表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/16

2

「…確かに、クイナが襲撃されたり、シキのことを庇い立てするような行動を見る限り、こちらの情報が向こうへ流れていると考えた方が良いだろうな」


犬神使いのクイナ、そして同属でありながら離属したシキのことは、内部で極秘として扱っていた。


なのにマノンは現われる。


「能力者狩りのことと言い…。大分向こうに情報は流れているんだな」


「そうね。特に同属じゃない者の能力者の情報はトップレベルの秘密。幹部でなければ知りえない情報を、マノンは知っているんだものね」


ヒミカは深く息を吐き、前髪をかき上げた。


「ぶっちゃけ、マカの方で心当たりは?」


「残念ながら一部の幹部を除き、あとは全て私の敵だと思ってる」


「あっそ」


呆れながら肩を竦めるヒミカだが、その本意は知っていた。


現当主であり、マカの祖父は、マカが生まれてすぐ次の当主として決めた。


そこに同属達の反感はもちろんあったし、今でも完全には消えていないことを知っていた。


「でもマノンさんに加担して、何の得があるんでしょうね?」


「ああ、それは簡単なことだぞ。アオイ」


「えっ?」


マカはソファーに寄りかかり、腕を組んだ。


「私ではなく、マノンを次期当主にしたいのさ」


「マノンを? …ありえない。確かに力は強いでしょうけど、あのあり方は認められないわよ」


ヒミカは思いっきり険しい声で言い放った。


「確かにな。しかし元々ウチの同属達は、力社会だ。私が今でこそ仕方なく認められているのも、同属の中では指折りの力の持ち主だからだろう?」


「それはっ…!」


「マノンは私の対だ。力としても血縁者としても、次期当主としては申し分ないのは、アイツも同じだからな」


「…むぅ」


ふくれるヒミカの姿を見て、マカは苦笑した。


「まっ、裏切り者の魂胆は目に見えている。自分では当主になることは難しい。しかも私が次期当主では、自分は甘い汁を吸えない立場。だからこそ、マノンを利用しようとしているんだろう」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