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転生先は量子の彼方!?次元を超えたハードライフ革命  作者: 成瀬アイ
[第一章]俺、データになりました!?
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第一章 第十九話「交錯する意志」

遅くなりました_(._.)_

暗闇の中、わずかに聞こえる足音だけが俺たちの存在を証明していた。エリスは小型のライトを取り出し、慎重に周囲を照らす。だが、光はあまりに弱く、この広大な空間の全容を把握するには程遠い。


「智也、ここは一体どこなの?」


「さあな…。でも、さっきのパズルがこの場所への扉を開いたんだ。何か意味があるはずだ。」


俺の言葉にエリスは小さく頷き、さらに奥へ進んでいく。周囲には巨大な柱のようなものが無数に並び、天井は遥か上の闇に消えている。


「…なんか、嫌な感じがするな。」


「私もよ。まるで、誰かに見られてるみたいな…」


エリスの声が途切れると同時に、どこからか微かな金属音が響いた。その音が次第に大きくなり、周囲の柱の隙間から何かが動いているのがわかる。


「敵か!」


俺は剣を構え、音の方向に目を凝らした。だが、柱の間をすり抜けるその影は速すぎて追いきれない。


「エリス、下がれ!」


叫ぶや否や、柱の一つが突然大きく揺れ、そこから巨大な蛇のような機械生物が姿を現した。


「でかいな…。」


俺たちの前に立ちはだかるその機械生物は、まるで生きているかのように滑らかな動きを見せる。全身を覆う金属の装甲は光を反射し、まるで星々が瞬くように輝いていた。


「どうする、智也?あんなの倒せるの?」


「やるしかないだろ。」


俺は剣を振り上げ、距離を詰める。だが、その瞬間、機械生物の尾が音を立てて振り下ろされ、俺は間一髪でそれをかわす。


「くそっ、速い!」


尾が地面に叩きつけられるたび、金属音が空間全体に反響する。その圧力は尋常ではなく、まともに受けたら一瞬でやられるだろう。


「エリス、弱点を探してくれ!」


「わかったわ!」


エリスは急いで装置を取り出し、機械生物の動きを分析し始める。一方で俺はその注意を引きつけるべく動き回った。


機械生物の動きは予想以上に複雑で、攻撃のタイミングをつかむのが難しい。それでも、わずかな隙を見つけ、剣を振り下ろすが、装甲に弾かれてしまう。


「ちっ、硬すぎる!」


その時、エリスが叫んだ。


「智也!背中に小さな開口部があるわ!そこが弱点かもしれない!」


背中…。だが、その部位は高すぎて、どうやっても直接攻撃するのは難しい。


「どうする…何か使えるものは…」


俺は周囲を見渡し、柱の配置に目を留めた。高さは十分だ。あれを利用すれば…。


「エリス、柱を使う!」


「えっ?そんなの危険すぎるわ!」


「でも、やるしかないだろ!」


俺は柱の一つに向かって全力で走り出し、勢いをつけて登り始めた。機械生物がそれに気づき、尾を振り上げて追いかけてくる。


「くそ、間に合え…!」


柱を駆け上がる途中で何度もバランスを崩しかけるが、そのたびに必死に体勢を立て直す。そしてついに、柱の上部にたどり着いた。


下を見ると、機械生物が尾を振り上げ、次の一撃を放とうとしている。


「今だ…!」


俺は柱から大きく飛び降り、機械生物の背中を目指して剣を突き立てた。その刹那、装甲が割れ、中からスパークが飛び散る。


「よし、効いてる!」


だが、機械生物はそのまま倒れず、激しく暴れ始めた。


「智也、しっかりして!」


「わかってる!」


俺は必死に剣を引き抜き、もう一度突き刺す。そして、ついに機械生物が動きを止めた。


「やったか…?」


慎重に距離を取ると、機械生物は完全に沈黙し、動かなくなった。


巨大な機械生物が動きを止めたことで、わずかな安堵が訪れるかと思ったその瞬間、柱の陰から複数の影が姿を現した。


「やれやれ、休む暇もないな…」


俺は深呼吸を一つ入れ、エリスに小声で囁く。


「エリス、さっきの機械を解析した時に何かヒントになりそうな情報はなかったか?」


「うーん…部品構造は何かのパターンに基づいて設計されている感じだったけど、具体的な動きまでは解析できなかった…」


「パターンか…それを使えれば攻略の糸口になるかもしれないな。」


再び戦闘態勢に入った俺たちに向かって、今度は4体の機械生物がゆっくりと包囲を形成するように移動を始めた。


「これ、囲まれたら厄介ね。」


エリスが後ろに下がりつつ、再びデバイスを操作し始める。俺はそれを援護する形で、機械生物たちの動きを観察した。


「一体ずつ、確実に倒すしかない。エリス、時間稼ぎがいるか?」


「そうね、ちょっと時間をちょうだい。」


「了解。」


俺は一番近くにいる機械生物に向けて飛び出し、相手の注意を引いた。振り下ろされた尾を紙一重でかわしながら、その動きを観察する。


「ふむ、こいつも背中が弱点か?」


前の戦闘での経験からそう考えたが、攻撃の際に露出する箇所は微妙に異なっていることに気づいた。動きも前の個体よりやや遅いが、その分攻撃範囲が広い。


「エリス、後どれくらいだ!」


「あと10秒!持ちこたえて!」


間髪入れずに二体目の機械生物が俺に向かって突進してきた。左右にステップを踏みながら、二体の攻撃を同時に回避する。


「ったく、容赦がねえな!」


エリスが解析を終えたようで、大声で叫ぶ。


「智也!胴体部分の光るラインがエネルギーの供給元みたい!そこを断てば動きが鈍くなるはず!」


「了解!」


俺は剣を構え直し、胴体のラインに狙いを定めた。二体の機械生物が同時に攻撃を仕掛けてくるタイミングを見計らい、一気に懐に飛び込む。


「うおおおおっ!」


剣を振り下ろすと、金属の軋む音が響き、胴体のラインが切断された。途端に一体の動きが鈍くなり、その場に倒れ込む。


「よし、いける!」


残り三体も同様の方法で弱点を突けば倒せる可能性が見えたが、それでも油断は禁物だ。これまでの戦いの中で何度も「次の一手」があることを思い知らされている。


「エリス、次の解析に備えてくれ。奴らのパターンを徹底的に洗い出すんだ。」


「了解!でも、もう一回だけ守ってよ!」


「まかせとけ!」


戦闘が続く中、俺の中で一つの疑問が浮かび上がる。これらの機械生物は単なる守護者として存在しているだけなのか?それとも、この空間そのものに何か意図があるのか?


「この場所は一体何を守っているんだ?」


呟いた言葉に応えるように、柱の一つが青白い光を放ち始めた。その光は周囲の柱に次々と広がり、空間全体を青白い輝きで包み込む。


「エリス、何かが起きている!」


「これ、ただの戦闘だけじゃない…何かもっと大きな仕掛けが動き出したんじゃないかしら…」


戦闘の激しさの中で見逃していた「もう一つの戦場」があるように感じた。


「なら、この仕掛けを止めるための手がかりを探す必要がある!」


俺たちは目の前の戦いに集中しながらも、この空間全体に潜む意図に少しずつ近づいていこうとしていた。

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