1/9
いつもと変わらぬ風景
ふと目が覚める・・・すると夢の異世界!
なんて事はなくいつもの病室だった。
そう俺、相沢翔は怪我人なのだ。それも軽い骨折等ではなく、下半身が動かなくなるほどの重い怪我だ。
中学の頃は陸上部に所属していた。それなりに活躍もしていたし、入った高校も陸上の推薦で入ったほどであった。
だが高校二年の夏休み、信号無視して突っ込んできた乗用車に跳ねられた。打ち所が悪かったらしく下半身が動かなくなり、ずっと入院生活だ。
でも乗用車で良かった。トラックだったらヤバかった。うっかり異世界転生するとこだったぜ!
命があるだけ良かったと思うべきなのだろうが一つ諦めきれないことがある。
『また全力で走りたい』
そう願った瞬間視界が光に包まれた。