第10集 手のひらの温もりを
12月16日
『手のひら』
あなたの手をにぎる
冷え切った手のひらは
あなたの心の様に
何処か人を
拒絶している様だった
私の手のひらで
包み込んで
温めてあげたい
冷え切った心に
ぬくもりと心地良さを
感じていてほしい
手をとりあって
二人で生きていけたなら
それは、どんなに
素晴らしいだろうか
12月17日
『朝焼け』
雨上がりの朝焼けは透き通った色をして
水面に映る空は鏡の様に全てを映し出す
眠れぬ夜の涙の朝、苦しみが消えてゆく
夜明けの空生まれたばかりの街をあるく
冷たい夜風がほほをなでて、朝日は囁く
こんなに美しい光から今日が始まるのが
只々、泣きたくなって私は歩みを止めた
12月19日
『答え』
あなたのことを想ってます
答えなど出ないのに
いつも不安そうなあなた
泣くのずっと こらえて
一人で膝を抱えているあなた
あなたの力になりたくて
ずっと待っています
あなたなりの答えが出たら
どうかここまで歩いてきてください
それが無理ならば
私が歩いて迎えに行きましょう
『夜景』
夜の海はひたすら暗い
唸る波の音が恐ろしく
白い波が陸へと向かい
岸辺に打ち付けられて
ただただ、消えてゆく
遠くの街灯りは眩しく
雪の季節を忘れさせる
あの灯りの向こうには
温かい家族の声が愛が
あるのだろうかと望む
12月20日
『おやすみなさい』
素晴らしき
夜の灯りに溶けてゆく
穏やかなる疲労は
暖かな ぬくもりと
幸福を連れてきてくれる
ベッドの上でまどろみながら
明日のことを考える
きっとそれは柔らかな
希望に満ちていて
今日という幸福が
明日というものを生み出して
いるのだろうと考える
悲しみに満ちた夜もあれば
幸福な気持ちに包まれる晩もある
優しさの明日と
頑張った今日という1日に
乾杯!
『明日を迎える力』
死にたい気持ちで一杯だったのに
ほんの少しの楽しい記憶が
そんな気持ちを打ち消して
今日を幸福な一日に変えてくれる
泣いていたのが嘘みたいで
今日を終えることができるなら
それはきっと幸福なことで
明日への原動力となるのだろう
うまくいかない日常を
それでも乗り越えて行ける力は
一瞬の笑顔かもしれない
力いっぱい生きていて
死にたくなるような事もあるけれど
それでも一瞬の笑顔できっと明日へ
向かっていけるだろう……
12月21日
『朝の歌』
素晴らしき日常が
夜明けとともに広がってゆく
暁の光はただ穏やかに
今日という1日の始まりを告げる
鳥たちの歌う声が
1日の始まりを、その喜びを
讃えているかの様だった。
悲しき心は朝焼けにとけ
冷たい霜が大地を覆い尽くす
それはやがて朝日に反射し輝いて
美しき結晶となりこの世界を形作る
ただ生きている喜びが
朝の始まりとともに訪れて
苦しき胸のうちは
柔らかく溶けてゆく
夜が悲しみを癒すのなら
夜明けは喜びをもたらすのだろう
世界は優しく色を取り戻し
始まりをつけるのだ
『贈り物』
あなたに送れるものは
ほんの少し かもしれないけれど
私のできる限りをあなたに
送りたいと思います
それは記憶のかけらだったり
両手でもてる限りの愛情だったり
もっと形のないものかもしれません
うまく言えないことばかり
私もとても不器用です
けれどあなたに送れるものを
送りたいと思います
12月23日
『いつもの死にたい朝』
泣いてる夜の後に
やってくるのは
いつも死にたい朝
眩しい太陽が憂鬱で
ずっと目の前は
太陽に目を焼かれたみたいに
真っ暗になるの
頑張っているのに
サボってばかりと思われて
辛いけど涙すらもう出ない。
あなたの基準で測らないで
心が映像になって見えたらいいのに
ほら世界はこんなにも暗い
12月24日
『プレゼント』
あなたに贈りたいものがある
それは形の無いものだったり
些細な出来事だったり
するかもしれないけれど、
