魔法適性
今日で五歳だ。
今から教会へ魔法の属性を調べに行くところだ。
「ねぇ母さん。俺はどの属性があるかな?」
「そうね、親の属性を引き続ぐことが多いのだけどまだわからないわ。」
「へぇそーなんだ。何の属性になるのか楽しみだね!」
「そうね♪」
教会につくと、周りには俺と同じくらいの子供とその親がいた。
俺に気がついた何人かの子供がちかづいてきた。
まず話しかけてきたのはいかにもガキ大将のような男の子だ。
「おい!お前名前は?」
「カケルだよ。君は?」
「俺はダイナだ!」
「お互いいい結果が出るといいね。」
「まあな!」
次はちっこい男の子が話しかけてきた。
「こんにちはぁ。僕の名前はリンズだよぉ」
「ああ、俺はカケルだ。よろしくな!」
「うん!頑張ろうねぇ」
なんかこうリンズはおどおどしてるな。
しゃべりるとき少し語尾が延びてるのがさらにそういった印象を強めてる。
次は女の子二人組だ。
顔が似てるしたぶん双子だろう。違うのは髪の長さだな。片方が肩まででもう片方は腰ぐらいまである。
「こんにちは!あたしはオレンよ!」
「わたしはカミンです。」
紛らわしいな。髪のが短く活発な方がオレンで
髪のが長くておしとやかな方がカミンか。
「双子なのか?」
「ええそうよ。すごいでしょ!」
「そうだな。二人も属性を調べに?」
「はい、そうです。」
「お互いいい属性が出るといいな。」
「ええそうね。」
しばらく四人と話していると教会の扉が開き中から神父が出てきた。
「さぁ皆さんお入りください。属性検査を始めますよ!」
子供たちが親と一緒に教会へ入り始めた。
ついに始まるのか・・・オラワクワクすっぞ!
やっと俺の番がきたか。
「これはこれは、ハーノス男爵家のエルヴィス様とミーリア様それで今回はカケル様の属性検査でしたよね。」
「ああそうだ。・・・と、カケル頑張れよ!」
「うん!」
「ではカケル様。こちらの水晶に手をあててください。」
やべぇ緊張してきた。深呼吸、深呼吸
スゥゥーーハァァーースゥゥーーハァァーー
よし!
・・・あれ?何も起きないんだけど?
前に並んでたやつらは水晶が光ってたのに俺の光らないんスけど?
えってか誰も何も言わないんだけど・・・
「・・・はっすみません。どうやら水晶が壊れてたみたいですね。属性が無いなんて聞いたことがありませんし・・・」
なぁーんだ壊れてたのか。
良かったー。ヒヤヒヤしたぜ・・・
「これが新しい水晶です。もう一度手をあててください。」
・・・あれ?やっぱり反応しないんだけど?
「おい、これはどういうことだ?」
「・・・はい。大変言いにくいのですがカケル様には属性が無いようです。」
「属性が無い?そんなことあり得るのか?」
「いえ、私は長年神父をやって来て一度も見たことがございません。」
「そうか・・・」
父さんが難しい顔をしているがそれどころじゃない。
ヤバい属性無かったら魔法使え無いじゃん。
魔法で無双したかったのに!
俺は呆然としながら家へ帰った。
大丈夫です。
魔法適性は有りませんでしたが、ちゃんと無双します。