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転生先は量子の彼方!?次元を超えたハードライフ革命  作者: 成瀬アイ
[第一章]俺、データになりました!?
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第一章 第十四話「ボイドの試練」

一章はテンポよく進めていきます

二章からは量子ゲームとかの本質に迫っていく感じですね

目を覚ますと、目の前には広大な荒野が広がっていた。乾いた風が肌を撫で、地平線の向こうには黒い稲妻が走る。空はどこまでも鈍色で、太陽の光は見えない。


「ここは…どこだ?」


俺は立ち上がり、周囲を見渡した。エリスもすぐ近くで目を覚まし、同じように周囲を警戒している。


「また新しい場所に飛ばされたのね。これがボイドの試練ってことかしら?」


彼女は少し苛立ったように呟くが、その声には覚悟も感じられた。俺たちはこれまでの試練を乗り越えてきた。それでも、目の前の荒野が何を意味しているのか、まったく分からない。


「智也、あそこを見て。」


エリスが指差した方向に目を向けると、地面に奇妙な光るラインが描かれているのが見えた。それはまるで迷路のような形状をしており、ところどころで輝きが強まったり弱まったりしている。


「これが次の試練の鍵か?」


「ええ、でも…このラインがただの地図だとは思えないわ。」


俺たちは光るラインに近づき、慎重に観察した。すると、ラインの中に文字のようなものが浮かび上がってきた。それは、まるで古代文字のような形をしており、何かの暗号であることは明らかだった。


『知識をもって進め。無知は迷宮へと誘う』


「知識…暗号を解けってことか。」


俺はラインに刻まれた文字をじっと見つめる。その一部は読み取れるものもあれば、全く分からないものもあった。だが、文字の並びや繰り返しのパターンを観察すると、少しずつ規則性が見えてくる。


「この文字、特定のアルファベットや数字に対応しているみたいだな。」


「つまり、暗号を解読して正しい道を選べってこと?」


「そうだな。ただ、このラインのどこが安全な道かを間違えれば、罠に引っかかる可能性がある。」


エリスと俺は協力して解読を進めた。だが、文字が進むにつれて、暗号はさらに複雑になっていく。


「ここまで解けたけど…これが正しい道だって、確信があるわけじゃない。」


「でも、進むしかないだろ。」


俺はエリスに頷き、ラインの上に足を踏み入れた。ラインの輝きが俺の一歩ごとに変化していく。


「やっぱり…間違いがあれば反応があるみたいね。」


エリスも慎重に俺の後に続く。その時、遠くから不気味な音が聞こえてきた。


「……お前たち、本当に正しい選択をしているのか?」


ボイドの声だ。どこからともなく響いてくるその声には、明らかな挑発が含まれていた。


「何が正しいかなんて分かるわけないだろ!けど、俺たちは進むしかないんだよ!」


俺は苛立ちながらも、足を止めることはなかった。


やがてラインの先に、巨大な石碑が現れた。それは荒野の中心にそびえ立つようにして存在し、頂上には何かが光っている。


「次の手がかりはあそこね。」


「ただの石碑じゃなさそうだな。罠が仕掛けられている可能性もある。」


石碑の表面にはまたしても暗号が刻まれていた。だが、今回の暗号は前よりもさらに難解だ。


「この文字、さっきのラインとは違う規則性があるみたいだわ。」


エリスが細かい文字を指でなぞりながら分析する。俺も彼女の言葉に従って、文字の構造を読み取っていく。


「ここに書かれているのは…『答えを導き出すためには過去を振り返れ』だな。」


「過去…これまでの試練で見たもののこと?」


「そうかもしれない。あの彫刻や、これまでのヒントが関係している可能性がある。」


俺たちは記憶を辿りながら、石碑に刻まれた暗号の答えを導き出そうとした。だが、その作業中、突然周囲の空気が変わった。


「智也、気をつけて!何か来るわ!」


石碑の後ろから、巨大な影が姿を現した。それは異形の存在であり、まるでデータの塊が実体化したかのような形状をしていた。


「こいつが…ボイドの出した刺客か!」


俺は武器を構え、エリスも魔法の準備を整える。


「暗号を解くのも重要だけど、まずはこいつを片付けないと!」


「ええ、行くわよ!」


俺たちは異形の存在に向かって突進し、戦いが始まった。


異形の存在はその場に立ちはだかり、こちらを睨みつけるかのように微動だにしない。その体は無数の粒子で構成されているようで、光が反射し、その輪郭がぼんやりと揺らめいている。


