No.3
成人の年、お母さんとお父さんが僕にある言葉を贈ってくれたの。
僕はそのときどんな会話をしたのか詳しいことまでは覚えていないけれど、これだけは言える。
今でもずーっと僕の奥深く残っている大切な言葉なんだってこと。
でも、どんなに大切だと思っていたとしても時が過ぎてしまえば
上流から下流に流れてくる石のようにだんだん小さくなって・・・。
砂粒になりやがて潮にさらわれてどこかに消え去ってしまうんだろうね。
残念なことに人ってそういうふうにもともとつくられているからさ。
だからこそ、そんな言葉を僕はここに書き残しておきたい。
いつでも、思い返せるように。
あるいは、誰かにこの言葉が届くようにって。
そんなことを僕は思っているんだ。
そのとき、お母さんが贈った言葉はこれ。
「心が大人の人は、大人の顔をしている。心が子どもの人は、子どもの顔をしているのよ。」
初めて言葉を聞いて、僕は思わずうなずきながらそっとつぶやいた。
でも、なんだろう…ね。
心の中がほんの少しだけチクッとしたような??
さて、次は当時、お父さんが僕に贈った言葉だね。
たしか、あのときの言葉はこんな感じだったと思うよ。
「大人ってなんだか知っているか?大人ってね、大人になろうとするから大人であるんだ。大人になろうとしない人はいつまでも子供のまんまなんだよ。金魚のように口をパクパクして餌を待っているだけじ立派な大人になったとは言えないよ。これからも、がんばってな」
そう僕に語って、お父さんは僕の頭をくしゃくしゃと撫でたんだ。
そんなふうに、あの日の言葉を思い返すたびに、
「じゃあ、僕はどうなんだろう?」って考えるようになった。
自分の欲望のままに突き進むのは、まだ子どものままの大人。
一方で、自分の心をちゃんと律することができる人は、やっぱりかっこいい大人。
頭ではわかってる・・・でもそれが難しい。
今まで積み上げてきたものを一回壊して、
組み立てなおして、再構築するのって、やっぱり難しいんだよね。
でもさ、いまこのとき、この瞬間をどうするかは
その人の生き方だから、どっちでもいいと思うんだよね。
ただ――ほかの人に迷惑さえかけなければ、だけどね!!!
完
「NO.3」
大人になるって、きっと終わりのない旅みたいなものなんだろうね。
それでもね。
僕は、自分の足で、自分のペースで進んでいこうと思うの。
うまくいかない日も、迷う日もあるけど、それでもいつかは・・・。
僕は僕なりの「かっこいい大人」を目指していきたい。
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