FILE.6 ENJOY
僕は冷や汗を垂らしながら、後部座席の方を見ると 多分、3〜4歳位の少女だろう。そいつが僕の右肩に噛み付いていた。
僕はかなり焦ったよ、まさか 鍵のかかってる車に何かが乗っているなんて思わないからね ましてや、噛みつかれるなんて しかも
人間に。
正直な事を言うと、僕は内心ホットしている。
なぜなら、噛みつかれたのが人間であり
しかも 3〜4歳位の女の子。 周りを見渡してもこの子の両親はいなさそうだ(両親なんかいたら車は貸してもらえなそうだし。僕をサイコパスとか思って襲ってきそうだし。まぁ、この格好じゃ無理ないが。) とにかく、安心した
まだ 噛み付いてる女の子をチャイルドシートに座らせると強めにシートベルトを締め
アクセルを踏んだ。車でゾンビ達を四方へ吹っ飛ばしながら 入り口まで走った。
入り口付近ではゲインが作ったであろう
ゾンビちゃんタワーがあり、辺りは緑の液体まみれだった。
『ゲインくん お疲れ様! いい車見つけたから行くよ! これなら大通りだって全然大丈夫だよ』「あ…あぁ、 これなら大丈夫だな」
ゲインを助手席に乗せると 一気に外に出た。
ホテル前の道を進み 大通りに出ると、エンジン音に気づいたゾンビ共が一斉にこっちを向いた。 『ボウリングでも楽しもう』
車はものすごいエンジン音をたてながらゾンビの群れに突っ込んだ。現在地から武器の店までは150mほど行ったところで たどり着くのにさほど時間は掛からなかった。
それもそのはずさ、なんたって僕の見つけたのは
装甲車だからね。 (ますます 両親がいなくて助かった。 装甲車乗ってるなんて、絶対強そうな人じゃないの)