どうかあなたの心に
留めておいてほしい
私から贈れるものはほんの少し
かもしれない
でも、覚えておいてほしい
あなたの心に留めておいてほしい
いつかあなたの力になると思うから
12月26日
『春待』
冬の空は淡い色、
涙の色に似ていると
思ふのは私だけだろうか……
泣き明かした今年
蒸発して消えてしまった
涙が空に染み込んで
この色になった様な気がする。
年の瀬の空っ風、
冷えきって何もかも
凍りつかせて吹き抜け
心の底に沈殿した
嫌な思い出すら吹き飛ばして
どこへともなく吹いて行く
乾いた涙の行く末は
風の向くまま気の向くまま
どこへともなく飛んで行き
心は空っぽうつろなままで
冷え切った瓶のよう
そこにほんの微かに
差し込むのは
柔らかな冬の朝の光だろうか。
氷のように透明に
透きとおる心の中に
ほんの少し反射する光は
いずれやってくる春を
待っているかの様だった。
『寒波の夜に』
痛いほど寒い夜は
月明かりが白い息に霞む
君からの着信音
声が寒空に響いて
頬が紅く染まる
寒さ故に染まったのか
君の声に胸が高鳴ったのか
こんな寒い夜に
震える指先と弾む声
冷たさのなか
心臓ばかりが高鳴った……
12月27日
『さよなら、またね』
夕焼けに染まる町を見下ろした
もう二度と帰ってこないかもしれない
それだというのに心に湧き上がるのは
別れの寂しさよりも苦々しい苦しみ
楽しい思い出はどこか霞んで
存在したのだろうか思い出せないほど
混沌とした感情に飲み込まれる
いつか帰ってくるのだろうかこの町に
『サンタの憂鬱』
子供達に贈りたい
喜びを、幸せを、笑顔を
悲しい思いをしている
子供達を見るのは
あまりにも辛いから……
私にできることは
限られていると思う
だからできる限りを
子供達に贈りたい
聖なる晩に、悲しむものが
一人でも少なくなりますように
12月30日
『あかり』
街あかり ポツン
きっとあそこには
誰かの幸福があるのだろう
知らない家庭があって
誰かの笑顔があって
きっと笑い声が聞こえる
幸福はあかりとともに
人の営みと共に在り続ける
たくさんのあかりと
たくさんの笑顔
……いいや、笑っていなくとも
明かりは灯り、あかるく照らす
命そのものの証明だ
12月30日
『寒椿』
冬の寒空と紅い寒椿
震える指先を息で温めて
あの人を待っている
雪の降る空は灰色で
ただ花の色だけが鮮やかに
瞳に映っていた
12月31日
『月明かり』
私の光で淡く彩られし世界や
悲しみにくれているものにも
喜びで満たされてたものにも
私はおなじように語りかける
貴方の悲しみが癒される様に
貴方の喜びがずっと続く様に
穏やかな光が届きますように
ただ祈りの思いを込めながら
2026年1月1日
『日常』
何もかもがちぐはぐで
合わないと感じるのよ
私のために出来てない
世界の中で生きている
皆そうだと言うけれど
とてもそう見えないの
どう言えばいいかしら
ピタリと合わない世界
ずれた認識、歪な日常
うまくごまかしている
けれどとっても苦しい
日常毎日の中それでも
なんとか生きているの
2026年
1月3日
『夢で会いましょう』
1
夢の中でお会いしましょう
この世は寂しい事ばかり
泣きたくなる様な日常で
それでも貴方の事を思って
わたくしは生きております
2
あゝ……夢々、夢見るのは
貴女の言葉かりなのです
この世は辛いことばかり
ですからどうぞこの事を
僕の言の葉に変えて
貴女に届けましょう
『雪夢』
雪明かりの下で
1人ダンスする君は
果たして人なのだろうか
淡く輝く雪の上
今にも消えそうな
君の姿が見える
僕は夢を見ている
のかもしれない
夢の中で君は
朝の光にきらめいて
結晶が解けるように
蒸発してしまう
あぁ、なんだ
やっぱり夢だったのか
君はもう死んで
この世界にいないというのに




