夕飯できてるよ~、食べに来て~」


 キッチンから響いた母の声に気がづいて俺は目を開けた。


 どれくらい寝ていたのだろう、部屋の中はすっかり暗くなっていて、開けっぱなしの入口からは廊下の光が差し込んでいる。


 重い体を起こし、ベッドから立ち上がり、窓とカーテンをしっかり閉じて、ゴミ箱の蓋にしていたボウルを持ってダイニングへ向かった。


 母に会うのが気まずいので廊下の角からダイニングの様子を見てみる。

 父と母がテーブルに並んで座って楽しそうに食事をしている。



「お、晴太(はるた)! なに突っ立ってんだ、早くこっち来て座れ」

「今日は(はる)の大好きなオムライスとポテトサラダもあるよ」

「メロンもあるぞ、好きだろ、メロン」


「やった」 好物しかないじゃないか、俺は喜んで二人の向いに座り、持っていたボウルをテーブルに置いた。

「なんだこのボウルは」

 

 並べられた料理はどれもおいしそうだ、まずはケチャップでニコニコマークが描かれたオムライスを食べてみよう。


 うまい! これはスプーンがとまらない。


「マッシュルームの代わりにしめじを入れてみたんだけど、どう? 美味しい?」

 俺は口をモグモグしながら頭をたてに振った。



 母さんのつくるオムライスは本当においしい、玉ねぎの甘さとトマトの酸味、ふわっと香るバターにキノコの風味、それらを包み込んで調和させるトロトロふわふわのたまご「晴太、お前に大事な話がある」

 父があらたまった口調で言った。

 俺は料理に夢中で父の目も見ずに答えた。 

「ぬぁに?(何)」 ポテトサラダも食べてみよう、うまい! 

 

「お前転校する事になったぞ」

 

 コーンの甘さがちょうどいい感じにアクセントになっ

「へ?」


 スプーンが止まる。 

 

「母さん達さっき学校に行ってたの、担任の先生と教頭先生に会って、あんたの事で色々お話ししてきたのよ」

「何で!」


「いまの高校は合ってないんじゃないかって」


「そんなことない」


「だってあんた授業についていけてないでしょ」

「それは……」

「お前運動もまったくダメらしいな」

「友達もいないらしいじゃない?」

「いつも一人で本を読んでいるんだろ?」


「……」


「先生が話しかけても目も見ようとしないし、小さい声でごにょごにょと何か言ってすぐにスーッと、どこかへ逃げていくって言ってたぞ、何で逃げるんだよ?」

「そうよ、何で逃げるの?」


「……」

 体が震えてきた。



「先生がね、晴はもっと人と関わるようにしたほうがいいって。 それでね、違う環境で過ごすのも良い経験になるんじゃないかって別の高校を紹介してもらったのよ」

「そんな事までしてくれるなんて、良い先生たちだよな」


 顔が熱くなってきた。



「場所は凄く遠いんだけどね、自然がいっぱいあって開放的で精神的にも良いだろうって」

「南国だぞ、いいなぁ、俺も仕事がなければ一緒に行きたいくらいだ」


 身体中が震えてしかたがない、強く握りしめたスプーンの柄尻(えじり)がテーブルに当たってカタカタと鳴っている。



「教頭先生の知り合いの方が理事長をやっているとか言っていたな」

「そう言ってたね、田舎だけど設備も良いし寮もあるんだってよ」

「そうそう、これから一人で寮生活って事になるけど、大丈夫なのか?」

「それも良い経験よ、食堂もあるみたいだし大丈夫でしょ」

「それなら良いな」


「ふざけるなああ!!!」俺は思いっきり直立すると同時に大声で叫んだ。

 


 父と母は驚いた顔でこちらを見ている。


「父さんにも言ったのかああ!!!」


「なに!?」

「ん!?」

 

「俺がどうしようもない変態だからかだろ!! だから捨てるんだろ!!」


(はる)?」

「ヘンタイ?」


「マンガ見ただろ!! 俺が書いた! だから遠くに飛ばすんだろ!!」

 

「何を言ってるんだお前は」


「社会不適合者だと思ったんだろ!! 手に負えないから捨てるんだろ! 島流しか!!」


「何の話をしている」

「ああ、あれの事。 違うよ! そうじゃないよ晴!」


「じゃあ何で!……何でこんな、急に…」


「ちょっと落ち着いて! 3日前にね、先生の方から面談がしたいって電話があったんだよ、都合の良い時にって。それで今日ならお父さんも早く帰れるからってことで夕方に行ってきたの」

「とにかく座れ」


 言われるままに座る。

 テーブルの下で両手を握って震えを抑えようとするが全身がガタガタ震えて止まらない。



 下を向いて黙りこんでいると気まずそうに父さんが口を開いた。


「勝手に決めた事はすまないと思っている。 突然すぎてびっくりしただろ。 お前にもちゃんと相談してから決めるべきだったな」


 俺は無言で(うなず)いた。


「でもこれはチャンスだと思うんだよ。 可愛い子には旅をさせろって(ことわざ)にもあるだろ? わかるよな」


 俺はまた無言で(うなず)いた。

 

 父は氷だけになっていたグラスの底にたまった水を飲み干した。

「まあ、明日からの連休もあるし準備はゆっくりできるぞ。 心の準備もな……。 ほら、食べろ。せっかくの好物が冷めたらもったいない」


 食欲はとっくに失せていた。


 食べかけのオムライスをスプーンですくうが、手の震えが凄くてお皿はカチカチ鳴らすしライスはポロポロ落ちるし食べにくい。

 でも食べたらやっぱりおいしくて、静かに涙があふれだした。


 

「母さん晴の趣味のことはとっても良いと思ってるよ、何でも夢中になれる事があるのは素敵な事だよね」 

「晴太の趣味って何なんだ?」

「あなたの趣味は何だっけ?」

「俺か? 俺は競馬だろ、ゴルフだろ……、ボートレース、競輪……、ん~サウナ! あとは……」

「ギャンブルばっかり」

「そんな事はないぞ、お前は何なんだ」

「私は趣味とかないから」

「そんな事はないだろ、何かあるだろう」

「ん~、あなたかな」

「よしこ……」




 * * * * * *



 1週間後。


 俺はひとり、遠い南国の空港に降り立っていた。



2話から明るくなると予告していたのによけいに暗くなってしまいました、すみません。

3話からはすごく明るくなります。

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