僕の彼女は長谷川なみ
リスナーさんは僕がいまだに童貞だと思っているようだが、僕には1年前から彼女がいる。
彼女の名前は長谷川なみ。
なみもまたニコ生で配信をしており、左むねむという名前でリスナーに知られている。
なみは大阪在住なため、千葉に住んでいる僕と頻繁には会う機会を作れないが、1か月に2,3回は二人の交通費・遊興費・ホテル代などは全額彼女の負担で会っている。
明日は、なみと念願だったレゴランドで1日中デートした後に、ラブホテルで共に夜を過ごす予定をたてている。
僕はこう見えて意外と心配性な性格だ。
「明日ってホントにレゴランド空いてるのかな……」
不安になったあきのりは急いでパソコンを立ち上げ、OPENRECで配信をしている豚饅頭の放送にひたすら連投した。
音程(65)t)明日ってレゴランド空いてる?明日ってレゴランド空いてる?明日ってレゴランド空いてる?明日ってレゴランド空いてる?明日ってレゴランド空いてる?明日ってレゴランド空いてる?
明日は空いているそうだ。よかった。
次の日、レゴランドで存分に楽しんだ僕となみは他愛もない話をしながらラブホテルへと向かった。
「なみ、いい加減に僕のことを配信でりょき君って君付けで呼ぶのはやめてくれよ。まーなとかが僕たちの関係に勘づき始めてるよ」
「あーしたちの関係って隠さないといけない物なの?こそこそしてるの、あーしは嫌なんだけど」
前を歩いていたなみが、僕の方に振り返って不満そうな顔をしながら言った。
僕には、なみとの関係を絶対に知られてはいけない理由がある。
それは、他の女配信者のめめことも恋人関係にあるからだ。
そう話をしているうちに、僕たちはホテルに到着した。
先にシャワーを浴びた僕はなみの身体にシャワーが当たる音を聞きながら、ベットに横になりある隠している秘密について考えていた。
僕にはなみに隠している秘密が二つある。
一つは、先ほども出てきた、めめことの関係のこと。
もう一つは、なみの弟である人気配信者のハコッスを監禁していることだ。
僕はハコッスが嫌いだった。いや、嫌いというよりは嫉妬という感情の方が近いのかもしれない。
僕を利用するような形で売名し有名になったくせに、僕のコメント欄はいつも「ハコッスならなぁ・・・」、「ハコッスまだかなぁ・・・」というコメントでいっぱいだった。
確かにハコッスは面白い。ビジュアル、テンプレ、企画力、学力、人間性、肌、体力、ゲームの上手さ、体重、ひとつとして僕が勝っているところはない。
この現状に耐えられなくなった僕は3月の初めに徳島県阿南市に赴き、ハコッスを割れの件でおどして誘拐・監禁という強攻手段に出たのだ。
ハコッスの周りの人間には上京して仕事を探してくるということになっている。
まさに、『完全犯罪』だ。
この事実を知れば、なみやリスナーさんなど、だれもが僕を蔑み、僕に失望を抱くであろう。
しかし、僕はこの二つの秘密についてなみが既に知ったうえで、あえて追及をしていないような感じがしていた。根拠はない。あくまでも勘だ。
今夜のなみはいつもより数段と激しい気がした。。。
続く……