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劉備玄徳
漢王朝の再興を目指し戦った劉備も、義兄弟の死の精神的苦痛、さらに病気ものしかかり、
白帝城にて死んだ。
歴史は流れ1554年日本。
「ここは・・・」
死んだはずの劉備は目を覚ました。
一面の草原。いったいここはどこなのか、なぜ自分が今いるのか・・・
あてもなく劉備は、灯がある方向へ歩き出した。
灯は城下町であった。
「珍しい形をした建物だ・・・」
珍しい服装をしていたからか、
ある男の目にとまった。
「そこの物。名はなんと申す?」
「朕は漢中王の劉備だ」
劉備・・・聞いたことのない、珍しい人名にその男はさらに興味心をもった。
それに漢中王とはなんであろうか・・・
「劉備殿、詳しくお話を伺いたい。城へ参ってはくれぬか?別に怪しいものではない。
私は太原雪斎と申す。」
行く当てのない劉備は、雪斎とともに城へ向かった。