「どうやら簡単には進ませてくれないみたいね。」


エリスが冷静に状況を分析しながら構えを整えた。その瞳には覚悟の光が宿っている。


「エリス、この敵…動き方が一定じゃない。何か見極める必要がありそうだ。」


俺は剣を握り締め、相手の動きを注視した。異形の存在が突然、音もなく動き出した。まるで空間そのものを捻じ曲げるかのような滑らかな動きだ。


「まずは様子を見るぞ!」


俺は慎重に間合いを詰め、敵の動きを観察した。すると、やがて規則的に光るその体の一部が、明らかにエネルギーの流れを示していることに気がついた。


「エリス、あいつの胸のあたりが光るたびに、動きが変わるみたいだ。攻撃のタイミングを読めるかもしれない!」


「分かったわ!でも、そこの部分に攻撃を集中させないと倒せないかも!」


エリスは呪文の詠唱を始め、俺は敵の動きに合わせて突進するタイミングを計った。しかし、相手はそれを見透かしたように、俺の進路を遮るような攻撃を仕掛けてきた。


「くっ…!」


間一髪で剣を構えて防御するも、衝撃が全身に走る。相手の一撃は強烈で、まるで空気そのものが俺を押し潰してくるかのようだ。


「智也、大丈夫!?今の攻撃、まるで空間を切り裂いているみたい…無理に近づくのは危険よ!」


「分かってる!でも、手をこまねいてたらやられるだけだ!」


俺は痛む体を押して立ち上がり、もう一度敵の動きを見極める。エリスが放った魔法弾が敵の体をかすめ、わずかにその形状が揺らいだ。


「やっぱり!エネルギーが集中している部分に攻撃を当てれば効果があるわ!」


「なら、一気に決めるしかないな!」


エリスが俺の言葉に頷き、さらなる魔法を準備し始める。その間、俺は敵の注意を引きつけるためにわざと大きく動き回った。


「おい、こっちだ!来いよ!」


異形の存在が俺に向かってその体を振りかざす。その瞬間、エリスの呪文が完成した。


「智也、今よ!」


彼女が放った光の矢が敵の胸に直撃し、眩い閃光が辺りを照らした。その攻撃により、敵の動きが一瞬止まる。


「これで終わりだ!」


俺は全力で剣を振り下ろし、敵のエネルギーが集中している部分を狙った。剣が触れた瞬間、敵の体が砕け散り、無数の光の粒となって消えていく。


「やったか…?」


俺が剣を下ろし、警戒を解こうとしたその時、消えかけた光の粒が再び集まり始めた。


「ちょっと待って!これ、再生してる…!?」


エリスが驚きの声を上げる。それと同時に、石碑の文字が新たな光を放ち始めた。


『答えはまだ遠い。試練は終わらない』


「なんだと…まだ続くのかよ!」


「これ以上、この敵と戦い続けるのは無理よ…何か別の方法を考えないと。」


俺たちは再び石碑の暗号に注目した。敵を完全に倒すには、この暗号を解読しなければならないのだろう。


「智也、この文字列…『循環』を示しているわ。」


「循環…か。何かを繰り返しているってことだな。」


「ええ。この敵の再生もその一部かもしれない。つまり、何かを止めることで再生を断ち切れるのかも。」


エリスの言葉に従い、俺は石碑の光の流れを観察した。そして、一つの規則性に気づく。


「石碑の頂上、あそこが光の流れの起点になってる!」


「なるほど…そこを止めれば!」


俺たちは急いで石碑の頂上を目指した。異形の存在は再び動き出し、俺たちを追いかけてくる。


「急げ!もう時間がない!」


エリスが魔法で敵の足止めをしながら、俺は石碑を駆け上がった。頂上にたどり着いた時、そこには奇妙な装置があった。それは回転するリング状の装置で、無数の文字が浮かび上がっている。


「これが答えか…!」


装置の回転を止める方法を探る中、エリスが叫ぶ。


「智也、急いで!もう限界よ!」


俺は装置の中心に手を伸ばし、浮かび上がる文字を押し込むように動かした。その瞬間、装置が停止し、石碑が完全に光を失った。


異形の存在が崩れ去り、再び光の粒となって消えていく。


「…やったのか?」


「ええ、これで試練は終わりみたいね。」


荒野に静けさが戻り、俺たちは息をついた。石碑の下に戻ると、新たな扉が現れていた。それは次なる試練への入り口を示しているようだった。


「行くぞ、エリス。」


「ええ、準備はできてるわ。」


俺たちは扉を開き、次の試練へと足を踏み入れた。

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