第11集 夢の木の下で
2026年1月3日
『故郷』
帰る場所などとっくに無くしたと言ふのに
不思議と悲しいとは思えない私がいた
泣きたくなる様な空を見上げ、ため息1つ
今日という一日終えて明日を生きてゆく
それは強さではなく、打算かもしれない
今日を生き抜いた事を私自身が称賛する
私は強くはない……だが、弱くはないのだ
1月6日
『夢の跡』
朝起きれば訳も分からず泣いていた
苦しい気持ちに胸が潰れて
乾いた涙の跡が枕にシミをつくる
自分の中のドロドロとした黒い感情が
涙という 透明な液体になって
体の外に出てゆくのだ。
それは自浄作用 だ、生物として備わった
混沌とした胸のうちが激しく燃えて
後には灰と水が残る。
悲しみは癒されやがて
心の中の土に帰り
きっとその後にまた喜びや
嬉しさが咲くのだろう
涙の跡は塩気があって
不思議と海の気配を感じる。
こうして私の心は何度も死んで
再生し生まれ変わるのだ。
断片的に残った夢は
昨夜の混沌を伝えていて
美しくもあり 物悲しくもあり
おぞましくもある。
灰の中から生まれた私は
今日という1日を生きる。
涙の朝がなければきっと
生きてはいけなかっただろう。
眩しい朝日の中で
私は蘇生し生まれ変わる。
『春の夢』
うららかな春の光に
目に映るは幻想郷
白い吐息に霞んで
優しく薫は梅の香り
だったのだろうか……
君の声が幻の様に
遠く聞こえた気がするが
ただ君の姿を探して
辺りを見回し
春の優しい光景に
君がいないと
寂しき胸の音だけが
静かに響いた気がする
嗚呼、
うららかな、うららかな……
『夢の色』
夢には色がないというけれど
夢の中に咲く花はいつも鮮やかに
私の心に咲き誇る。
その鮮明な色合いが心に響き
目覚めた後にも余韻として残るのだ。
現実の世界はどこか 灰色、
色があるのに色を認識できない。
そんな中でふと思い出す。
鮮やかな夢の色を……
1月8日
『醜悪』
心にポタポタと
滲み出す色彩の
一滴の光も無し
苦しさの中の色
混ざりあふ悪意
響きあう憎しみ
怒り混ざり合う
心の中の姿よ!
『寒さの中』
雪
降る
寒さよ
嘆きとて
涙すら凍り
夜の底震えて
ただここに私は
いるのだと1人で
私自身を抱きしめて
生き続ける泣きながら
それでも強くおもひ
1人の夜は過ぎる
夜明けを待ちて
鳥の声がする
明星の光が
かがやき
ひかる
ああ
朝
『真っ白』
外は真っ白曇る硝子
溶けてゆく視界の中
ぼんやりと 外を見る
まだまだ降り続く空
雪は全てを覆い隠す
こたつの中で温もり
ただ白く、ただ 白く
雪景色に包まれる。
1月9日
『君を想ふ夜に』
星
の夜
冷たき
風に舞う
きらめきは
辛い気持ちを
夜風に溶かして
寂しさをいやして
くれるこんな夜には
君の声が聞きたいです
君は何よりも美しい
柔らかな光の様に
僕を包み込んで
癒してくれる
大切なひと
愛してる
何より
君は
光
『うどんを一杯』
お湯の中で混ざり合い
一つの出汁ができるみたいに
私とあなたも一緒になって
幸せな日々を築けたらな
なんて思いながら温かな
湯気の向こうあなたの顔を
そっと眺める。
白い吐息と柔らかな食感と
あなたと一緒に食べる幸せ
1月10日
『宝物』
心の奥底にしまい込んだ
自分だけの宝物
誰にも見せたくなくて
誰にも触れて欲しくなくて
美しい美しいそれは大切な
あなたの言葉
愛おしさでくるんで
記憶の底にそっとしまう
誰にも見られたくなくて
2人だけの大切な思い出
この宝が盗めないのは
知っているけど
心の鍵をかけた
『恋愛歌』
月
灯り
の夜に
歌う鳥は
君の声の様
のはらに響き
声は光となって
愛を伝えてくれる
しあわせが必ず来る
逢いたい想いがつもり
いますぐに行きたい
ただ君の事が好き
いまでも永遠に
想いつづける
いつまでも
君のこと
恋して
愛の
歌
1月12日
『花を一つ』
今日も良かったことを一つ数えよう
きっと心の中に小さな花が咲くから
喜びの花が 一つまた一つ心に咲いて
やがて心の中は美しい花園になるだろう
きっと花は涙を飲み干して、
悲しみを癒してくれるに違いない
苦しみでできた土壌を喜びの花で
埋め尽くしてくれるに違いない
『母子』
泣き疲れ眠る子供
抱きしめ歌う母
子守歌は夢の中へ
誘いけるかな
ぬくもり心地よく
幸福な時はすぎ
1月13日
『残月』
夢見る朝に
空に残る白い欠片
凍てついた世界で消える事なく
浮かんでいる小さな月の小舟
夜の余韻がまだ残る。
昨日の夢の残骸を
訴えているかの様に
淡く淡く空に溶けゆく。
今日という日は
とっくに始まっていて
だがそれは、
まだ覚めぬ夢の欠片を
この世界に残し
淡く灯るのだ。
1月14日
『生きる』
哀しいと言うこと
嬉しいと言うこと
嘆き喜び歌い叫ぶ
私は生きているのだ
この世界で、
辛さも優しさも
全て内包して生きているのだ
1月17日
『夢想』
鯨になって飛んで行く
私は無限の空を
どこまでもどこまでも
行き着く果てなどない
世界には終わりがないのだ
夢の果てにはきっと
美しいものがあるに違いない
心の中で願いながら
だが醒めてしまう夢など
初めから見たくはない
鯨になって飛ぶ空に
無限の世界を望んでいる
1月18日
『人生』
大変美味しい人生でございました。
苦さも渋さもたっぷりとございました。
哀れなる悲しみも、
どうしようもない憐れみも、
山のようにございました。
あゝ、それでも幸福なのでございます。
花のように幸せだったと
胸を張って言える
人生なのでございます。
1月20日
『太陽の花』
日の光を浴びて
私たちは成長する
溢れんばかりの
強さをもらって
大地に根を張り
風に倒れぬ
強さを勝ち取って
そうして生きてゆくのだ
これからも
この先も
ずっと、ずっと……
『千年の恋』
千年経ったらお会いしましょう
千年経ったら貴方のおそばに
ですから、どうか待っていてください
どうかそれまでの間、私を待っください
ほんの少しの時間です。
桜が千回咲くほどの、
この世界がなくなったって
必ず必ず、会いに行きますから
蝶になって花になって
会いに行きます
1月21日
『夢の木の下で』
夢の木の下で
またお会いしましょう
夢見る世界は
あなたが思うほど
優しくはないのですが
目を開けて戦う世界は
とても辛いことばかり
ですから今宵もまた
夢の世界で
お会いしましょう
夢の木の下で
私は小さな水滴になって
世界を駆け巡るのです
夢の木の根元に
いらしてください
私はそこにいます




