世界樹の町 ヒューゲル⑴
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「ここが世界樹の町か…」
俺は、初めて見る町の様子に驚いていた。
思わずため息をつく。
町の中にはさまざまな店や酒場もあるし、路上で人だかりが出来ているところもある。人間もいれば獣人もいるし、見た事のない種族だっている。誰もが楽しげだ。
俺がしばらく辺りを見回していると、近くの八百屋の店主らしき男が声をかけてきた。
「そこの冒険者さん、この町に来るのははじめてかい?」
「ああ、そうなんだ。にしても広いな!さすがは世界樹の町 ヒューゲル!今まで見た町でいちばん賑わってるな。」
「そりゃそうだ、世界樹と言えば冒険者の憧れだろ?」
「だな。俺もそのためにここへきたんだ。」
「誰でもそうだろうが、君も大事な目的とか目標とか…あるんだろ?」
「まあ…そんな自慢できるような事でもないですけどね」
店主と話しているうちに、大事なことを思い出す。町に来たら最初に行く場所、冒険者ギルドのことだ。
「あっそうだ!なあ、この町の冒険者ギルドはどこにあるんだ?」
「ああ、あれだよ。いちばん大きいあの建物さ。」
そう言って店主が指さす方向には、レンガ造りの巨大な建物があった。俺は思わず息を飲む。
「おーっ…今までと全然ちがう…。ありがとな、今度は何か買いに来るよ!」
そう言って、俺は冒険者ギルドに向かって駆け出した。