夜の町⑴
前回の続きをすこし。
夜の町の様子もかきます。
武器屋から酒場へ戻りながら、俺はふと疑問を口にする。
「シエル、さっきの武器屋の人ってどんな人?あと、何歳?」
「うーん…そうだね…。いつもあんな感じだよ。24歳って言ってたかな?」
シエルは首を傾げながら答える。
「でも、武器屋としての腕は確かなんだろ?」
「そうらしいね。」
「また後で、本人に聞いてみるか?」
2人は顔を見合わせて、思わず笑った。
「そうだね、明日くらいにもう1度行ってみようか」
「あっ、あれ美味しそう!」
急にステラが飛び出してきた。ステラが指さす方向には、店に並ぶ小さなリンゴがあった。
「買ってほしいなー。いい?」
シエルは困ったような顔をして、
「しかたないな、買ってあげるよ」
と店の人にお金を渡し、リンゴを手に取る。
「ありがとー、シエル」
ステラはにこっと笑ってリンゴを貰うと、ぱくっと噛み付いた。
その後しばらく3人で町をまわっていくことになり、俺はその広さに驚かされた。やっぱり町は賑わっていて、あちこちに人だかりが出来ている。
ステラは何か魅力的なものを見つけては、シエルに買って欲しそうにしていた。シエルは少し困っていたが、上手く乗り切ったようだ。
気が付くと空は美しい橙色に染まり、海も金色に光っていた。明るく爽やかな昼とは、また違った景色だ。
空を飛ぶ鳥達がどこかへ去っていき、すぐに夜がやって来た。それでも辺りは街灯で照らされ、昼と変わらない賑わいを見せている。
「もうそろそろ戻らないとな」
俺は宝石店の前で話しているシエルとステラを呼ぶ。
「あれ、もう暗くなっちゃったの?もう少し遊びたかったな。」
と、ステラは残念そうな顔をする。
「あっ、そうだ!」
急にシエルが声を上げる。
「ん、どうした?」
「僕達が止まっている宿に来ない?まだ部屋が空いていると思うんだ」
ステラもこくこくと頷く。
「そうだな、せっかくだし一緒に行くよ」
「よし、決まりだね。戻ろう!」
空はすっかり暗くなっている。
「みてみてー、あの星きれい!」
ステラが空をさしている。俺も空を見上げてみると、砂糖を散らしたような、たくさんの星が瞬いていた。
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次回に続きます。